いつでも閉めれる超ミニマム開業希望の皆様は注目!24年6年診療報酬改定開始!

 約20年も前ですが、医院開業が華やかなりし頃、足の便がいい高級住宅地のいい土地には<開業予定地>という看板をわりに目にしたものでした。1億以上の融資を受けて、綺麗な看板、外装、インテリアで理想のクリニックを創るんだ!永年努力してきた医師が開業する、いわばブランドの専門店ですから!と。

 私は180度違ったビジョンで動いていました。青空と太陽の下で、直接出かけて行って、外で訪問診療をしよう。少し前に議論になった、飛行機の中で『お医者様はいらっしゃいますか?』とアナウンスが入ることがありますね。そこで診療をしても保険請求はできないのです。と言うか、ここでの診療は認められていないのです。実は保険診療が行える場所は、医療機関の中、介護老人福祉施設、それと患者の家に限られる、というルールがあります。

 私自身は、海外に遊びに行った際しばしば遭遇しました。一度ならずお礼にと、プレミアシートと食事にワインを機長から提供して頂き、有り難く頂戴しました。誤診をするかも!と真面目に考えるなら、知らぬふりもありだとは思います。LCCのエコノミーの常連で、しかも渡航前の忙しさで食事の予約を忘れていた私には、助かった、家族の白い目を逃れられる!という思い出でしたが。

 話を戻しますと、このシチュエーションで求められていることは、単にトリアージ(重症度選別)であって、必ずしも診断ではありません。このことは一般開業においても、ある程度共通していると考えます。

 つまり重装備を持たずお金をかけなくても、丸腰で行う観察であっても診療行為は十分できます。そして、いつでも撤退できる選択肢を残しておく開業が、今の時代には合っているのではないかと最近益々考えています。例えば、研究や留学に思いを残しているなら、チャンスがあれば医院をたたむか、他人に任せてリターンすれば良いし、今どきの病院によっては時間外や週末開業の可能性を探ってもよいと思います。私自身(65歳)ははや引退の時期を迎えながら、今なお開業と好きな研究とも続行中です。ああすれば!こうすれば良かったという思いをお話ししていきたいと思います。

保険診療のゆく末について。

 2024年4月の診療報酬改定で、生活習慣病の平時の外来診察が制限され、予防と管理に重点が移されました。体裁はともかく、月2回算定できていた高血圧、糖尿病、脂質異常症が月1回しかできなくなりました。他の数が少ない特定疾患指定(慢性胃炎や狭心症など)もいずれ全部外されそうです。代わりの生活習慣病管理(l, ll)になると、色々面倒な手続きも増え、患者負担が増えてしまいます。これは内科開業医にとっては大打撃です。

 救急領域では、過去に交通事故が減ったことで外傷外科の出番が激減しました。生活習慣病管理により、はたして脳卒中、心筋梗塞、敗血症の救急疾患の頻度も減るのでしょうか。高齢化はそれを一層加速します。なぜなら治療の適応とされないことが多いからです。集中治療や専門医療も適応患者が減っていくのかもしれません。

 初診の(緊急)往診も規制され、普段のかかりつけが往診の前提になりました。コロナで頼りであった<何とかドクター>一社は閉業になりました。25年にはかかりつけ医としての診療能力の自己申告制度が予定されていると聞きます。しかも、です。このかかりつけ医には、24時間対応が要件として織り込まれるとも言います。一方でコロナ特例のオンライン初診は恒久化されました。もしや軽症例は外来からオンラインでの対応に移行される含みも読み取れます。

 財務省は勤務医から開業医へのシフトそのものが悪であるかのように明言しています。医師の地域偏在を解消するために、地域ごとの保険医登録の数を限定する意見も真面目に議論され始めています。専門も自由に選べない、診療科の選択も制限される、好きな場所で開業もできなくなる。開業にとっては更なる多難の時代だけに、大きな投資は考えどころです。しかし勤務医とて、病院の経営もまた上向きが予想されないだけに万事安心ともいえません。閉院ラッシュを受けて、医院承継の仲介業者は大忙しです。仲介手数料も最低500〜1000万に上ります。これまでどちらかと言うと敬遠されていた訪問診療にシフトする開業を安直に推奨されています。

 ただ訪問診療にも抑えどころや落とし穴があります。在宅医療16年、介護事業を8年、老人ホーム賃貸業、オンライン診療を続けてきた今、思うことをお話しして参ります。これから医療系の起業を目指す方と、共通の悩みをご相談させていただきます。ご希望の方は下記よりご登録をお願いします。

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