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そうだ、ハイライトカラーを入れよう

私の髪はTHEストレートで、これと言って変な癖も無く、朝は濡らして櫛で梳かしてドライヤーで乾かすとそれなりに見える。
カラーをし出したのは社会人になってからで、大体2ヶ月~3ヶ月に1回美容院で染めてもらうのがルーティンになっていた。ブリーチも全頭はやったことが無く、派手髪の推しとおそろっちにしたくてイヤリングカラーとして一部だけはやったことがあった。ので、割とダメージも少なめ。
そんな背景もあって髪の悩みは比較的少ない方。ただ1点を除いて…。

若白髪。唯一とも言える私の髪の悩み。元々10代の頃から白髪が多く、20代をそろそろ半分過ぎようという現在も元気に生え盛っている。パッと見は分からないのがせめてもの救いだ。
家族からは「気にしすぎ」と言われたが、私が!気になるの!

鏡を見る度に嫌でも目に入るし、駄目だとは思いつつも抜いてしまう。どうにか…ならないものか…と思いながらネットサーフィンをしていると「ハイライトカラー」というものがあるらしいことを知った。

髪全体ではなく、ポイントで線状に明るめのカラーを入れて立体感を出す。こ、これだーーー!これならカラーに紛れて気にならなくなるんじゃないか?!
そんな沸き立つ私を宥めるように、もう1人の冷静な私が問いかけてくる。

「本当に似合う…?」
「多分ブリーチは必須だし、何より派手すぎるんじゃない…?」
「あといつもの美容院でやるならそれなりに料金かかるよ…?」

うるせ〜〜〜!!!!!やるったらやるんだい!!!!!と心に決めたのが今から大体1ヶ月程前。その矢先だった。美容師さんから声を掛けられたのは。

運命の靴を手に入れて数日。いつも通り仕事を終え、揺られる電車の中で足元を見てはニヤニヤしていた。乗り換えの駅に着いて、すたこらさっさと歩いていると「すみません、」と声を掛けられる。道に迷われたのかな、と思いながら話を聴こうとイヤホンを外す。

話を聴くと、どうやらその人は近くの美容院の美容師さんらしく、道行く人に声を掛けているらしかった。正直、新手のナンパか…?とずっと疑っていた。

「最近カットってされました?」
「つい最近しましたね〜。あ、でもちょっと白髪が多いのが気になってて、ハイライトカラーは今度入れようかな〜と思ってます」
「じゃあ是非ウチでやりませんか?お声掛けさせて頂いた方は50%offになるんですけども
えっ是非

嗚呼、大阪人。安いに越したことはない。それからあれよあれよという間にLINEを交換し、後日メッセージで日時を予約した。
お店までの地図を送って頂いたのでGoogleマップで外観を調べ、店名で検索→HPを確認し、マジのガチで存在するお店であることを確認してひと安心。疑り深いんだかフッ軽なんだか。

そして当日。マップを確認しながら歩き、駅から約10分ほどで到着。美容院特有のお洒落〜な空間に内心ソワソワしつつ、「埋められるところだけで大丈夫なので〜!」と渡されたカルテを埋めていく。

席に案内され、声を掛けてくれた美容師さんに改めてどんな風にしたいかを相談。実は予約を取った後、カットもお願いしていた。切ったり伸ばしたりを繰り返して、現在はショートに落ち着いている。が、何せすぐにフォルムが変わってしまう。なので、
カット:正面から見て襟足が見えないくらい、ただ襟足が浮くのも抑えたい、横は耳に掛けられるギリギリの長さ、前髪は眉毛くらいの長さ
カラー:ハイライトを入れたい、とにかく白髪が気になる、少々明るくても大丈夫、色味は寒色系が良い→オリーブ系の色を入れましょう!
という感じに。

声を掛けられた時から何となく感じていたが、美容師さんはとても気さくな雰囲気で、私のオタク話にも付き合ってくれた。「不滅のあなたへ」が通じた辺り、美容師さんも割とオタクな気はする。
そうこうしている内にカットが終わり、フォルムがだいぶスッキリして正直もう満足気味だった。だが今日のメインはここから、動きの出やすい髪の上部(ハチ)から細〜くちょっとず〜つ広〜く取り、ブリーチしていく。他の髪に液がつかないようにということは分かりつつも、髪にアルミホイルが飾り付けられていく様はちょっと面白かった。写真撮っときゃ良かった…。

美的を読みながら待つこと10分。美容師さんが確認しに来るが、「もう…ちょっと、置きましょうか」とのことだったので追加で5分。良い感じに色が抜け、赤みの強いブラウンの中にちらちらとゴールドが見え隠れする。

「しっかり色抜けましたね〜」なんて話しながら、今度はシャインマスカットみたいなグリーンの液剤を全体に塗りたくられていく。
ホンマに大丈夫か?!??と思っているのが顔に出てたのか、あるいは美容師さんが実はエスパーだったのかは分からないが、「この色にはならないので安心してください!」と笑顔で言ってくれた。

頭に清涼感を感じながらスマホを見ること約15分。色味を確認して液剤を流して鏡を見るとあ〜らびっくり。赤みが強かったのがすっかり収まり、ほんのりオリーブを感じる柔らかいベージュに。ハイライトもゴールドから優しい色合いに変わり、何となく「流れ星みたいだな」と思った。

長さをもう少し調整して、バームで後ろに流すようにセットをしてもらい完成。普段あまり自分のことを「素敵」と思わない私だが、鏡に写った私は間違いなく「素敵で、いい女」だった。
るんるんで施術の間外していたイヤリングをつけ直し、お会計。詳しい金額は私の心の中だけに留めるが、諭吉1枚でお釣りが返ってくるくらいだった。お声掛け料金、破格…。

その日は声を掛けてもらった時も履いていたjeffrey campbelのパールヒールローファーに、もこもこの黒のロングコートを着ていたこともあって、まるでハリウッド女優にでもなった気分だった。美容院から駅までの帰る道にレッドカーペットが見えた。

肝心の「白髪気になり過ぎ問題」だが、ありがたいことにだいぶ気にならなくなった。
白髪染めをした訳ではないので、勿論よくよく見れば元気に生え盛っているのだが、ハイライトを入れたことで上手く紛れてくれている。美容師さん曰く「もしまたハイライトを入れたいのであれば、次回からはもう少し沢山入れてみても良いかもしれません」とのことだったので、今回はだいぶ繊細に入れてくれたんだな…と思った。

何にせよ、長年の悩みだった若白髪との付き合い方も何となく分かり、新しい自分も見つけることが出来て、良い体験をした。という雑記。

次は全頭ブリーチやってみたいな!!!

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