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悠久石化

 石化魔法に掛かっていた姫騎士の話。

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※挿絵はDALL·Eを用いています。


 スチルハート王家は、その血筋として常に最前線に立ち、外敵に対して国民を護る義務がある。
 それが王家の血統であり、正統性なのだ。
 第一王女たる私は、この土地の名前を冠している。
 私の意志が国家の意志となるように。
 王位継承の責任がある者は、代々そうしてきたのだ。

 国家は幾度もの戦争に負けなかった。
 しかし、城は次々に落ち、私の居城も包囲された。
 遂に敵国の魔導士によって石に変えられてしまったのだ。
 戦いの中で、鎧がはだけ、随分無様な姿で石化された。
 こんな状態で永遠と言える時を過ごした。
 目も耳も使えないが、周囲の気配を感じ取れる。
 私が護った城は一時期荒廃したが、その後、戦乱の時期を経て、そして今は人々で賑わうようになった。
 恐らく、幸せな時代が訪れたのだろう。
 エレナリヤの言葉が話されているのが分かる。

 私が移動されたのは、つい最近の事だ。
 あれこれと、魔導の気配がする。
 何度も解除を試みているのが分かる。
 今までこんな事はなかったのに。

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