クリスマスキス
クリスマスだからキラキラした街を見に出かけたのに、なぜか今年はあんまりキラキラしてなくて、ワムも流れてなくて、クリスマスらしくない。
そう言ってちょっと不満そうにした私の耳元に、あなたが歌う、クリスマスソング。
Last Christmas
耳にかかるあなたの吐息と低くてあまい声。目を閉じて口元をほころばせた。
混みすぎのデパートでクリスマス限定のケーキをひとつだけ買って家に帰る。Noelって書かれた星形のチョコのプレートがラズベリーのムースに乗っている。
人混みに疲れたね。
二人っきりの部屋で小さなクリスマスツリーを眺めよう。
ソファーに腰掛けて体を休めるあなたにコーヒーを淹れた。冷えた手にコーヒーのあたたかさが優しい。
ねえ、
今日はまだキスしてくれてないよ。
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あなたは私をまっすぐ見つめて、そっと唇を合わせてくれた。少しして唇を離す。でも離れた唇をまた重ねる。何度もキスを繰り返すあなた。ゆっくり、優しく、すごく丁寧に、そんなに何度もしてくれるんだ。
あの頃みたいにキスしたくて仕方なくて、会ったらすぐにキスしてきたあなたはもういないのかもしれないけど、こんなふうに何度も優しく大切に愛してくれるあなたのことが大好き。
クリスマスを一緒に過ごせてうれしいね。
来年も、この先もずっと一緒だよね。
メリークリスマス。
お気持ち嬉しいです。ありがとうございます✨