見出し画像

目の前に可愛いお姉様が現れて、心惹かれた話

夜勤前。行きの電車。
私が座っている目の前に
1人、20代くらいのお姉様が立った。

白い色を基調に、
シックな水色の花柄が舞ったワンピース。
肩と鎖骨のとこら辺はフリルっぽくなっていて、ふわっと風にふかれるスカート部分。

めちゃくちゃ可愛いワンピース!!
すごい、可愛すぎる!
つい見惚れてしまった。

最初はワンピースだけ見ていたけど、
上に目線を上げると、お姉様も清楚な感じで素敵な人だった。


叶うことならずっと見ていたい…!!

でも見れない!!
あんまり見ると不審者になっちゃう!
くっそぉ!

なぜここの席に座ってしまったのか。
数分前の私を憎む。


お姉様の爪先がふいに見えた。
水色と淡い紺色の綺麗な
ネイルが施されていた。

爪先まで素敵にしているとか、
女子力高すぎる…!
ワンピースにも合っているし、おしゃれ!! 

なんだか、夕陽の光がバックにあることで余計にキラキラして見える。

お姉様の輝きに心の中で悶絶していると
ある駅の停留所でわんさか学生が入ってきた。

一気に暑苦しさが押し寄せる。

それと同時に目の前のお姉様が
向こうの空いた席に座った。

よし!!これでよく見れる!!
(※変態ではありません)

お姉様はやっと一息つけたが、
隣に女子学生さんが座った。
どうやらその子は友達連れのよう。
友達は席が空いていないので座れないみたい。

お姉様は女子学生2人を
ちらちらと目で追って見ていた。

…なんとなく察した。

「譲らねば!でも声かけにくい…!」

お姉様はきっとこの状況の狭間にいるだろう。

わかる、わかるよ。
私もコミュ障すぎて譲れなかった時がある。
お姉様はコミュ障ではないかもしれないけど、
気持ちはなんとなくわかるよ!!

結局、お姉様はそのままお席に座り続けた。
いや、良いと思うよ。
学生さんには悪いけれど。
このお姉様は今日一可愛いもん。うん。

きっとおしゃれも誰よりも頑張ったんだ。
今日という日に一生懸命に磨きをかけたんだ。
座る権利は十分にあるよ!!

お姉様、ごゆっくり…!!


そして、次第に人混みが押し寄せ、
お姉様の姿も見えなくなった。

「お姉様、
良いものを見せてくれてありがとう…!」
心でお礼の言葉を伝え、お辞儀をした。



…どうか、後半一部始終ガン見していた
私のことを誰も見ていませんように。



PS
降りる時に、気がついたのですが
あのお姉様、お席を学生さんのために譲っていらっしゃいました…!
やっぱり外見も綺麗な人は中身も素敵なんだなぁと尊敬の眼差しを送った瞬間でした。

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?