インドまで処女を捨てに行ったはなし

花房観音さんの「ヘイケイ日記」という本を読んだ。

性にまつわる赤裸々エッセイでめちゃくちゃ面白く、中でもご自身の性について振り返られていた内容が刺さった。

花房さんは若い頃、「性欲はめちゃくちゃ強いのに女として求められない自分」に劣等感があり、「20代半ばになって初めて自分に興味を持ってくれた22歳年上の男に言われるままに消費者金融に金を借りてやっと処女を捨てた。」と書かれていた。(この劣等感に異様に共感しながらも私は現在進行形なので、胸が痛い気持ちで読んでいた)

そしてこれを読みながら思い出した。
そうだ。私も22歳のとき、インドまでお金を出して処女を捨てに行ったじゃん…と。

もちろん元から処女を捨てに行く目的でインドへ行った訳ではなかった。
当時私は大学生の終わり、新社会人目前にし、「やっぱり働きたくない」という理由でせっかく決まっていた内定先を辞退した(本当に失礼な話です)。

そうして大学を卒業し、あてもなくふらふらしていたのを見兼ねた父に「お前は何がやりたいんだ」と聞かれ、「インド留学がしたい」と言ったところ、資金援助をしてくれて、2ヶ月間の語学留学目的でインドへ行ったというのが元の話である。

私は生粋の「男が怖い病(男は皆わたしを受け入れてくれないと思っている)」で、日本にいる時は、気になる男性に自分からアプローチできるような女ではなかった。
特に学生時代は顕著にひどく、全然男性に縁が無かった。だけど、いつも海外にいる時だけは開放的な気分になれて、素敵な男性がいれば、素直に自分の好意をアピールできているような節があった。

という訳で、このインド留学時にも気になる男性に素直に好き好きアピールができたのである。当時の私は22歳。お相手は現地で働いている5つ上の韓国人男性であった。(いやいや、インド人じゃないんか〜いというツッコミが聞こえる笑)

そうして私の好き好きアピールはうまく行き、無事2人でデートをし、帰りの道中、お相手の車でkiss and more…となり、、、。

ちょっと待ったあぁー!
と、ここでちゃんとお相手に解説した。それはちゃんと順を追いたいから、とかじゃなくて、キス and moreがヘタクソすぎるだろうから解説しておきたいという気持ちだった。

「私、キスしたことないです。Please tell me how to kiss and more…」って言いました。
これ、マジです笑。

そうしてその日は不慣れなディープキスをし、後日1回目のトライではキツキツすぎたのか入らず、またその後日、2回目のトライでようやく入って(やったー!笑)、無事に処女を卒業した。(その間に誕生日は超え、23歳で処女卒業となった)

ただなんとなくお分かりかと思うが、私の男に受け入れてもらえないだろう病というのは非常に根深く、セックスもキスも気持ち良いとは思わなかった。これはお相手の問題ではなく、私の心理的な問題が「感じる」ということを阻んでいるのだと思う。実際、不感症の女性は体でななく、心に問題があると本で読んだことがあり、本当にそうだと思う。

それまで処女であるという問題は自分の中で歳を追うごとに肥大化しており、そのことを考えると劣等感や恥ずかしさで死にそうだった。
かといって、自分のからだにコンプレックスがある私は日本で誰かに裸を見せるという勇気は到底持ち合わせていなかった。

でも海外での開放的な気分のおかげもあり、いろいろダメだったとしても単なる異国での失敗談として捉えられる気がしたし、お相手の韓国人男性もめちゃくちゃ良い人だったので、本当に本当にこの時に勇気を出して良かったと思っている。(ちなみにこれで道が開けた訳ではなく、以降今に至るまで1回もセックスできていないです、はい笑)

留学中はすらすら英語が喋れるようになったことに驚いたり、楽しい友人たちとの思い出とか、得たものは色々あるが、32歳を目前にし、当時から10年ほど経った今、何が一番良かったかといえばダントツで「セックスできたこと」である笑。
だから今は、インドまでお金を払って処女を捨てに行ったようなものだなあとも思えるのである。笑

だいぶ女性用風俗が浸透しつつある昨今でも、めちゃくちゃ興味はあるのに勇気が出せないような自分にとっては、本当にこの機会には救われたなぁと改めて思い返すのであった。。

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