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6月伯山PLUS

このところ運良く、戻りチケットが取れまして、今月も『伯山PLUS』へ。

ゲストの神田陽乃丸さんへのお花も飾られていました


ゲストは、神田陽子先生のお弟子さん 神田陽乃丸(ひのまる)さん🌻 昨年12月に二つ目になられたのですって。

『伯山PLUS』は前座さんがいる時と、いない時があるのだけど、今日は伯山先生が前もって三番弟子の若之丞さんの初高座を演りますと❗️

若之丞さん、初高座は入門して先ず勉強するという『三方原軍紀』
5分くらいとはいえ、止まらずに読み切る。声もしっかりしています👍まだ19歳❗️二人の兄弟子とはまた違った個性で、どう育っていくのか楽しみです。

まくらでは、裁判の傍聴に行った話し。
MGの山口さんと時々、聞きに行くのだとか。
事件例も大小様々。時間と事件例を見て、複数の裁判を傍聴するらしい。裁判の過程によっては、罪を犯した人の生の声を聞くことも。
こういう経験も講談を読む時にも活きるのではと・・思っているとおっしゃっていました。

そんなまくらからの伯山先生の一席目は、『鹿政談』
ご存知のように #木ノ下裕一さん に書いてもらった読み物。
かつて、奈良では鹿を殺すと死罪という時代があったそう。

その時代の読み物。誤って鹿を殺してしまった豆腐屋弥兵衛。その正直者故、弥兵衛はお奉行さま、川路 聖謨(かわじ としあきら)の機転により罪を逃れる。

まくらの、奈良の鹿にまつわる話しが面白く、この前情報をもって聞くと川路 聖謨がいかに人格者だったかがわかる。ちなみに、川路 聖謨は実在の人物です。

陽乃丸さん
『妲己(だっき)のお百~十万坪の亭主殺し』この読み物は初めて聞きました。

長い読み物の一席で、江戸時代の毒婦『お百』をメインにした毒婦物。
日本最大の毒婦とも評された「妲己のお百」が大きな回船問屋の若旦那に目をつけ、色仕掛けで若旦那、徳兵衛に取り入り、女将を追い出して、最後は徳兵衛を・・という読み物

陽乃丸さん、ご本人はふんわりした雰囲気の方だけど、お百の言葉になると(ふふっ)と目尻が上がって不敵な笑みを浮かべつつ読む・・。
舞台の照明が落ちると雰囲気がぐっと妖しくなって聞き入ってしまった😱

伯山先生の二席目は、『文化白浪』という盗賊を主人公とする連続物の序章の『鋳掛松』

主人公、松五郎のこまっしゃくれた子ども時代から20歳に悪の道に堕ちていくきっかけになる出来事まで。

前半は、松五郎が賢すぎるために奉公先から暇を出された子ども時代から、父親の職業である"鋳掛屋"になり地道に頑張る青年時代。

そして後半、20歳になり、現実の厳しさを目の当たりにする。
貧しくて草履も買ってやれない、枝豆売りの親子に出会う場面は、泣けてしまう😢

この親子との出会いと同時に目にした屋形船で遊ぶ金持ち連中。

松五郎が、貧しさや、心根のやさしさが我慢となって逆に大きくダークサイドへと堕ちていく・・。

その心情の変化を、金持ちたちが芸者、幇間たちと船遊びをしている屋形船から聞こえてくる ♬スチャラカチャンチャン、スチャラカチャンチャン・・が表す。 

今日は、はめもののように三味線の音や鐘や太鼓を入れ、よりリアルに😡
こういう音の使い方、伯山先生、上手よね👍
松五郎のその後が気になる一席です。

『鹿政談』も『鋳掛松』も
YouTube『伯山ティービィー』に上がっています。
ご興味のある方はぜひご覧くださいね❗️

今回の三演目。"罪"がテーマ。
人間は、何かのきっかけで"罪人"の側になってしまう。

そんな世の中で、どう生きるか・・そんなことを考えさせられる『伯山PLUS』でした。ありがとうございます🙂

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