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2024 この夏を紡ぐ 言の葉


4/29

GW三日目、お天気は雨

煙る街並みを眺めながら、ふと、

ベランダに咲いた薔薇に目が行く

私は我が家の庭に咲く、この薔薇の花の名を知らない…

 そう言えば、、世界的記号学者、ウンベルト.エーコ著「薔薇の名前」と言う推理小説があった。後にTV、映画化されてもいる、名作だ。

 人間にとって「知とは何か?」 「言語とは何 か?」 「政治とは何か?」 ・・数多くの根源 的な問いを投げかけ、 全世界で5500万部 を超えるベストセラーを記録した小説 。

 人間がいかに「言語」によって翻弄される存在なのか、人 間の「知」や「理性」 がいかに脆弱なものな のかを、克明な人物描写、 巧みな古典の引用 を通して見事に描き出したこの作品から現代人がSNS等々で文字に翻弄され、棄てられていく思惟的な表現、伝達を深く再認識する。

SNS等々に些かお疲れ気味の私も少しばかり自然に触れながら内省する時間が必要かもしれない。

さて…五月雨に打たれて花開く庭の薔薇の名前は?

AIに聞くのもアプリにかざすのも…ちと、気が進まないから

そっと、そのまま知らずにいるのも、なんだか、秘密めいていい…。


5/5

浅沼にひそと咲きたるあやめ草

今日は甍の波の上

(読み人 歩季)

【軒菖蒲】日本古来の風習で菖蒲と蓬を束ねたものを軒に飾り(投げ上げ)、
不浄を祓うという平安時代からみられる風習。

今日は端午の節句


5/24

木漏れ日の花

紫のいろ

今日は山寺 

はつ夏の香を聞く

5/18

東京国立新美術館 で開催されている
『マティス 自由なフォルムの企画展 TNATIONAL ART CENTER, TOKYO 』の開催が終盤に近づいている。

この、二月半ば頃、クリニックの待合室で見かけたアンリ.マティスの「プラタナス」の一枚の絵画。

マティスの絵画に出会うのは久しぶり。

 丁度その頃から東京でマチスの企画展が始まったばかりだったので取るに足らない事とは言え、その偶然を密かに楽しんだりした。

 それから暫くして体調を崩した私は外出を控え「療養」という名目で日がな一日をぼんやりと何をするでもなく過ごさなければならなかった。

 すっかり、断捨離の済んだ書籍棚に目をやると「アンリ.マティス」の画集が数冊ならんでいる。膝の上に置きパラパラとページを捲ると色彩の魔術師と呼ばれるマティスならではの見覚えのある名作が次々と目に飛び込んでくる。

「dance」「Blue nude」「緑のすじのあるマティス夫人の肖像」「花と果実」「生きる喜び」…正に今の私には「生きる喜び」を与えてくれる明るい色彩のエナジーに溢れていた。
 フォーヴィスム(野獣派)の中心的な存在として活動しながら自然を愛し緑の世界観を描き続けたマティス。

 新緑のこの時季にふさわしい企画展だ。

本展はマティス美術館の所蔵作品を中心に、切り紙絵に焦点を当てながら、絵画、彫刻、版画、テキスタイル等の作品や資料、約160点超を紹介するものらしい。

5/25

隻手音声(せきしゅおんじょう)

白隠禅師の言葉を頂いた。

両手を打つと音が出るが、片手(隻手)にはどんな音があるかということを問うものらしい。

常識とか当たり前に、こだわりながらそれが正しいと凝り固まって生活している自分に向かう、一喝言…と。

内なる自分の声に耳を傾ける…



5/28

熟れた果実の赤い実が

仄暗いキッチンの片隅で 妙に艶めいて 誘いをかける

もうしばらくは 渇望の酒にその実を 深く沈めて

ゆっくりとゆっくりと

成熟から芳醇へ

私の毎日を愉しませて…


5/31

ひとしきりの雨…

憂鬱な午後には

極上の香りを纏う…

緑はいよいよ深まり

雨の季節の到来


6/4

人のDNAとバナナのDNAは

ほぼ50%一致するらしい。

だから上手く生きられない時があっても

誰かと諍い、傷つけたり、傷けられたりしても

私たち半分バナナと同じよ!って、

そう笑顔で言い合えたら、人間、一皮剥けて…いいかもな。

他人にも自分にも甘いのは

バナナと同じ甘い蜜を纏っているからね。(笑)

螺旋DNAの階段を駆け登る生命の不思議を思う。

バナナと人の残り50%の別れ道は「それぞれの進化」だけだったのか…。


6/8

雨のひと間の

陽の温もり

6月8日、九州南部は今日、梅雨入り

そんな時季の良い頃に

たわわに実った枇杷を頂く。

甘く、微かに雨の匂いがする。


6/10

時は無常...

その無常の中に生きている私たち

「この世は無常なりゆえに真実にこそ目覚めよ」

お釈迦さま最後のお説法の教えです。

その、無常の中でもあなたに出会えた

仄暗い緑陰の中にふぅと浮かびくる花のように

あの日、あの時、一分一秒違わぬように。

令和6年6月10日、今日は時の記念日

6/14

白磁の皿に盛られたひと房の葡萄

マスカットグリーンの美しさを伝えたいのは今なのに

すれ違うことの寂しさと

繋がることの大切さと…

ひと粒の実の甘さに心救われ

ひとり…雨の庭を眺めている。

6/18

満たされた心で飲む
ひとり夜のお酒

グラスに浮かべた角氷

カラコロと音たてながら

琥珀色の思い出の中に
落ちていく

窓の外は五日振りの雨

庭に咲く姫沙羅の白い花を
静かに濡らしている

誰かと飲むお酒より

ひとり静かに飲むお酒の方が
心地よいこともある

今日、18日は父の祥月命日、明日は太宰の「桜桃忌」

六月の雨は静けさばかりを連れてくる。


6/24

蓮池を

すぃとひと掻き あま蛙

浄土に注ぐ慈雨は

さみだれ


6/27

シトシトと降る雨の中を
用もないのにフラリと愛車に乗って
私は街へと車を走らせる

金色の雨粒が覆う車窓から
雨に濡れた街路樹や通りを行き交う人々の姿をぼんやり眺めるためだけに…

車内に低く流れる
R&Bのリズミカルなビートが心地いい

良く磨かれたショーウィンドウの中には
流行りの服を着たマネキンがすました顔をしてこちらを見てる

丸椅子に腰掛ける客の背中
香り立つコーヒーの香り
ざわめく人々の声

若く美しい女たちの
楽しげなおしゃべりも
栗色の巻毛も
華奢なヒールの爪先も
みんな、みんな、雨の中

街角の赤いオーニングテントの下の花屋には
季節の花々が摘み取られ
色とりどりの花の色は
やがて交差点を行き交う傘の色に重なり合っていく

私はそれを横目に
ゆっくりとまた
アクセルを踏む

ただ、それだけ…

それだけの、雨のいちにち


7/1

雨もひと止み
気分を変えて
山寺のくちなしの花を見に
七月の杜をそぞろ歩いた

苔むす寺の石段に
しんと声もなく
十文字の縄に縛られた「関守石」の影を見る

「この先には入るべからず」

   無言の留め石である

凛とした石の気配が 人を跳ね除け
心を竦 (すく) める。

この留め石を置きたくなるのは 人の心も然り…か。

今日から七月 野も山も緑はいよいよ 深まるばかり



7/3

長く、降り続いた雨が
今朝、ようやく、上がった 

バニラアイスの
柔らかな塊を
口に含みながら
久しぶりに晴れ渡る空を見上げた

開け放つ部屋のチェストの上には
古いグラムフォン
流れ来る曲は
南の島の歌人、Bob Marley(1945-1981)
One Love …
陽気なリズムだ

食べ終えたアイススプーンの底には
ひと掬いの青空

カレンダーは七月に捲られた

また、灼熱の夏がやって来る


7/8

古いレコード盤に、針を落として聴く、ボサノヴァのリズム

ゆっくりと、回り始める33回転のロングプレイ

耳慣れた名曲

コルコバード

アストラッド・ジルベルトの甘く、気だるい声が低く、部屋に流れ出す

弦をつま弾くシンコペーション

しなるように心地よく

ビートを刻み始めている

激しく窓打つ雨音…

交差する不安と祈りと…


7/12


先日、鬱々とふり続いた雨がようやく上がった日の朝、古いレコードラックの中からアトランダムに抜き取ったLP盤が偶然にもボブ.マリーの『Exodus』のアルバムだった。

 その中に収められている「Three Little Birds」が、Spotifyで10億回再生を突破し“Billions Club”入りを果たした。

これはボブ・マーリーにとって初の快挙となるらしい。

 美しくシンプルな楽観主義について歌った「Three Little Birds」は、史上最も影響力のあるアルバムのひとつであり、タイム誌に“20世紀最高のアルバム”と評されたボブ・マーリーの名盤『Exodus』の収録曲だ。

 伝説のミュージシャン、レゲエの神様ボブ.マリーがこの世から居なくなって43年…なぜ今、若い世代にボブのこの曲が求められているのだろう。

 1977年6月にリリースされたこのアルバムには、「Three Little Birds」に加え、「Jamming」や「One Love/People Get Ready」といった長く愛されるヒット曲が収録されている。

 今年初めに全米劇場公開された、伝記映画『ボブ・マーリー:ONE LOVE』は全米2週1位を含む全世界14カ国で1位を記録し、日本では5月17日に公開されるとアジアでNo1を興行収入を記録した。

 さぞや、天国にいるボブは喜び、今こそ『One Love…」
地上にいる私たちが心ひとつにして諍いや差別や自然破壊に強く拳をあげ憤りの歌を歌い続けよ!そうであったら、きっと、世界はまだまだ大丈夫だと。
そう、言っているのかも知れない。

梅雨の晴れ間を縫って数羽の鳥がおおらかに翼を広げて飛んでいく。

私たちはボブがこの歌に込めた思いを改めてこの胸に留めよう。

Rise up this morning,
今朝 起きて
Smiled with the rising sun
昇る 太陽に にっこり
Three little birds pitch by my doorstep
3羽の小鳥が 戸口をさっとかすめて
Singing sweet songs of melodies pure and true
かわいい声で歌い 清らかな 誠のメロディーで
Saying, "This is my message to you-u-u"
告げたんだ 「これが あなたへの メッセージ」

Singing, Don't worry about a thing,
歌ってる 心配ないよ だいじょうぶ
'Cause every little thing's gonna be alright.
何もかも うまくいくからね
Singing, Don't worry about a thing,
歌ってる 心配ないよ だいじょうぶ
'Cause every little thing's gonna be alright.
何もかも うまくいくからね

https://youtu.be/LanCLS_hIo4?si=SbkwXmykEhAYWOVi

音楽はいつだって、言語も人種も国境も越え平和を願っている。


7/16


夕食のアペリティフに

今年初めて作った梅シロップを飲むことに決めた!

ちょっと躊躇するような瓶の

中身も大丈夫…

お先にどうぞ…😱

しっとりと湿った7月の夜風が

窓辺のスパシフィラムの葉を

揺らして。

かんぱぁーい

何に?

まぁまぁ、細かいことは言わず

健康であること

ただそれだけでも足りうる

今夜の一杯


7/18


梅雨が明けたら

何処か遠くへ

旅に出ようと決めていた。

少し伸びた髪を束ねて

口紅も引かず

素顔のままで…

胸に下げたカメラがこれから

捉える世界は

きっと

未来の私に必要な物ばかり

7/19

そんな風に

訳も分からずそっぽ向かれても…

だからこうして

私、ぽつんと小さい声で言ってみる

「桃…食べようか」

しっとりと蜜を含んだ言葉の重さ

心の中で探しながら…



7/23


暑い夏の盛り

一服の茶を立てる 

懐紙に挟んだ利休の詠文字

ひらり  ひらり

人の行く裏に 道あり花の 山

いずれを 行くも散らぬ 間に行け

茶聖、利休はこの詠を
いつの季節に咏ったのだろう

窓の外は忙しないほどの
蝉しぐれ

散るほどの花もなき

炎天の道




7/29


何ものにも染まら
何ものも染めず

水は器に従い
満つるだけ

ただ、足るを知る
そう、

気づかせるように。

 8/1

あの夏の光と影は

どこへ行ってしまったの...

そう、石川セリが遠い記憶の彼方で歌っていた

八月の濡れた砂…

寄せくる波も

光も影も

物語のように美しく優しかった

猛々しく燃え沸るような

人々が築き上げて来た

文明を愚かしく

後悔するような

そんな夏じゃなかった

光と影

私たちはその狭間で

生かされながら また

灼熱の八月を乗り越えていく

8/10

始まりの美と

仕舞われる美 と 阿吽

その狭間で生かされる者たちの

夏が過ぎゆく


8/15

心決めたら 大胆に

少しも躊躇わず

時に非情と言われても構わない

どうせ

もう、一つに戻りはしないから

スッパリと潔く

あとは、甘い蜜を啜るだけ…ふふ

ほら、

あなたを食べるには今…!

夏、真っ盛り🍉

8/25

暑い熱い一日が終わる

冷えたラムネのひと瓶 ポンと音立てて

息も吐かず飲み干す、、今、夕焼け

9/5


九月、明るい夏のおわり

九月、しとやかな秋のはじめ

涼やかな風が窓辺に吹き始める頃

堀口大学のこの「九月の言葉」が思い出される

賑やかな海辺のざわめきも潮騒の音も遠く聞こえる九月

閉ざされた別荘の窓

ふりかえる地平線には今日は舟さえ出ていない

満ち足りた頼りなさの中でふと、

都心へのノスタルジイを思う九月

私の中に柔らかな温もりを探して

静かに秋が始まっている

⁂堀口大学「九月の言葉」より一部、抜粋



9/26

言の葉の

渦に何処かへ持ち去られ

伝えたい思いが 何処にもみつからない

それより 朱い実 ふたつ ただ、ふたつ...

黙って、秋の色

4/29

GW三日目、お天気は雨

煙る街並みを眺めながら、ふと、

ベランダに咲いた薔薇に目が行く

私は我が家の庭に咲く、この薔薇の花の名を知らない…

 そう言えば、、世界的記号学者、ウンベルト.エーコ著「薔薇の名前」と言う推理小説があった。後にTV、映画化されてもいる、名作だ。

 人間にとって「知とは何か?」 「言語とは何 か?」 「政治とは何か?」 ・・数多くの根源 的な問いを投げかけ、 全世界で5500万部 を超えるベストセラーを記録した小説 。

 人間がいかに「言語」によって翻弄される存在なのか、人 間の「知」や「理性」 がいかに脆弱なものな のかを、克明な人物描写、 巧みな古典の引用 を通して見事に描き出したこの作品から現代人がSNS等々で文字に翻弄され、棄てられていく思惟的な表現、伝達を深く再認識する。

SNS等々に些かお疲れ気味の私も少しばかり自然に触れながら内省する時間が必要かもしれない。

さて…五月雨に打たれて花開く庭の薔薇の名前は?

AIに聞くのもアプリにかざすのも…ちと、気が進まないから

そっと、そのまま知らずにいるのも、なんだか、秘密めいていい…。


5/5

浅沼にひそと咲きたるあやめ草

今日は甍の波の上

(読み人 歩季)

【軒菖蒲】日本古来の風習で菖蒲と蓬を束ねたものを軒に飾り(投げ上げ)、
不浄を祓うという平安時代からみられる風習。

今日は端午の節句


5/24

木漏れ日の花

紫のいろ

今日は山寺 

はつ夏の香を聞く

5/18

東京国立新美術館 で開催されている
『マティス 自由なフォルムの企画展 TNATIONAL ART CENTER, TOKYO 』の開催が終盤に近づいている。

この、二月半ば頃、クリニックの待合室で見かけたアンリ.マティスの「プラタナス」の一枚の絵画。

マティスの絵画に出会うのは久しぶり。

 丁度その頃から東京でマチスの企画展が始まったばかりだったので取るに足らない事とは言え、その偶然を密かに楽しんだりした。

 それから暫くして体調を崩した私は外出を控え「療養」という名目で日がな一日をぼんやりと何をするでもなく過ごさなければならなかった。

 すっかり、断捨離の済んだ書籍棚に目をやると「アンリ.マティス」の画集が数冊ならんでいる。膝の上に置きパラパラとページを捲ると色彩の魔術師と呼ばれるマティスならではの見覚えのある名作が次々と目に飛び込んでくる。

「dance」「Blue nude」「緑のすじのあるマティス夫人の肖像」「花と果実」「生きる喜び」…正に今の私には「生きる喜び」を与えてくれる明るい色彩のエナジーに溢れていた。
 フォーヴィスム(野獣派)の中心的な存在として活動しながら自然を愛し緑の世界観を描き続けたマティス。

 新緑のこの時季にふさわしい企画展だ。

本展はマティス美術館の所蔵作品を中心に、切り紙絵に焦点を当てながら、絵画、彫刻、版画、テキスタイル等の作品や資料、約160点超を紹介するものらしい。

5/25

隻手音声(せきしゅおんじょう)

白隠禅師の言葉を頂いた。

両手を打つと音が出るが、片手(隻手)にはどんな音があるかということを問うものらしい。

常識とか当たり前に、こだわりながらそれが正しいと凝り固まって生活している自分に向かう、一喝言…と。

内なる自分の声に耳を傾ける…



5/28

熟れた果実の赤い実が

仄暗いキッチンの片隅で 妙に艶めいて 誘いをかける

もうしばらくは 渇望の酒にその実を 深く沈めて

ゆっくりとゆっくりと

成熟から芳醇へ

私の毎日を愉しませて…


5/31

ひとしきりの雨…

憂鬱な午後には

極上の香りを纏う…

緑はいよいよ深まり

雨の季節の到来


6/4

人のDNAとバナナのDNAは

ほぼ50%一致するらしい。

だから上手く生きられない時があっても

誰かと諍い、傷つけたり、傷けられたりしても

私たち半分バナナと同じよ!って、

そう笑顔で言い合えたら、人間、一皮剥けて…いいかもな。

他人にも自分にも甘いのは

バナナと同じ甘い蜜を纏っているからね。(笑)

螺旋DNAの階段を駆け登る生命の不思議を思う。

バナナと人の残り50%の別れ道は「それぞれの進化」だけだったのか…。


6/8

雨のひと間の

陽の温もり

6月8日、九州南部は今日、梅雨入り

そんな時季の良い頃に

たわわに実った枇杷を頂く。

甘く、微かに雨の匂いがする。


6/10

時は無常...

その無常の中に生きている私たち

「この世は無常なりゆえに真実にこそ目覚めよ」

お釈迦さま最後のお説法の教えです。

その、無常の中でもあなたに出会えた

仄暗い緑陰の中にふぅと浮かびくる花のように

あの日、あの時、一分一秒違わぬように。

令和6年6月10日、今日は時の記念日

6/14

白磁の皿に盛られたひと房の葡萄

マスカットグリーンの美しさを伝えたいのは今なのに

すれ違うことの寂しさと

繋がることの大切さと…

ひと粒の実の甘さに心救われ

ひとり…雨の庭を眺めている。

6/18

満たされた心で飲む
ひとり夜のお酒

グラスに浮かべた角氷

カラコロと音たてながら

琥珀色の思い出の中に
落ちていく

窓の外は五日振りの雨

庭に咲く姫沙羅の白い花を
静かに濡らしている

誰かと飲むお酒より

ひとり静かに飲むお酒の方が
心地よいこともある

今日、18日は父の祥月命日、明日は太宰の「桜桃忌」

六月の雨は静けさばかりを連れてくる。


6/24

蓮池を

すぃとひと掻き あま蛙

浄土に注ぐ慈雨は

さみだれ


6/27

シトシトと降る雨の中を
用もないのにフラリと愛車に乗って
私は街へと車を走らせる

金色の雨粒が覆う車窓から
雨に濡れた街路樹や通りを行き交う人々の姿をぼんやり眺めるためだけに…

車内に低く流れる
R&Bのリズミカルなビートが心地いい

良く磨かれたショーウィンドウの中には
流行りの服を着たマネキンがすました顔をしてこちらを見てる

丸椅子に腰掛ける客の背中
香り立つコーヒーの香り
ざわめく人々の声

若く美しい女たちの
楽しげなおしゃべりも
栗色の巻毛も
華奢なヒールの爪先も
みんな、みんな、雨の中

街角の赤いオーニングテントの下の花屋には
季節の花々が摘み取られ
色とりどりの花の色は
やがて交差点を行き交う傘の色に重なり合っていく

私はそれを横目に
ゆっくりとまた
アクセルを踏む

ただ、それだけ…

それだけの、雨のいちにち


7/1

雨もひと止み
気分を変えて
山寺のくちなしの花を見に
七月の杜をそぞろ歩いた

苔むす寺の石段に
しんと声もなく
十文字の縄に縛られた「関守石」の影を見る

「この先には入るべからず」

   無言の留め石である

凛とした石の気配が 人を跳ね除け
心を竦 (すく) める。

この留め石を置きたくなるのは 人の心も然り…か。

今日から七月 野も山も緑はいよいよ 深まるばかり



7/3

長く、降り続いた雨が
今朝、ようやく、上がった 

バニラアイスの
柔らかな塊を
口に含みながら
久しぶりに晴れ渡る空を見上げた

開け放つ部屋のチェストの上には
古いグラムフォン
流れ来る曲は
南の島の歌人、Bob Marley(1945-1981)
One Love …
陽気なリズムだ

食べ終えたアイススプーンの底には
ひと掬いの青空

カレンダーは七月に捲られた

また、灼熱の夏がやって来る


7/8

古いレコード盤に、針を落として聴く、ボサノヴァのリズム

ゆっくりと、回り始める33回転のロングプレイ

耳慣れた名曲

コルコバード

アストラッド・ジルベルトの甘く、気だるい声が低く、部屋に流れ出す

弦をつま弾くシンコペーション

しなるように心地よく

ビートを刻み始めている

激しく窓打つ雨音…

交差する不安と祈りと…


7/12


先日、鬱々とふり続いた雨がようやく上がった日の朝、古いレコードラックの中からアトランダムに抜き取ったLP盤が偶然にもボブ.マリーの『Exodus』のアルバムだった。

 その中に収められている「Three Little Birds」が、Spotifyで10億回再生を突破し“Billions Club”入りを果たした。

これはボブ・マーリーにとって初の快挙となるらしい。

 美しくシンプルな楽観主義について歌った「Three Little Birds」は、史上最も影響力のあるアルバムのひとつであり、タイム誌に“20世紀最高のアルバム”と評されたボブ・マーリーの名盤『Exodus』の収録曲だ。

 伝説のミュージシャン、レゲエの神様ボブ.マリーがこの世から居なくなって43年…なぜ今、若い世代にボブのこの曲が求められているのだろう。

 1977年6月にリリースされたこのアルバムには、「Three Little Birds」に加え、「Jamming」や「One Love/People Get Ready」といった長く愛されるヒット曲が収録されている。

 今年初めに全米劇場公開された、伝記映画『ボブ・マーリー:ONE LOVE』は全米2週1位を含む全世界14カ国で1位を記録し、日本では5月17日に公開されるとアジアでNo1を興行収入を記録した。

 さぞや、天国にいるボブは喜び、今こそ『One Love…」
地上にいる私たちが心ひとつにして諍いや差別や自然破壊に強く拳をあげ憤りの歌を歌い続けよ!そうであったら、きっと、世界はまだまだ大丈夫だと。
そう、言っているのかも知れない。

梅雨の晴れ間を縫って数羽の鳥がおおらかに翼を広げて飛んでいく。

私たちはボブがこの歌に込めた思いを改めてこの胸に留めよう。

Rise up this morning,
今朝 起きて
Smiled with the rising sun
昇る 太陽に にっこり
Three little birds pitch by my doorstep
3羽の小鳥が 戸口をさっとかすめて
Singing sweet songs of melodies pure and true
かわいい声で歌い 清らかな 誠のメロディーで
Saying, "This is my message to you-u-u"
告げたんだ 「これが あなたへの メッセージ」

Singing, Don't worry about a thing,
歌ってる 心配ないよ だいじょうぶ
'Cause every little thing's gonna be alright.
何もかも うまくいくからね
Singing, Don't worry about a thing,
歌ってる 心配ないよ だいじょうぶ
'Cause every little thing's gonna be alright.
何もかも うまくいくからね

https://youtu.be/LanCLS_hIo4?si=SbkwXmykEhAYWOVi

音楽はいつだって、言語も人種も国境も越え平和を願っている。


7/16


夕食のアペリティフに

今年初めて作った梅シロップを飲むことに決めた!

ちょっと躊躇するような瓶の

中身も大丈夫…

お先にどうぞ…😱

しっとりと湿った7月の夜風が

窓辺のスパシフィラムの葉を

揺らして。

かんぱぁーい

何に?

まぁまぁ、細かいことは言わず

健康であること

ただそれだけでも足りうる

今夜の一杯


7/18


梅雨が明けたら

何処か遠くへ

旅に出ようと決めていた。

少し伸びた髪を束ねて

口紅も引かず

素顔のままで…

胸に下げたカメラがこれから

捉える世界は

きっと

未来の私に必要な物ばかり

7/19

そんな風に

訳も分からずそっぽ向かれても…

だからこうして

私、ぽつんと小さい声で言ってみる

「桃…食べようか」

しっとりと蜜を含んだ言葉の重さ

心の中で探しながら…



7/23


暑い夏の盛り

一服の茶を立てる 

懐紙に挟んだ利休の詠文字

ひらり  ひらり

人の行く裏に 道あり花の 山

いずれを 行くも散らぬ 間に行け

茶聖、利休はこの詠を
いつの季節に咏ったのだろう

窓の外は忙しないほどの
蝉しぐれ

散るほどの花もなき

炎天の道




7/29


何ものにも染まら
何ものも染めず

水は器に従い
満つるだけ

ただ、足るを知る
そう、

気づかせるように。

 8/1

あの夏の光と影は

どこへ行ってしまったの...

そう、石川セリが遠い記憶の彼方で歌っていた

八月の濡れた砂…

寄せくる波も

光も影も

物語のように美しく優しかった

猛々しく燃え沸るような

人々が築き上げて来た

文明を愚かしく

後悔するような

そんな夏じゃなかった

光と影

私たちはその狭間で

生かされながら また

灼熱の八月を乗り越えていく

8/10

始まりの美と

仕舞われる美 と 阿吽

その狭間で生かされる者たちの

夏が過ぎゆく


8/15

心決めたら 大胆に

少しも躊躇わず

時に非情と言われても構わない

どうせ

もう、一つに戻りはしないから

スッパリと潔く

あとは、甘い蜜を啜るだけ…ふふ

ほら、

あなたを食べるには今…!

夏、真っ盛り🍉

8/25

暑い熱い一日が終わる

冷えたラムネのひと瓶 ポンと音立てて

息も吐かず飲み干す、、今、夕焼け

9/5


九月、明るい夏のおわり

九月、しとやかな秋のはじめ

涼やかな風が窓辺に吹き始める頃

堀口大学のこの「九月の言葉」が思い出される

賑やかな海辺のざわめきも潮騒の音も遠く聞こえる九月

閉ざされた別荘の窓

ふりかえる地平線には今日は舟さえ出ていない

満ち足りた頼りなさの中でふと、

都心へのノスタルジイを思う九月

私の中に柔らかな温もりを探して

静かに秋が始まっている

⁂堀口大学「九月の言葉」より一部、抜粋



9/26

言の葉の

渦に何処かへ持ち去られ

伝えたい思いが 何処にもみつからない

それより 朱い実 ふたつ ただ、ふたつ...

黙って、秋の色

4/29

GW三日目、お天気は雨

煙る街並みを眺めながら、ふと、

ベランダに咲いた薔薇に目が行く

私は我が家の庭に咲く、この薔薇の花の名を知らない…

 そう言えば、、世界的記号学者、ウンベルト.エーコ著「薔薇の名前」と言う推理小説があった。後にTV、映画化されてもいる、名作だ。

 人間にとって「知とは何か?」 「言語とは何 か?」 「政治とは何か?」 ・・数多くの根源 的な問いを投げかけ、 全世界で5500万部 を超えるベストセラーを記録した小説 。

 人間がいかに「言語」によって翻弄される存在なのか、人 間の「知」や「理性」 がいかに脆弱なものな のかを、克明な人物描写、 巧みな古典の引用 を通して見事に描き出したこの作品から現代人がSNS等々で文字に翻弄され、棄てられていく思惟的な表現、伝達を深く再認識する。

SNS等々に些かお疲れ気味の私も少しばかり自然に触れながら内省する時間が必要かもしれない。

さて…五月雨に打たれて花開く庭の薔薇の名前は?

AIに聞くのもアプリにかざすのも…ちと、気が進まないから

そっと、そのまま知らずにいるのも、なんだか、秘密めいていい…。


5/5

浅沼にひそと咲きたるあやめ草

今日は甍の波の上

(読み人 歩季)

【軒菖蒲】日本古来の風習で菖蒲と蓬を束ねたものを軒に飾り(投げ上げ)、
不浄を祓うという平安時代からみられる風習。

今日は端午の節句


5/24

木漏れ日の花

紫のいろ

今日は山寺 

はつ夏の香を聞く

5/18

東京国立新美術館 で開催されている
『マティス 自由なフォルムの企画展 TNATIONAL ART CENTER, TOKYO 』の開催が終盤に近づいている。

この、二月半ば頃、クリニックの待合室で見かけたアンリ.マティスの「プラタナス」の一枚の絵画。

マティスの絵画に出会うのは久しぶり。

 丁度その頃から東京でマチスの企画展が始まったばかりだったので取るに足らない事とは言え、その偶然を密かに楽しんだりした。

 それから暫くして体調を崩した私は外出を控え「療養」という名目で日がな一日をぼんやりと何をするでもなく過ごさなければならなかった。

 すっかり、断捨離の済んだ書籍棚に目をやると「アンリ.マティス」の画集が数冊ならんでいる。膝の上に置きパラパラとページを捲ると色彩の魔術師と呼ばれるマティスならではの見覚えのある名作が次々と目に飛び込んでくる。

「dance」「Blue nude」「緑のすじのあるマティス夫人の肖像」「花と果実」「生きる喜び」…正に今の私には「生きる喜び」を与えてくれる明るい色彩のエナジーに溢れていた。
 フォーヴィスム(野獣派)の中心的な存在として活動しながら自然を愛し緑の世界観を描き続けたマティス。

 新緑のこの時季にふさわしい企画展だ。

本展はマティス美術館の所蔵作品を中心に、切り紙絵に焦点を当てながら、絵画、彫刻、版画、テキスタイル等の作品や資料、約160点超を紹介するものらしい。

5/25

隻手音声(せきしゅおんじょう)

白隠禅師の言葉を頂いた。

両手を打つと音が出るが、片手(隻手)にはどんな音があるかということを問うものらしい。

常識とか当たり前に、こだわりながらそれが正しいと凝り固まって生活している自分に向かう、一喝言…と。

内なる自分の声に耳を傾ける…



5/28

熟れた果実の赤い実が

仄暗いキッチンの片隅で 妙に艶めいて 誘いをかける

もうしばらくは 渇望の酒にその実を 深く沈めて

ゆっくりとゆっくりと

成熟から芳醇へ

私の毎日を愉しませて…


5/31

ひとしきりの雨…

憂鬱な午後には

極上の香りを纏う…

緑はいよいよ深まり

雨の季節の到来


6/4

人のDNAとバナナのDNAは

ほぼ50%一致するらしい。

だから上手く生きられない時があっても

誰かと諍い、傷つけたり、傷けられたりしても

私たち半分バナナと同じよ!って、

そう笑顔で言い合えたら、人間、一皮剥けて…いいかもな。

他人にも自分にも甘いのは

バナナと同じ甘い蜜を纏っているからね。(笑)

螺旋DNAの階段を駆け登る生命の不思議を思う。

バナナと人の残り50%の別れ道は「それぞれの進化」だけだったのか…。


6/8

雨のひと間の

陽の温もり

6月8日、九州南部は今日、梅雨入り

そんな時季の良い頃に

たわわに実った枇杷を頂く。

甘く、微かに雨の匂いがする。


6/10

時は無常...

その無常の中に生きている私たち

「この世は無常なりゆえに真実にこそ目覚めよ」

お釈迦さま最後のお説法の教えです。

その、無常の中でもあなたに出会えた

仄暗い緑陰の中にふぅと浮かびくる花のように

あの日、あの時、一分一秒違わぬように。

令和6年6月10日、今日は時の記念日

6/14

白磁の皿に盛られたひと房の葡萄

マスカットグリーンの美しさを伝えたいのは今なのに

すれ違うことの寂しさと

繋がることの大切さと…

ひと粒の実の甘さに心救われ

ひとり…雨の庭を眺めている。

6/18

満たされた心で飲む
ひとり夜のお酒

グラスに浮かべた角氷

カラコロと音たてながら

琥珀色の思い出の中に
落ちていく

窓の外は五日振りの雨

庭に咲く姫沙羅の白い花を
静かに濡らしている

誰かと飲むお酒より

ひとり静かに飲むお酒の方が
心地よいこともある

今日、18日は父の祥月命日、明日は太宰の「桜桃忌」

六月の雨は静けさばかりを連れてくる。


6/24

蓮池を

すぃとひと掻き あま蛙

浄土に注ぐ慈雨は

さみだれ


6/27

シトシトと降る雨の中を
用もないのにフラリと愛車に乗って
私は街へと車を走らせる

金色の雨粒が覆う車窓から
雨に濡れた街路樹や通りを行き交う人々の姿をぼんやり眺めるためだけに…

車内に低く流れる
R&Bのリズミカルなビートが心地いい

良く磨かれたショーウィンドウの中には
流行りの服を着たマネキンがすました顔をしてこちらを見てる

丸椅子に腰掛ける客の背中
香り立つコーヒーの香り
ざわめく人々の声

若く美しい女たちの
楽しげなおしゃべりも
栗色の巻毛も
華奢なヒールの爪先も
みんな、みんな、雨の中

街角の赤いオーニングテントの下の花屋には
季節の花々が摘み取られ
色とりどりの花の色は
やがて交差点を行き交う傘の色に重なり合っていく

私はそれを横目に
ゆっくりとまた
アクセルを踏む

ただ、それだけ…

それだけの、雨のいちにち


7/1

雨もひと止み
気分を変えて
山寺のくちなしの花を見に
七月の杜をそぞろ歩いた

苔むす寺の石段に
しんと声もなく
十文字の縄に縛られた「関守石」の影を見る

「この先には入るべからず」

   無言の留め石である

凛とした石の気配が 人を跳ね除け
心を竦 (すく) める。

この留め石を置きたくなるのは 人の心も然り…か。

今日から七月 野も山も緑はいよいよ 深まるばかり



7/3

長く、降り続いた雨が
今朝、ようやく、上がった 

バニラアイスの
柔らかな塊を
口に含みながら
久しぶりに晴れ渡る空を見上げた

開け放つ部屋のチェストの上には
古いグラムフォン
流れ来る曲は
南の島の歌人、Bob Marley(1945-1981)
One Love …
陽気なリズムだ

食べ終えたアイススプーンの底には
ひと掬いの青空

カレンダーは七月に捲られた

また、灼熱の夏がやって来る


7/8

古いレコード盤に、針を落として聴く、ボサノヴァのリズム

ゆっくりと、回り始める33回転のロングプレイ

耳慣れた名曲

コルコバード

アストラッド・ジルベルトの甘く、気だるい声が低く、部屋に流れ出す

弦をつま弾くシンコペーション

しなるように心地よく

ビートを刻み始めている

激しく窓打つ雨音…

交差する不安と祈りと…


7/12


先日、鬱々とふり続いた雨がようやく上がった日の朝、古いレコードラックの中からアトランダムに抜き取ったLP盤が偶然にもボブ.マリーの『Exodus』のアルバムだった。

 その中に収められている「Three Little Birds」が、Spotifyで10億回再生を突破し“Billions Club”入りを果たした。

これはボブ・マーリーにとって初の快挙となるらしい。

 美しくシンプルな楽観主義について歌った「Three Little Birds」は、史上最も影響力のあるアルバムのひとつであり、タイム誌に“20世紀最高のアルバム”と評されたボブ・マーリーの名盤『Exodus』の収録曲だ。

 伝説のミュージシャン、レゲエの神様ボブ.マリーがこの世から居なくなって43年…なぜ今、若い世代にボブのこの曲が求められているのだろう。

 1977年6月にリリースされたこのアルバムには、「Three Little Birds」に加え、「Jamming」や「One Love/People Get Ready」といった長く愛されるヒット曲が収録されている。

 今年初めに全米劇場公開された、伝記映画『ボブ・マーリー:ONE LOVE』は全米2週1位を含む全世界14カ国で1位を記録し、日本では5月17日に公開されるとアジアでNo1を興行収入を記録した。

 さぞや、天国にいるボブは喜び、今こそ『One Love…」
地上にいる私たちが心ひとつにして諍いや差別や自然破壊に強く拳をあげ憤りの歌を歌い続けよ!そうであったら、きっと、世界はまだまだ大丈夫だと。
そう、言っているのかも知れない。

梅雨の晴れ間を縫って数羽の鳥がおおらかに翼を広げて飛んでいく。

私たちはボブがこの歌に込めた思いを改めてこの胸に留めよう。

Rise up this morning,
今朝 起きて
Smiled with the rising sun
昇る 太陽に にっこり
Three little birds pitch by my doorstep
3羽の小鳥が 戸口をさっとかすめて
Singing sweet songs of melodies pure and true
かわいい声で歌い 清らかな 誠のメロディーで
Saying, "This is my message to you-u-u"
告げたんだ 「これが あなたへの メッセージ」

Singing, Don't worry about a thing,
歌ってる 心配ないよ だいじょうぶ
'Cause every little thing's gonna be alright.
何もかも うまくいくからね
Singing, Don't worry about a thing,
歌ってる 心配ないよ だいじょうぶ
'Cause every little thing's gonna be alright.
何もかも うまくいくからね

https://youtu.be/LanCLS_hIo4?si=SbkwXmykEhAYWOVi

音楽はいつだって、言語も人種も国境も越え平和を願っている。


7/16


夕食のアペリティフに

今年初めて作った梅シロップを飲むことに決めた!

ちょっと躊躇するような瓶の

中身も大丈夫…

お先にどうぞ…😱

しっとりと湿った7月の夜風が

窓辺のスパシフィラムの葉を

揺らして。

かんぱぁーい

何に?

まぁまぁ、細かいことは言わず

健康であること

ただそれだけでも足りうる

今夜の一杯


7/18


梅雨が明けたら

何処か遠くへ

旅に出ようと決めていた。

少し伸びた髪を束ねて

口紅も引かず

素顔のままで…

胸に下げたカメラがこれから

捉える世界は

きっと

未来の私に必要な物ばかり

7/19

そんな風に

訳も分からずそっぽ向かれても…

だからこうして

私、ぽつんと小さい声で言ってみる

「桃…食べようか」

しっとりと蜜を含んだ言葉の重さ

心の中で探しながら…



7/23


暑い夏の盛り

一服の茶を立てる 

懐紙に挟んだ利休の詠文字

ひらり  ひらり

人の行く裏に 道あり花の 山

いずれを 行くも散らぬ 間に行け

茶聖、利休はこの詠を
いつの季節に咏ったのだろう

窓の外は忙しないほどの
蝉しぐれ

散るほどの花もなき

炎天の道




7/29


何ものにも染まら
何ものも染めず

水は器に従い
満つるだけ

ただ、足るを知る
そう、

気づかせるように。

 8/1

あの夏の光と影は

どこへ行ってしまったの...

そう、石川セリが遠い記憶の彼方で歌っていた

八月の濡れた砂…

寄せくる波も

光も影も

物語のように美しく優しかった

猛々しく燃え沸るような

人々が築き上げて来た

文明を愚かしく

後悔するような

そんな夏じゃなかった

光と影

私たちはその狭間で

生かされながら また

灼熱の八月を乗り越えていく

8/10

始まりの美と

仕舞われる美 と 阿吽

その狭間で生かされる者たちの

夏が過ぎゆく


8/15

心決めたら 大胆に

少しも躊躇わず

時に非情と言われても構わない

どうせ

もう、一つに戻りはしないから

スッパリと潔く

あとは、甘い蜜を啜るだけ…ふふ

ほら、

あなたを食べるには今…!

夏、真っ盛り🍉

8/25

暑い熱い一日が終わる

冷えたラムネのひと瓶 ポンと音立てて

息も吐かず飲み干す、、今、夕焼け

9/5


九月、明るい夏のおわり

九月、しとやかな秋のはじめ

涼やかな風が窓辺に吹き始める頃

堀口大学のこの「九月の言葉」が思い出される

賑やかな海辺のざわめきも潮騒の音も遠く聞こえる九月

閉ざされた別荘の窓

ふりかえる地平線には今日は舟さえ出ていない

満ち足りた頼りなさの中でふと、

都心へのノスタルジイを思う九月

私の中に柔らかな温もりを探して

静かに秋が始まっている

⁂堀口大学「九月の言葉」より一部、抜粋



9/26

言の葉の

渦に何処かへ持ち去られ

伝えたい思いが 何処にもみつからない

それより 朱い実 ふたつ ただ、ふたつ...

黙って、秋の色

4/29

GW三日目、お天気は雨

煙る街並みを眺めながら、ふと、

ベランダに咲いた薔薇に目が行く

私は我が家の庭に咲く、この薔薇の花の名を知らない…

 そう言えば、、世界的記号学者、ウンベルト.エーコ著「薔薇の名前」と言う推理小説があった。後にTV、映画化されてもいる、名作だ。

 人間にとって「知とは何か?」 「言語とは何 か?」 「政治とは何か?」 ・・数多くの根源 的な問いを投げかけ、 全世界で5500万部 を超えるベストセラーを記録した小説 。

 人間がいかに「言語」によって翻弄される存在なのか、人 間の「知」や「理性」 がいかに脆弱なものな のかを、克明な人物描写、 巧みな古典の引用 を通して見事に描き出したこの作品から現代人がSNS等々で文字に翻弄され、棄てられていく思惟的な表現、伝達を深く再認識する。

SNS等々に些かお疲れ気味の私も少しばかり自然に触れながら内省する時間が必要かもしれない。

さて…五月雨に打たれて花開く庭の薔薇の名前は?

AIに聞くのもアプリにかざすのも…ちと、気が進まないから

そっと、そのまま知らずにいるのも、なんだか、秘密めいていい…。


5/5

浅沼にひそと咲きたるあやめ草

今日は甍の波の上

(読み人 歩季)

【軒菖蒲】日本古来の風習で菖蒲と蓬を束ねたものを軒に飾り(投げ上げ)、
不浄を祓うという平安時代からみられる風習。

今日は端午の節句


5/24

木漏れ日の花

紫のいろ

今日は山寺 

はつ夏の香を聞く

5/18

東京国立新美術館 で開催されている
『マティス 自由なフォルムの企画展 TNATIONAL ART CENTER, TOKYO 』の開催が終盤に近づいている。

この、二月半ば頃、クリニックの待合室で見かけたアンリ.マティスの「プラタナス」の一枚の絵画。

マティスの絵画に出会うのは久しぶり。

 丁度その頃から東京でマチスの企画展が始まったばかりだったので取るに足らない事とは言え、その偶然を密かに楽しんだりした。

 それから暫くして体調を崩した私は外出を控え「療養」という名目で日がな一日をぼんやりと何をするでもなく過ごさなければならなかった。

 すっかり、断捨離の済んだ書籍棚に目をやると「アンリ.マティス」の画集が数冊ならんでいる。膝の上に置きパラパラとページを捲ると色彩の魔術師と呼ばれるマティスならではの見覚えのある名作が次々と目に飛び込んでくる。

「dance」「Blue nude」「緑のすじのあるマティス夫人の肖像」「花と果実」「生きる喜び」…正に今の私には「生きる喜び」を与えてくれる明るい色彩のエナジーに溢れていた。
 フォーヴィスム(野獣派)の中心的な存在として活動しながら自然を愛し緑の世界観を描き続けたマティス。

 新緑のこの時季にふさわしい企画展だ。

本展はマティス美術館の所蔵作品を中心に、切り紙絵に焦点を当てながら、絵画、彫刻、版画、テキスタイル等の作品や資料、約160点超を紹介するものらしい。

5/25

隻手音声(せきしゅおんじょう)

白隠禅師の言葉を頂いた。

両手を打つと音が出るが、片手(隻手)にはどんな音があるかということを問うものらしい。

常識とか当たり前に、こだわりながらそれが正しいと凝り固まって生活している自分に向かう、一喝言…と。

内なる自分の声に耳を傾ける…



5/28

熟れた果実の赤い実が

仄暗いキッチンの片隅で 妙に艶めいて 誘いをかける

もうしばらくは 渇望の酒にその実を 深く沈めて

ゆっくりとゆっくりと

成熟から芳醇へ

私の毎日を愉しませて…


5/31

ひとしきりの雨…

憂鬱な午後には

極上の香りを纏う…

緑はいよいよ深まり

雨の季節の到来


6/4

人のDNAとバナナのDNAは

ほぼ50%一致するらしい。

だから上手く生きられない時があっても

誰かと諍い、傷つけたり、傷けられたりしても

私たち半分バナナと同じよ!って、

そう笑顔で言い合えたら、人間、一皮剥けて…いいかもな。

他人にも自分にも甘いのは

バナナと同じ甘い蜜を纏っているからね。(笑)

螺旋DNAの階段を駆け登る生命の不思議を思う。

バナナと人の残り50%の別れ道は「それぞれの進化」だけだったのか…。


6/8

雨のひと間の

陽の温もり

6月8日、九州南部は今日、梅雨入り

そんな時季の良い頃に

たわわに実った枇杷を頂く。

甘く、微かに雨の匂いがする。


6/10

時は無常...

その無常の中に生きている私たち

「この世は無常なりゆえに真実にこそ目覚めよ」

お釈迦さま最後のお説法の教えです。

その、無常の中でもあなたに出会えた

仄暗い緑陰の中にふぅと浮かびくる花のように

あの日、あの時、一分一秒違わぬように。

令和6年6月10日、今日は時の記念日

6/14

白磁の皿に盛られたひと房の葡萄

マスカットグリーンの美しさを伝えたいのは今なのに

すれ違うことの寂しさと

繋がることの大切さと…

ひと粒の実の甘さに心救われ

ひとり…雨の庭を眺めている。

6/18

満たされた心で飲む
ひとり夜のお酒

グラスに浮かべた角氷

カラコロと音たてながら

琥珀色の思い出の中に
落ちていく

窓の外は五日振りの雨

庭に咲く姫沙羅の白い花を
静かに濡らしている

誰かと飲むお酒より

ひとり静かに飲むお酒の方が
心地よいこともある

今日、18日は父の祥月命日、明日は太宰の「桜桃忌」

六月の雨は静けさばかりを連れてくる。


6/24

蓮池を

すぃとひと掻き あま蛙

浄土に注ぐ慈雨は

さみだれ


6/27

シトシトと降る雨の中を
用もないのにフラリと愛車に乗って
私は街へと車を走らせる

金色の雨粒が覆う車窓から
雨に濡れた街路樹や通りを行き交う人々の姿をぼんやり眺めるためだけに…

車内に低く流れる
R&Bのリズミカルなビートが心地いい

良く磨かれたショーウィンドウの中には
流行りの服を着たマネキンがすました顔をしてこちらを見てる

丸椅子に腰掛ける客の背中
香り立つコーヒーの香り
ざわめく人々の声

若く美しい女たちの
楽しげなおしゃべりも
栗色の巻毛も
華奢なヒールの爪先も
みんな、みんな、雨の中

街角の赤いオーニングテントの下の花屋には
季節の花々が摘み取られ
色とりどりの花の色は
やがて交差点を行き交う傘の色に重なり合っていく

私はそれを横目に
ゆっくりとまた
アクセルを踏む

ただ、それだけ…

それだけの、雨のいちにち


7/1

雨もひと止み
気分を変えて
山寺のくちなしの花を見に
七月の杜をそぞろ歩いた

苔むす寺の石段に
しんと声もなく
十文字の縄に縛られた「関守石」の影を見る

「この先には入るべからず」

   無言の留め石である

凛とした石の気配が 人を跳ね除け
心を竦 (すく) める。

この留め石を置きたくなるのは 人の心も然り…か。

今日から七月 野も山も緑はいよいよ 深まるばかり



7/3

長く、降り続いた雨が
今朝、ようやく、上がった 

バニラアイスの
柔らかな塊を
口に含みながら
久しぶりに晴れ渡る空を見上げた

開け放つ部屋のチェストの上には
古いグラムフォン
流れ来る曲は
南の島の歌人、Bob Marley(1945-1981)
One Love …
陽気なリズムだ

食べ終えたアイススプーンの底には
ひと掬いの青空

カレンダーは七月に捲られた

また、灼熱の夏がやって来る


7/8

古いレコード盤に、針を落として聴く、ボサノヴァのリズム

ゆっくりと、回り始める33回転のロングプレイ

耳慣れた名曲

コルコバード

アストラッド・ジルベルトの甘く、気だるい声が低く、部屋に流れ出す

弦をつま弾くシンコペーション

しなるように心地よく

ビートを刻み始めている

激しく窓打つ雨音…

交差する不安と祈りと…


7/12


先日、鬱々とふり続いた雨がようやく上がった日の朝、古いレコードラックの中からアトランダムに抜き取ったLP盤が偶然にもボブ.マリーの『Exodus』のアルバムだった。

 その中に収められている「Three Little Birds」が、Spotifyで10億回再生を突破し“Billions Club”入りを果たした。

これはボブ・マーリーにとって初の快挙となるらしい。

 美しくシンプルな楽観主義について歌った「Three Little Birds」は、史上最も影響力のあるアルバムのひとつであり、タイム誌に“20世紀最高のアルバム”と評されたボブ・マーリーの名盤『Exodus』の収録曲だ。

 伝説のミュージシャン、レゲエの神様ボブ.マリーがこの世から居なくなって43年…なぜ今、若い世代にボブのこの曲が求められているのだろう。

 1977年6月にリリースされたこのアルバムには、「Three Little Birds」に加え、「Jamming」や「One Love/People Get Ready」といった長く愛されるヒット曲が収録されている。

 今年初めに全米劇場公開された、伝記映画『ボブ・マーリー:ONE LOVE』は全米2週1位を含む全世界14カ国で1位を記録し、日本では5月17日に公開されるとアジアでNo1を興行収入を記録した。

 さぞや、天国にいるボブは喜び、今こそ『One Love…」
地上にいる私たちが心ひとつにして諍いや差別や自然破壊に強く拳をあげ憤りの歌を歌い続けよ!そうであったら、きっと、世界はまだまだ大丈夫だと。
そう、言っているのかも知れない。

梅雨の晴れ間を縫って数羽の鳥がおおらかに翼を広げて飛んでいく。

私たちはボブがこの歌に込めた思いを改めてこの胸に留めよう。

Rise up this morning,
今朝 起きて
Smiled with the rising sun
昇る 太陽に にっこり
Three little birds pitch by my doorstep
3羽の小鳥が 戸口をさっとかすめて
Singing sweet songs of melodies pure and true
かわいい声で歌い 清らかな 誠のメロディーで
Saying, "This is my message to you-u-u"
告げたんだ 「これが あなたへの メッセージ」

Singing, Don't worry about a thing,
歌ってる 心配ないよ だいじょうぶ
'Cause every little thing's gonna be alright.
何もかも うまくいくからね
Singing, Don't worry about a thing,
歌ってる 心配ないよ だいじょうぶ
'Cause every little thing's gonna be alright.
何もかも うまくいくからね

https://youtu.be/LanCLS_hIo4?si=SbkwXmykEhAYWOVi

音楽はいつだって、言語も人種も国境も越え平和を願っている。


7/16


夕食のアペリティフに

今年初めて作った梅シロップを飲むことに決めた!

ちょっと躊躇するような瓶の

中身も大丈夫…

お先にどうぞ…😱

しっとりと湿った7月の夜風が

窓辺のスパシフィラムの葉を

揺らして。

かんぱぁーい

何に?

まぁまぁ、細かいことは言わず

健康であること

ただそれだけでも足りうる

今夜の一杯


7/18


梅雨が明けたら

何処か遠くへ

旅に出ようと決めていた。

少し伸びた髪を束ねて

口紅も引かず

素顔のままで…

胸に下げたカメラがこれから

捉える世界は

きっと

未来の私に必要な物ばかり

7/19

そんな風に

訳も分からずそっぽ向かれても…

だからこうして

私、ぽつんと小さい声で言ってみる

「桃…食べようか」

しっとりと蜜を含んだ言葉の重さ

心の中で探しながら…



7/23


暑い夏の盛り

一服の茶を立てる 

懐紙に挟んだ利休の詠文字

ひらり  ひらり

人の行く裏に 道あり花の 山

いずれを 行くも散らぬ 間に行け

茶聖、利休はこの詠を
いつの季節に咏ったのだろう

窓の外は忙しないほどの
蝉しぐれ

散るほどの花もなき

炎天の道




7/29


何ものにも染まら
何ものも染めず

水は器に従い
満つるだけ

ただ、足るを知る
そう、

気づかせるように。

 8/1

あの夏の光と影は

どこへ行ってしまったの...

そう、石川セリが遠い記憶の彼方で歌っていた

八月の濡れた砂…

寄せくる波も

光も影も

物語のように美しく優しかった

猛々しく燃え沸るような

人々が築き上げて来た

文明を愚かしく

後悔するような

そんな夏じゃなかった

光と影

私たちはその狭間で

生かされながら また

灼熱の八月を乗り越えていく

8/10

始まりの美と

仕舞われる美 と 阿吽

その狭間で生かされる者たちの

夏が過ぎゆく


8/15

心決めたら 大胆に

少しも躊躇わず

時に非情と言われても構わない

どうせ

もう、一つに戻りはしないから

スッパリと潔く

あとは、甘い蜜を啜るだけ…ふふ

ほら、

あなたを食べるには今…!

夏、真っ盛り🍉

8/25

暑い熱い一日が終わる

冷えたラムネのひと瓶 ポンと音立てて

息も吐かず飲み干す、、今、夕焼け

9/5


九月、明るい夏のおわり

九月、しとやかな秋のはじめ

涼やかな風が窓辺に吹き始める頃

堀口大学のこの「九月の言葉」が思い出される

賑やかな海辺のざわめきも潮騒の音も遠く聞こえる九月

閉ざされた別荘の窓

ふりかえる地平線には今日は舟さえ出ていない

満ち足りた頼りなさの中でふと、

都心へのノスタルジイを思う九月

私の中に柔らかな温もりを探して

静かに秋が始まっている

⁂堀口大学「九月の言葉」より一部、抜粋



9/26

言の葉の

渦に何処かへ持ち去られ

伝えたい思いが 何処にもみつからない

それより 朱い実 ふたつ ただ、ふたつ...

黙って、秋の色

4/29

GW三日目、お天気は雨

煙る街並みを眺めながら、ふと、

ベランダに咲いた薔薇に目が行く

私は我が家の庭に咲く、この薔薇の花の名を知らない…

 そう言えば、、世界的記号学者、ウンベルト.エーコ著「薔薇の名前」と言う推理小説があった。後にTV、映画化されてもいる、名作だ。

 人間にとって「知とは何か?」 「言語とは何 か?」 「政治とは何か?」 ・・数多くの根源 的な問いを投げかけ、 全世界で5500万部 を超えるベストセラーを記録した小説 。

 人間がいかに「言語」によって翻弄される存在なのか、人 間の「知」や「理性」 がいかに脆弱なものな のかを、克明な人物描写、 巧みな古典の引用 を通して見事に描き出したこの作品から現代人がSNS等々で文字に翻弄され、棄てられていく思惟的な表現、伝達を深く再認識する。

SNS等々に些かお疲れ気味の私も少しばかり自然に触れながら内省する時間が必要かもしれない。

さて…五月雨に打たれて花開く庭の薔薇の名前は?

AIに聞くのもアプリにかざすのも…ちと、気が進まないから

そっと、そのまま知らずにいるのも、なんだか、秘密めいていい…。


5/5

浅沼にひそと咲きたるあやめ草

今日は甍の波の上

(読み人 歩季)

【軒菖蒲】日本古来の風習で菖蒲と蓬を束ねたものを軒に飾り(投げ上げ)、
不浄を祓うという平安時代からみられる風習。

今日は端午の節句


5/24

木漏れ日の花

紫のいろ

今日は山寺 

はつ夏の香を聞く

5/18

東京国立新美術館 で開催されている
『マティス 自由なフォルムの企画展 TNATIONAL ART CENTER, TOKYO 』の開催が終盤に近づいている。

この、二月半ば頃、クリニックの待合室で見かけたアンリ.マティスの「プラタナス」の一枚の絵画。

マティスの絵画に出会うのは久しぶり。

 丁度その頃から東京でマチスの企画展が始まったばかりだったので取るに足らない事とは言え、その偶然を密かに楽しんだりした。

 それから暫くして体調を崩した私は外出を控え「療養」という名目で日がな一日をぼんやりと何をするでもなく過ごさなければならなかった。

 すっかり、断捨離の済んだ書籍棚に目をやると「アンリ.マティス」の画集が数冊ならんでいる。膝の上に置きパラパラとページを捲ると色彩の魔術師と呼ばれるマティスならではの見覚えのある名作が次々と目に飛び込んでくる。

「dance」「Blue nude」「緑のすじのあるマティス夫人の肖像」「花と果実」「生きる喜び」…正に今の私には「生きる喜び」を与えてくれる明るい色彩のエナジーに溢れていた。
 フォーヴィスム(野獣派)の中心的な存在として活動しながら自然を愛し緑の世界観を描き続けたマティス。

 新緑のこの時季にふさわしい企画展だ。

本展はマティス美術館の所蔵作品を中心に、切り紙絵に焦点を当てながら、絵画、彫刻、版画、テキスタイル等の作品や資料、約160点超を紹介するものらしい。

5/25

隻手音声(せきしゅおんじょう)

白隠禅師の言葉を頂いた。

両手を打つと音が出るが、片手(隻手)にはどんな音があるかということを問うものらしい。

常識とか当たり前に、こだわりながらそれが正しいと凝り固まって生活している自分に向かう、一喝言…と。

内なる自分の声に耳を傾ける…



5/28

熟れた果実の赤い実が

仄暗いキッチンの片隅で 妙に艶めいて 誘いをかける

もうしばらくは 渇望の酒にその実を 深く沈めて

ゆっくりとゆっくりと

成熟から芳醇へ

私の毎日を愉しませて…


5/31

ひとしきりの雨…

憂鬱な午後には

極上の香りを纏う…

緑はいよいよ深まり

雨の季節の到来


6/4

人のDNAとバナナのDNAは

ほぼ50%一致するらしい。

だから上手く生きられない時があっても

誰かと諍い、傷つけたり、傷けられたりしても

私たち半分バナナと同じよ!って、

そう笑顔で言い合えたら、人間、一皮剥けて…いいかもな。

他人にも自分にも甘いのは

バナナと同じ甘い蜜を纏っているからね。(笑)

螺旋DNAの階段を駆け登る生命の不思議を思う。

バナナと人の残り50%の別れ道は「それぞれの進化」だけだったのか…。


6/8

雨のひと間の

陽の温もり

6月8日、九州南部は今日、梅雨入り

そんな時季の良い頃に

たわわに実った枇杷を頂く。

甘く、微かに雨の匂いがする。


6/10

時は無常...

その無常の中に生きている私たち

「この世は無常なりゆえに真実にこそ目覚めよ」

お釈迦さま最後のお説法の教えです。

その、無常の中でもあなたに出会えた

仄暗い緑陰の中にふぅと浮かびくる花のように

あの日、あの時、一分一秒違わぬように。

令和6年6月10日、今日は時の記念日

6/14

白磁の皿に盛られたひと房の葡萄

マスカットグリーンの美しさを伝えたいのは今なのに

すれ違うことの寂しさと

繋がることの大切さと…

ひと粒の実の甘さに心救われ

ひとり…雨の庭を眺めている。

6/18

満たされた心で飲む
ひとり夜のお酒

グラスに浮かべた角氷

カラコロと音たてながら

琥珀色の思い出の中に
落ちていく

窓の外は五日振りの雨

庭に咲く姫沙羅の白い花を
静かに濡らしている

誰かと飲むお酒より

ひとり静かに飲むお酒の方が
心地よいこともある

今日、18日は父の祥月命日、明日は太宰の「桜桃忌」

六月の雨は静けさばかりを連れてくる。


6/24

蓮池を

すぃとひと掻き あま蛙

浄土に注ぐ慈雨は

さみだれ


6/27

シトシトと降る雨の中を
用もないのにフラリと愛車に乗って
私は街へと車を走らせる

金色の雨粒が覆う車窓から
雨に濡れた街路樹や通りを行き交う人々の姿をぼんやり眺めるためだけに…

車内に低く流れる
R&Bのリズミカルなビートが心地いい

良く磨かれたショーウィンドウの中には
流行りの服を着たマネキンがすました顔をしてこちらを見てる

丸椅子に腰掛ける客の背中
香り立つコーヒーの香り
ざわめく人々の声

若く美しい女たちの
楽しげなおしゃべりも
栗色の巻毛も
華奢なヒールの爪先も
みんな、みんな、雨の中

街角の赤いオーニングテントの下の花屋には
季節の花々が摘み取られ
色とりどりの花の色は
やがて交差点を行き交う傘の色に重なり合っていく

私はそれを横目に
ゆっくりとまた
アクセルを踏む

ただ、それだけ…

それだけの、雨のいちにち


7/1

雨もひと止み
気分を変えて
山寺のくちなしの花を見に
七月の杜をそぞろ歩いた

苔むす寺の石段に
しんと声もなく
十文字の縄に縛られた「関守石」の影を見る

「この先には入るべからず」

   無言の留め石である

凛とした石の気配が 人を跳ね除け
心を竦 (すく) める。

この留め石を置きたくなるのは 人の心も然り…か。

今日から七月 野も山も緑はいよいよ 深まるばかり



7/3

長く、降り続いた雨が
今朝、ようやく、上がった 

バニラアイスの
柔らかな塊を
口に含みながら
久しぶりに晴れ渡る空を見上げた

開け放つ部屋のチェストの上には
古いグラムフォン
流れ来る曲は
南の島の歌人、Bob Marley(1945-1981)
One Love …
陽気なリズムだ

食べ終えたアイススプーンの底には
ひと掬いの青空

カレンダーは七月に捲られた

また、灼熱の夏がやって来る


7/8

古いレコード盤に、針を落として聴く、ボサノヴァのリズム

ゆっくりと、回り始める33回転のロングプレイ

耳慣れた名曲

コルコバード

アストラッド・ジルベルトの甘く、気だるい声が低く、部屋に流れ出す

弦をつま弾くシンコペーション

しなるように心地よく

ビートを刻み始めている

激しく窓打つ雨音…

交差する不安と祈りと…


7/12


先日、鬱々とふり続いた雨がようやく上がった日の朝、古いレコードラックの中からアトランダムに抜き取ったLP盤が偶然にもボブ.マリーの『Exodus』のアルバムだった。

 その中に収められている「Three Little Birds」が、Spotifyで10億回再生を突破し“Billions Club”入りを果たした。

これはボブ・マーリーにとって初の快挙となるらしい。

 美しくシンプルな楽観主義について歌った「Three Little Birds」は、史上最も影響力のあるアルバムのひとつであり、タイム誌に“20世紀最高のアルバム”と評されたボブ・マーリーの名盤『Exodus』の収録曲だ。

 伝説のミュージシャン、レゲエの神様ボブ.マリーがこの世から居なくなって43年…なぜ今、若い世代にボブのこの曲が求められているのだろう。

 1977年6月にリリースされたこのアルバムには、「Three Little Birds」に加え、「Jamming」や「One Love/People Get Ready」といった長く愛されるヒット曲が収録されている。

 今年初めに全米劇場公開された、伝記映画『ボブ・マーリー:ONE LOVE』は全米2週1位を含む全世界14カ国で1位を記録し、日本では5月17日に公開されるとアジアでNo1を興行収入を記録した。

 さぞや、天国にいるボブは喜び、今こそ『One Love…」
地上にいる私たちが心ひとつにして諍いや差別や自然破壊に強く拳をあげ憤りの歌を歌い続けよ!そうであったら、きっと、世界はまだまだ大丈夫だと。
そう、言っているのかも知れない。

梅雨の晴れ間を縫って数羽の鳥がおおらかに翼を広げて飛んでいく。

私たちはボブがこの歌に込めた思いを改めてこの胸に留めよう。

Rise up this morning,
今朝 起きて
Smiled with the rising sun
昇る 太陽に にっこり
Three little birds pitch by my doorstep
3羽の小鳥が 戸口をさっとかすめて
Singing sweet songs of melodies pure and true
かわいい声で歌い 清らかな 誠のメロディーで
Saying, "This is my message to you-u-u"
告げたんだ 「これが あなたへの メッセージ」

Singing, Don't worry about a thing,
歌ってる 心配ないよ だいじょうぶ
'Cause every little thing's gonna be alright.
何もかも うまくいくからね
Singing, Don't worry about a thing,
歌ってる 心配ないよ だいじょうぶ
'Cause every little thing's gonna be alright.
何もかも うまくいくからね

https://youtu.be/LanCLS_hIo4?si=SbkwXmykEhAYWOVi

音楽はいつだって、言語も人種も国境も越え平和を願っている。


7/16


夕食のアペリティフに

今年初めて作った梅シロップを飲むことに決めた!

ちょっと躊躇するような瓶の

中身も大丈夫…

お先にどうぞ…😱

しっとりと湿った7月の夜風が

窓辺のスパシフィラムの葉を

揺らして。

かんぱぁーい

何に?

まぁまぁ、細かいことは言わず

健康であること

ただそれだけでも足りうる

今夜の一杯


7/18


梅雨が明けたら

何処か遠くへ

旅に出ようと決めていた。

少し伸びた髪を束ねて

口紅も引かず

素顔のままで…

胸に下げたカメラがこれから

捉える世界は

きっと

未来の私に必要な物ばかり

7/19

そんな風に

訳も分からずそっぽ向かれても…

だからこうして

私、ぽつんと小さい声で言ってみる

「桃…食べようか」

しっとりと蜜を含んだ言葉の重さ

心の中で探しながら…



7/23


暑い夏の盛り

一服の茶を立てる 

懐紙に挟んだ利休の詠文字

ひらり  ひらり

人の行く裏に 道あり花の 山

いずれを 行くも散らぬ 間に行け

茶聖、利休はこの詠を
いつの季節に咏ったのだろう

窓の外は忙しないほどの
蝉しぐれ

散るほどの花もなき

炎天の道




7/29


何ものにも染まら
何ものも染めず

水は器に従い
満つるだけ

ただ、足るを知る
そう、

気づかせるように。

 8/1

あの夏の光と影は

どこへ行ってしまったの...

そう、石川セリが遠い記憶の彼方で歌っていた

八月の濡れた砂…

寄せくる波も

光も影も

物語のように美しく優しかった

猛々しく燃え沸るような

人々が築き上げて来た

文明を愚かしく

後悔するような

そんな夏じゃなかった

光と影

私たちはその狭間で

生かされながら また

灼熱の八月を乗り越えていく

8/10

始まりの美と

仕舞われる美 と 阿吽

その狭間で生かされる者たちの

夏が過ぎゆく


8/15

心決めたら 大胆に

少しも躊躇わず

時に非情と言われても構わない

どうせ

もう、一つに戻りはしないから

スッパリと潔く

あとは、甘い蜜を啜るだけ…ふふ

ほら、

あなたを食べるには今…!

夏、真っ盛り🍉

8/25

暑い熱い一日が終わる

冷えたラムネのひと瓶 ポンと音立てて

息も吐かず飲み干す、、今、夕焼け

9/5


九月、明るい夏のおわり

九月、しとやかな秋のはじめ

涼やかな風が窓辺に吹き始める頃

堀口大学のこの「九月の言葉」が思い出される

賑やかな海辺のざわめきも潮騒の音も遠く聞こえる九月

閉ざされた別荘の窓

ふりかえる地平線には今日は舟さえ出ていない

満ち足りた頼りなさの中でふと、

都心へのノスタルジイを思う九月

私の中に柔らかな温もりを探して

静かに秋が始まっている

⁂堀口大学「九月の言葉」より一部、抜粋



9/26

言の葉の

渦に何処かへ持ち去られ

伝えたい思いが 何処にもみつからない

それより 朱い実 ふたつ ただ、ふたつ...

黙って、秋の色

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