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わかる側の彼

英語には弱い。英語コンプレックスが強いのだ。
平均的に中高6年間は確実に習っているのに話せないんだから怖い。職場に外国人の方が来ることもあるが全て笑顔と日本語と身振り手振りで乗り切るので、「その押し通し方が清々しい」と褒められる(褒めてない)。


私の妹の夫、義弟が留学経験があり英会話が堪能なのだが、彼が妹と結婚した当初は彼にたいして「ふん、私の可愛い可愛い妹と結婚なんかしよって、結婚なんかしたらずっと一緒におるやんけ(当たり前)くそぅ、いつもニコニコ笑いやがって、そら楽しいやろあんな可愛い妹と毎日一緒におったら!えーーーん(泣)」みたいに思っていた。だだの嫉妬で気の毒。
でも妹も、私が結婚する時に私の夫に「◯◯へ。しゃあないからお姉ちゃん貸したるわ。いつでも返してくれてええからな。」と書かれた手紙を渡していた。◯◯は苗字で呼び捨てだった。めっちゃ可愛くない?私の7歳下の妹(アホ姉妹)。

だが、義弟と会って食事をしたりする時などに、まだ小さかった私の娘たちが着ていた洋服によく書いてある、わけの分からない適当な英単語を見て義弟はいつも笑っていた。
「super smile!」とか「flesh beat!」とか西◯屋とかで買うと大抵胸元にデカデカと書いてあるあの英単語、あれを妹に怒られながらも笑ってネイティブの発音で読んでいた。それを見た時に「鼻持ちならない奴だな」と思いながらも(終始失礼)「やっぱり英語ができる、理解できてしかも笑えたりするってカッコいいな」と思ったものだった。


いつものように前置きが長い。義弟はいつも穏やかで優しくて音楽にとてもくわしくて私の話もよく聞いてくれて良い人です念の為。私がシスコンなだけです。


ナムさんに、え、好き!を感じたのは、やっぱりそれね、と言われようがそればっかり取り沙汰されてイヤなのよね、と言われようが、そう、英語なんです。

ナムさんを認識した後に「いやいや話が違うやん!」的展開を迎えるのは、ジンさん、ジョングク、ユンギさんと来て、もう私はこの3人を推しつつ他の4人もやんわり愛でていればいい、とたかを括っていた頃のことです。
ナムさん・ホソクさん・テヒョンさん・ジミンちゃんの4人にも「いやいや話が違うやん!」的雷を落とされるっていうのに、呑気なもんですよ。


相変わらず長女からのプレゼンは続いていて、『個人特定期』から、『このコンテンツ見ずして死ぬな期』へと突入しました。
花様年華を初期にぶっ込まれたせいで、『Run』のMVを体感1日3000回ぐらい見ていた時に、
長女に「そんな所で止まってるヒマ、ないで?まだまだタリョラ大量にあるしな、ボンボヤやIN THE SOOP言うてな、7人が旅してご飯作ってお泊まりして朝起こしたり夜更かししたりするんやで」

私は気絶した。

そんな、そんな、そんな…素晴らしい、まるでオタクの妄想が生み出したようなものを、オタク側が見るのが合法的に許されている……?

長女は「SOOPは韓国語で森、やで〜」などと母の気絶にはまったく介せず(慣れているので)知識の披露に忙しい。彼女は専門学校を卒業後、就職したがコロナ禍で在宅待機が続き、その間にハングルの読み書きをマスターしていた。
書いて読めるだけなので知らない単語は意味がわからないとは言うものの、当時はすごいなぁと驚いたものだ。ノート一面にびっしりと「정호석(チョンホソク、合ってるかな、ドキドキ)」と書いてあるのを見てあぁとても良い狂気だな、と思いました(とても良い狂気、とは)。


さぁ、ボンボヤ、そして森ですよ、これはえらいことになりました。
私にはもう伝道師である長女の教えを待っている時間はありませんでした。見たいのよそんなもん、今すぐ見たいのよ。すぐに自分で調べてすぐに見始めてやるんだから!


課金でした(それはそう)。


どう考えてもこれはこすり倒すコンテンツであろう事は一目瞭然なのだから、さっさとヘソクリ出して買い漁ればいいものを、私は一旦ヒヨってしまい、長女がすでに加入していたd-TV(名前変わったんですよね、なんでしたっけ…)にあやかる事にしました(セコい)。
その時はボンボヤ3とIN THE SOOPとコンサート、さらにはドキュメンタリー映画まで見れるようになっていて、また気絶しました。

もう毎日毎日鬼の速さで家事を済ませたら、d-TVばっかり見ていました。娘たちからd-TVおばさんと呼ばれていました。
そのさなかに、ある違和感を感じ始めたのです。

あの〜……ナムさんって……ナムさんってさぁ……。
森では網戸壊したり僕はメロンの切り方も知らない、ってションボリしてて激カワなんやけどさぁ……ボンボヤ3ではめたくそスマートにレストランで英語でオーダーしてるやん……???

ハッッッ!!!そう言えば、いちばん最初のプレゼンで長女が言うてた!!!「ナムさん!英語ベラベラで物すぐ壊す!」って!!!
↓参考文献(文献……)

ようやく私は「ナムジュン ナム 英語」で検索した。

「あなたの名前は何ですか?」
「あなたの物語を教えて下さい」


めっちゃ英語で喋ってる。すごい。ってか国連。国連って何ですか?国連でスピーチって何ですか?
また気絶…いやいや、しているヒマないよ!
遅過ぎてごめん。先に破壊王から入ってごめん。
この24歳のキムナムジュンを知らずして死ななくて良かったーーーっスーツ着たら股下が東京タワーぐらいあるよねーーーっえーーーっ好き!


ようやく私は森でナムさんが盆栽を持って来て水をあげたり、他の6人の賑やかさから離れて1人グミを食べながら水辺で本を読んだりする姿に感じた、
彼の静かな穏やかな風みたいな雰囲気に納得した。
間に合って良かった(間に合ってない)。
余談ですがあのグミを食べながら読書するナムさんが大好物です(食うな)。ナムさんがグミの袋に手を入れてガザっと音がする瞬間に毎回「エモっっっっ!」と叫ぶので娘たちから通りすがりに「癖が特殊やねんマジで」と嫌がられます。


本当に、BTSの7人全員が、ひとつの単純な人柄でなく多様な面を持ち合わせていて、でもそれがやっぱりひとつのその人となりの中にきれいに共存していて惹きつけられるんですよね……優しく甘い沼、怖いよぅ。

でももう抜け出す気はない沼。嬉しいよぅ。

締めにナムさんの股下が本当に東京タワーぐらいある証拠を添えて。

スカイツリーかも知れん、あとお顔が小さい、多分頭蓋骨がりんごぐらいしかないはず。

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