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産業カウンセラー実技試験~不合格からの合格体験~

今回は、産業カウンセラーの実技試験について振り返って書きたいと思います。少し長くなりますが、これから実技試験を受けられるという方に少しでもお役に立てれば幸いです。

実は私は、産業カウンセラー資格の実技試験で一度不合格を経験しています。

養成講座を受講された方はご存知だと思いますが、産業カウンセラー資格試験には、学科・実技の2種類があります。

学科試験は基本的に全員受験が必要ですが、実技試験については、免除になる方もいます。実技試験が免除になるかどうかは、講座受講中の評価(恐らくロールプレイの様子や提出課題の評価)で決まるようです。

私は残念ながら実技試験免除の対象にはならなかったため、講座修了後に学科・実技を受験しました。ちなみに、私のクラスでは、どうやら1/3くらいの方が免除になっていた感じでしたが、その割合はクラスによって様々のようです。

1度目の実技試験

講座の終了から実技試験までの間は、数か月間が空きます。
受講中に学んだロールプレイでの感覚が薄れてしまわないように、私は講座修了後は実技試験に向けて、クラスメイト同士で月に2度ほど実技の練習を行っていました。なので、極力受講中の感覚を忘れないよう保っていたつもりでした。また口頭試験についても、ネットで得られた情報を中心に想定問答を練って、自分なりに対策をして臨みました。

そして「落とすための試験というよりは、傾聴の基本的な姿勢を見られる試験」というふうにも聞いていたこともあり、実技試験についてはこのときあまり心配はしておらず、「どちらかというと問題は学科試験だなぁ」と思っていました。

そして実技試験当日。
ロールプレイや口頭試問の対策を重ねていたこともあり、「できる準備はしっかりとやった」という気持ちで比較的落ち着いて臨むことができました。

学科試験についてもそれなりに手ごたえがあったので、全体的な所感としては、「まぁたぶん、大丈夫かなぁ」といった感触だったというのが正直なところです。

そして約1か月半後、結果が届きます。

一部合格という結果を振り返る

私のもとに届いた試験結果は、「一部合格(学科試験合格・実技試験不合格)」というものでした。

学科試験をクリアしたという安堵はあったものの、実技試験不合格という結果に、正直なところ大きくショックを受けました。
実技試験にむけた準備や練習は人一倍と言っても良いほどやってきたつもりでしたし、試験当日を思い返しても、明らかな失敗要素はすぐには思い当たりませんでした。むしろ、どちらかというと「まずまずできたんじゃないかな」という感触が残っていました。

また、少しずつではありましたが、既にカウンセラーのプラットフォームを経由してオンラインカウンセリングの実践経験を得ていていたこともあり、少し気持ちに余裕と自信を抱いて面接に臨んでいた部分もあったと思います。

それなのに、実技試験不合格。
「自分はカウンセラーとして、ごくごく基本的な資質すら欠けているのではないか。そして自分が信じてやってきたことは何だったのだろうか。」と、大きな不安と自信喪失に襲われて、そのダメージは2度目の結果を手にするまで尾を引きました。

2度目の実技試験受験

次の試験で再受験することはすぐに決めたものの、なかなか立ち直ることができませんでした。

行っていたオンラインカウンセリングについても、「産業カウンセラーの実技試験に落ちた自分が、果たして臨床を行ってもよいのか。ただでさえクライアントを傷つけるリスクと隣り合わせだというのに、私にはその危険が大きすぎるのではないか。」そんな不安と恐れが渦巻き、一時的に予約受付をクローズしていた期間もありました。

一度した間違いを繰り返したくないと思い、実技試験の記憶をたどって振り返るものの、どうしても「これ」という決定的な不合格の要因は特定できず、何がいけなかったのか、何もかも疑心暗鬼になりかけながら、2度目の実技試験まで悶々とした毎日を過ごしました。

そのような状態の中、クラスメイトとの練習会は引き続き継続して行いました。加えて、Facebookのグループでご縁をいただいた、カウンセラーやコーチを目指す方々との練習セッションも重ねました。質問や見立てに触れることは極力避けて、基本中の基本的なかかわりのみを行うことを忠実に意識した練習に専念しました。大きく自信を失って心が折れかけた私に、励ましの言葉をかけてくれたクラスメイトや先輩方には、今でもとても感謝しています。

また、協会で行われる実技試験対策のパワーアップ講座にも複数回参加しました。他支部で行われていた講座にも参加して、できることはやり切ったと思える状態になりました。ちなみに私の場合、所属する支部の講師の先生は比較的表現がやさしい分、良い/悪いがやや解りづらく感じたのに対して、他支部の講座での講師の先生のフィードバックが非常に明確で、注意点や改善点がはっきりとわかりやすく、試験対策としては心強い経験をさせていただきました。少し遠方でしたが、足を延ばして参加して良かったと心から感じています。

そして、迎えた実技試験当日。
一度目のことがあったので、「きっと大丈夫だろう」とまでは思えませんでしたが、「今の自分にできることはやり切った」とは思える状態ではありました。

それからまた、長い長い結果待ちの1カ月半。
前回よりも不安が大きい分、長く感じながら過ごします。「次もだめだったらどうしよう。一人前の産業カウンセラーになることを目指して会社を退職したのに。3度目の受験をする勇気は出せるだろうか。」そんな恐怖が払しょくできないまま結果通知を手にしました。

結果は、ありがたいことに合格をいただくことができました。

自分なりに分析した不合格の要因

先に合格された協会の先輩方や先生方のお話を参考にしながら考察した結果、自分の不合格の要因として考えられたのは以下の点です。

・ロールプレイでのクライアント役の際、扱ったテーマ(内容)が影響したかもしれない。(具体的な内容についてここに書くことは控えますが、気になる方がいらっしゃればコメントいただけると幸いです。)
・口述試問での振り返りで、「できたこと・できなかったこと」の考察が浅かったかもしれない。
・できたことについて、「寄り添って聴けた」などのような表現をしたかもしれないが、そういった発言は避けるべきだった。(本当の意味で寄り添って聴くことは容易なことではない。)
・実践経験があった分、どこか不適切な態度(自信・慢心)が出ていたかもしれない。(一部、実践経験を有していることに触れながら回答しました。)
・今後目指したい産業カウンセラー像について「家族」を前面に出した回答をしてしまったが、やはり「産業」にも丁寧に触れる必要があったのかもしれない。

一番強く思うのは、いくら口では「謙虚に研鑽を積みたい」と言い、心からそう思っていたとはいえ、どこかで小さな慢心があり、それがしっかりと試験官に見抜かれていたのかもしれません。

全体的に、「養成講座を修了して間もない自分はまだまだなのだ」ということを十分にわきまえて、低姿勢で、謙虚に控えめな姿勢を意識して臨んだのがよかったような気がします。

結局のところ、評価の詳細は知ることが出来ないため、何とも言えないところも大きいのですが、「禁忌を避ける」ということは、産業カウンセラーの実技試験にとっては大切なのかなと思います。

これから実技試験を受けられる方・不合格を経験された方へ。

不安を感じられている方もいらっしゃると思いますが、きちんと対策をして禁忌を避けて臨んでください。そうすればきっと大丈夫、とお伝えしたいです。

最後に、私が産業カウンセラーの先輩方にかけていただいて救われた言葉をご紹介します。
・試験官も人間だから、正直なところ相性の良し悪しや、運によるところもあると思う。
・産業カウンセラー資格は、数ある心理系の資格の中のひとつに過ぎない。それだけが絶対的な資格でもないし、仮に産業カウンセラーがだめだったとしても、心理士に向いてないなんて思わなくていいし、ほかにも心理士を目指す道はある。

これから受験される皆様が、これまで学んできたことをしっかりと発揮され、よい結果を手にされますよう、心より応援しています!

学科試験についても、そのうち書きたいなと思います。

最後まで読んでいただきありがとうございました。

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