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可愛い子はずっと傍にいてほしい

足元でガリッと音がした。嫌な予感がした。

それはある日突然に

Jeffrey Campbellのパールヒールローファー。私のnoteやTwitterを見てくださっている方ならご存知であろう、私の愛する相棒。知らない方は今知ってください。

はい可愛い〜!

11月にお迎えして以来、雨の日や予定的にちょっと…という日以外は基本的にほぼ毎日履いている。楽しい日もしんどい日も、ほぼ毎日。

その日もいつも通り出勤していた。寒さやらシンプルに仕事が忙しいやらで半ばメンタルが終わりかけの中、目の前の横断歩道の信号が丁度赤に変わって「ンアァ~~…」と萎えながらも、大人しく信号待ちをする。

ここで少し図を入れさせていただく。

横断歩道周辺の地図のようなものと信号待ちをする私
横から見た図
都合上「縁石」と言っているだけで、
実際は角が削れたブロックのような何か


大体図のような場所で信号待ちをしていた。すると背後に人の気配。おそらく私と同じように信号待ちをしているようだが、妙に迫ってくる。

便宜上歩道っぽく書いてはいるが、
きちんと道が区別されている訳ではなく、
すぐ隣は車がよく通るので
実質このくらいのスペースしかない

ああ、もう少し前の方で待ちたいのかな…と、私にしては珍しく気を利かせて縁石の方へ向かう。ここでトラップ発動!「店に行くに向かって沈んでいる道」!
一瞬よろめいて、左足を1歩後ろに下げる。足が地に着いたと同時に足元で「ガリッ」と音がした。

……これは……多分、てか確実に、やってしまった気がする。

その場ですぐに確認しようとするも、信号が青に変わりもうすぐ電車が来てしまうことに焦ってしっかりは見れなかった。

会社に着いて、早速靴を確認する。エナメルのところは若干砂が付いているくらいで何ともなさそう。もしかして大丈夫そうか…?と思ったがそんな希望は即座に打ち砕かれる。パールが、削れている。

遠目から見る分には気にならないのかもしれないけど
「傷つけた」って事実がショックだった


終わった……………。

あまりにショックだった。あまりにショックだったから速攻でTwitterに呟いたし、その日は1日仕事が手につかなかった。
だがタダで転んで終わる私ではない。絶望に満ちた頭の片隅で「修理」というワードが思い浮かんでいた。

相棒の為なら

昨年末のnoteにはチラッと書いたが、今年は「ワンピース・アクセサリーのお直し」をしようと考えていた。服やアクセサリーが直せるなら、ワンチャン靴も直せるんじゃないか…?と、お昼休みを使って早速ブランドのHPから問い合わせしてみることに。

結果としては、「オンラインストア以外での購入の場合は、直接購入店舗に問い合わせてほしい」とのことだった。
購入店舗、阪急百貨店。どうにかなれーッ!と今度は阪急百貨店のHPから問い合わせ。写真が添付できるタイプのフォームだったので、念の為写真も送った。

翌日。仕事がひと段落ついたところでふとスマホを見ると、知らない番号からの不在着信が2件。どこからだ…と番号を調べたら阪急の靴売り場。
一瞬席を外して、電話を掛け直すと、どうやらブランド担当の方は丁度接客中らしく、店員さんからのご厚意に甘えて私の仕事が終わる時間に掛け直してもらうことにした。
この時点で定時まであと1時間ほど。修理出来るのか出来ないのか、モヤモヤが最高潮に達した1時間だった。

定時ダッシュを決め、会社の最寄り駅に着いたところで再度電話が掛かってきた。今度はブランド担当の方だった。
「お問い合わせ頂いた修理の件ですが、部品の関係でヒールごと、両足とも交換となります」
「現在部品の在庫がございますので、修理可能ですがいかがなさいますか?」

心の中でガッツポーズしながらお願いします、と答える。費用やらお店に持って行く日にちやらを決め、電話を切って勢いのままTwitterへ。

水を得た魚とはこのことである。

暫しの別れ

なる早で修理に出したい気持ちはあったが、直近でどうしてもジェフリーちゃん(※靴のことを普段そう呼んでいる)を履きたい予定があった為、修理に持ち込む日はその翌日にした。

お迎えしてたった2ヶ月と少しを一緒に過ごしている間に、ジェフリーちゃんはすっかり私の生活、何なら身体の一部になっていた。暫くお別れか…と思うと寂しくて、心が苦しかった。せめて二度とこんな理由で引き離されることが無いように、戒めとして写真を撮った。

修理にはおよそ1ヶ月程度かかるようで、内心(なげ〜〜〜耐えらんね〜〜〜)とは思った。「この期間は目安ですので、もしかしたらもっと早まる可能性もございます」と、店員さんの言葉に希望を抱きつつ、靴と作成してくれた修理伝票を交換する。「ごめんね」と「行ってらっしゃい」と「早く帰ってきてね」の気持ちを込めて。

そこからはまぁ色々あって、体調(主にメンタル面)が優れない日が続いたり、知らん番号の不在着信を「もしかしてもう修理終わったりした?!」と勘違いしたり、ジェフリーちゃんへの恋しさからか70%OFFになっていたパールのアクセサリーを買ったりしながら過ごして約1週間と少し経った頃。遂にその日が来た。

最高の私で迎えに行こう

「お預かりしていた靴の修理が終わりまして、本日以降であればいつでもお引き取り頂けますよ」

……いや早ない???が正直な感想だった。

およそ1ヶ月、まぁ万が一早かったとしても2週間くらいは掛かるものだろうと思っていた。勿論早いに越したことはないし実際嬉しい。
ただちょっと予想外のスピードだった。

電話口でお礼と大体の引き取り日時を伝え、時を進めて週末。
こんなんもう、最高のお洋服で迎えに行くっきゃないわね…と取り出したのは通称(?)「100点ワンピース」である、ふりふの花園collection。

ジェフリーちゃんと一緒にいる率が高め


そしてアウターには先日手に入れた、チュールがあしらわれた白のニットカーディガン。

https://shop.niceclaup.jp/c/tops/cardigan/0122050390

我ながら完璧な布陣。強いて言うならこのファッションに合わせる靴はジェフリーちゃんが良かったな…とは思いつつも、お気に入りのブーツを履いていざ梅田へ。

また日々を共に

「すみません、修理に出していた靴の引き取りに来たんですけど…」と修理伝票を出しながら店員さんに声を掛けたら、「担当の者に変わりますので、宜しければ掛けてお待ちください」と売り場の椅子へ案内される。阪急百貨店の店員さんはこちらが申し訳なくなるレベルに毎度丁寧だな…なんて考えながら椅子に座り、何となくフロアを見つめる。

2ヶ月と少し前。ネットで見て一目惚れした靴をどうしても履いてみたくて、殆ど来ることがなかった阪急百貨店に足を踏み入れた。
初めて履いたジェフリーちゃんは可愛くて、華やかで、どこか凛としてて、この靴に似合う人になりたいと思った。
すぐに迎えたかったのをぐっと堪えて、他の靴を見せてもらったり、他の店舗に行って時間と体力が許す限り色々試着した。でも、どうしても最初に履いたジェフリーちゃんが忘れられなかった。どうしても、あの子と日々を過ごしたいと思った。

箱を手にした店員さんが戻ってくる。中には、すっかり綺麗になったジェフリーちゃんがきらきらと輝いていた。
その姿を見て、少しだけ、泣きそうになってしまった。

すっかり綺麗になったね
スマホカメラの映り込みがちょっとこわい

何にせよ、相棒の傷は無事に直り、再び私の毎日に付き合ってくれている。病める時も健やかなる時も、どうかお互い飽きるまで一緒にいようね。

そして何より、丁寧に対応してくださったJeffrey Campbellのカスタマーセンターの方、阪急百貨店ブランド担当の方、本当にありがとうございました。
私の相棒の修理に携わったのがどなたなのか知ることは出来なかったけど、綺麗に直して頂きありがとうございました。
私と靴の行く末を見守ってくださったフォロワーさんやガールズの皆様、ありがとうございました。

今回の教訓:二度と縁石には近づかないでください

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