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ペットのはなし

私は子供のころ、犬が飼いたかった。しかし、絶対的権限を持っていた祖父(現役時代)は、犬はダメだと言った。
私は諦めずに交渉し、では鳥ならいいと言われた。そして、祖父と兄とペットショップへ行き、ジュウシマツのツガイを買ってもらった。小さくて可愛い鳥で、毎日可愛がっていると、卵をどんどんと産み、気付いたらめっちゃ増えた。

祖父はペットは絶対家の中には入れてはいけない、という人だったので、車庫に鳥籠を置いていたら、猫に襲われるようになった。
祖父は鳥籠を車庫の天井高くに吊るし、猫対策をしたが、野生の猫は侮れなかった。ほんっとにものすごいジャンプ力で鳥籠をシャッとやり、籠を叩き落として私たちの可愛いジュウシマツちゃん達を… 家の中で飼ってあげていれば…

さすがに孫が哀れに思ったのか、うさぎのツガイを買ってくれた。そしてまたたっくさん増えた。祖父は器用だったので、お手製のうさぎ小屋を何個も作ってくれた。しかしまた、新たな脅威が生まれたのである。そう。イタチ。小屋に鍵をしていようが、金網をこじ開けてうさぎを狩るのである。祖父は、イタチが入れないように、小屋の外、塀の上とか、入れそうなスペースを全て金網で囲いイタチ対策を施した。しかし、野生のイタチは、塀の下の土を掘って越境し、まんまと小屋の前までやってきたのである。そして全滅…

そんなある日、うちの庭に侵入者がいた。明らかに人のう◯こが、ティッシュと共に捨てられていた。祖父は憤慨。糞害に憤慨。

あれだけダメだと言っていた犬。祖父は番犬として連れて来た。超絶可愛い豆柴ちゃん。思うところはたくさんあれど、とにかく嬉しかった。

名前はどうしようか、家族会議を開いた。私はジョンとかいいんじゃないか、と言ったが、柴犬にジョンはない、と両親に言われ、みんなで話し合った結果「ハナちゃん」はどうか、とまとまった。

次の日、祖父の元へ駆け寄り、「犬の名前だけどさー、」

祖父「ほらほらマルちゃん❤︎」

すでに、マルと命名されていた。

だよね。買って来たのは祖父だし、そもそも人の話を聞く人ではなかった。なぜ、祖父以外のメンバーだけで家族会議を開いてしまったのだろう、
無意味なのに。

それから我が家の可愛い可愛い番犬は、1番犬に反対していた祖父に溺愛され、幸せに過ごしてくれたと思う。

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