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下りてきた樹氷

先日の湿った雪と雨の後、日中も気温が上がらなかったので、標高1,000mの職場のキャンプ場に樹氷の世界が広がった。樹氷は様々な条件がそろった時にしかこの標高では見られない。だから、冬の間はキャンプ場内にある登山口から、1,600mほどの山に樹氷を見るため登る人が大勢やってくる。私も昨年、条件のいい日を選んで登ったのだけれど、この冬は雪が少ないので樹氷もあまり期待できないから躊躇していたのだ。

青空に映える樹氷は、必然的に太陽の光を浴びてものすごい勢いで解けて落ちていく。朝早い気温の低いうちに見られてラッキーだった。標高が高い場所にできる樹氷は、日中に気温がさほど上がらないとそこにまた雪が降り積もったり、空気中の水分が凍り付いたりして寒さを増すごとに大きく成長し、アイスモンスターと呼ばれる。去年、モンスター級の樹氷は見られなかったので今年こそ、と思っていたけれど、たぶん今年もそこまで成長はしないだろう。今年は職場まで樹氷が下りてきてくれたので、満足することにした。

湿った雪は、美しい樹氷を見せるだけではない。雪の重みに耐えきれず、倒木があちこちで見つかる。私の住む集落でも電線に倒木がかかって、復旧工事のため停電した。キャンプ場内も見ておかなければ、と広い敷地を歩いて回る。

根こそぎ倒れた松の木
高い位置から落ちた松の枝

受付棟裏の大きな松の木が根こそぎ倒れている。わずかに枝先が電線にかかり、受付棟から外灯に伸びる線がたわむ程度で済んだ。倒れる向きが悪かったら、建物がつぶれていたかもしれないので、惨事にならなくてよかった。
もう一つ、枝が落ちた松の木が近くにあった。もともとよくあんな太い枝の重みに耐えてるよなぁ、と思うような背の高い木だったので、折れる運命だったのかもしれない。

昔あった遊歩道の道しるべ

面白い発見もあった。私がこれまでやってきた藪開きの中でも熊笹の密集度が一番すさまじかった場所(まだ一部しか開けていない)の笹が、雪の重みで倒れて今まで見たことのなかった矢印看板が出てきたのだ。つまり、この笹の密集した場所にはかつて道があったということ。ただでさえ密集しているのに、倒れた熊笹を切るのは骨が折れる作業だ。でも道があるならやりがいが見いだせるので、心折れかけた藪開きの続きにまたチャレンジしようと思う。

(「藪開き」は私が勝手に作った言葉で、何のことか知りたい方はこちらもどうぞ ↓ )

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