田舎暮らし

７年前に、海の近くから山の中に移住した。きっかけは、元夫と別居することになったので、どうせなら自分の住みたい場所に、と選んだのだ。

子供の頃、山の中で育ったので、同じような環境で子育てしたいという思いもあった。移住を決めて家の下見に行った直後、胃ガンが見つかり、即手術。その4カ月後、まだ身体は完全に回復してない状態で子供たち３人との田舎暮らしを始めた。

ここでの暮らしは、私に沢山の活力をくれた。川のせせらぎの音、小鳥のさえずり、小さな草花の美しさや季節の移ろい、身の回りに当たり前にあるもの一つひとつがそれまで抱えていたストレスを浄化していった。

「田舎暮らし」と一言で言っても田舎にも色々ある。平地の多い里山と、谷間にわずかに点在する集落、同じ村の中でも山ひとつ隔てるだけで、文化や風習、住む人の気質も違う。私は、幸運にも、自分の居場所と感じられる場所と巡りあうことかできた。