初めて行ったいかがわしい店が思ってたのと違った。


コロナ禍の前、友達と飲んだあと連れられて初めていかがわしい店に行った。自分はあまり初めての場所に緊張しないタイプだが、どのようにいかがわしいのか友達の説明から全く想像がつかなかったので若干恐怖を感じていた。


しかし入ると普通のガールズバーとそれほど変わらない雰囲気だった。かなり人がいて客層はちょうど男女半々、比較的若い人が多めだが歳もバラバラで50代くらいの人もいた。


オーナーらしき人から店の説明を受け、鏡月のジュース割りと謎のアンケートを出された。ハンドルネームやどのようなスタイルで他人と接するかに加え、性癖を書く欄があったので、とりあえず「おっぱい」と小学生のプリント裏のようなしょうもないことを書いて提出して、薄めの酒を飲んでると店内がざわつき始めた。一体何が起こるんだと挙動不審になっていると店中の客が一箇所に集まり始める。


なにやらショーが始まるらしい。ショーってなんだとまた挙動不審になった。とりあえず訳の分からないまま客が集まっているところに混ざる…と蝋燭を持った白装束の女性が二人現れた。


店内にお化け屋敷のような明らかにおどろおどろしいBGMがかかり、ざわついていた声は途端に静まる。周りの客は常連が多いらしくこの珍事態にも動揺していなかった。


ショーが始まると女性は蝋燭をもう片方の女性の身体に垂らし始めた。なるほどこれは聞いたことあるぞとなんとなく状況を飲み込む。そのあと長いロープを出してきて天井に固定し女性の首に巻きつけた。


やばくないかと不安になっているとそのまま女性の体を浮かせて首吊り自殺のようになる。こりゃとんでもねえところに来ちまったぞとビビるもショーは止まらない。何度も首を絞めて意識を飛ばしかけるところを見て、もしここで人が死んだら明日ニュースになるのかなと考えていた。


女性は喘いでいるが興奮どころか恐怖で鳥肌が立つ。これはどちらかというと苦手なやつだ。パニック障害を持っているので発作が起きないよういつでも耳を塞げる体制にして目を逸らし深呼吸をする。この間かなりきつい1時間だった。どうやら拷問ではなくとりあえず女性が気持ち良さそうなので、良さは理解できなかったがなんとか精神を保てた。最後に強く首を絞めると女性が達してショーが終わり、拍手に包まれる中、おそらく自分一人しわしわの顔になっていた。ほんとに怖かった。


ショーが終わった後時間もそこそこだったので慌てて荷物をまとめた。帰る前にめちゃくちゃセクシーなバニーガールが出てきておっぱいに埋めてくれた。こういうのを想像してたんだけどなあ…と思いながら帰路についた。人生の経験値を稼いだ日。

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