激辛Web小説発掘記 その23 for ear Cerberus 作者 トモフジテツ🏴‍☠️様

本編URL

https://kakuyomu.jp/works/16817330666742894283

前書き

この記事は作品のネタバレを含みますのでご注意。
こちらの記事はあくまでも筆者の個人的意見です。
評価の基準としては200円~700円前後の書籍を購入し、読んだものとして付けさせていただきます。そのため基本的には厳しめとなります。

※注意

こちらはかなり辛口なレビューとなります。用いる言葉なども読んだ人が不愉快になる恐れのあるものが使われる可能性もありますのでご注意ください。
またこれらの記事は特に筆者の感性や感想が強く出たものとなっています。

誰が読んでも必ずしも同じような感想を抱くわけではないので、この記事が作品を選ぶ基準とはなりえないことをご了承ください。

あらすじ

うら若き男女がカラオケボックスでギリ許されるか許されないか際どいラインで色々しでかす、それだけの話です。

ストーリーと見所

ギリギリのエロを攻めた……とは言っているものの言うほどでもないぐらいの短編小説。

主人公の少年が、付き合っている女の子とのカラオケボックスで過ごすちょっとした一幕を描くエロコメディ……というよりは少し過激描写のあるラブコメといった感じの小説となっている。

期待している人もいるかも知れないが、悲しいことにあんまりエロくはない。

一応、耳に対しての拘りがあるのでその方向性に対するフェティシズムに関しては評価に値する点だといえる。

実際のところエロが何をもってエロに至るかという人類に課せられた永遠の命題において、何よりも難しいのはエロい小説はどうしてエロいかという話だ。
果たして分量があればいいのか、台詞の後にハートマークをつければいいのか、はたまた……
とまぁ、考えることは幾らでもある。

その中で所謂性的行為として耳を攻めるという部分においてそれなりの分量を書きだせている辺りは実際のところ称賛して然るべき部分である。

事実短編としてはそれなりの完成度。ここでレビューを終わりにしても何の文句もない。つまるところそういう作品であると、それだけの話だ。

しかし悲しいことにこちらは激辛。一応その体裁を果たすためにあくまでも個人的な意見を前面に押し出したいちゃもんでもつけておこうかと思う。

一言でいえばどっちも中途半端……というかまぁ、今一つ。

ギャグに関しては正直弱め。
一応その辺りに関してフォローしておくと、僕自身があんまりギャグで笑わないというか笑いのツボがちょっとズレているところがあるので、より厳しめに見てしまうところではある。

元ネタがあるのかどうなのかはわからないが、正直雅治さんは滑っている……というか意図がわからない。なので笑っていいのかも不明なノイズが転がっているというわけだ。

もしそこを笑いどころにしているのだとすれば、お世辞にも優れたコメディ。

読んだ人を全員笑顔にする世界平和に貢献するための小説とは評してあげることはできそうにない。

それに加えてエロい物として見た場合に、何とも微妙な描写の数々がどうにも足を引っ張っている。
『センシティブな声』などは最な部分で、正直なところその部分だけ読んでも意味がわからないだろう。
それ以外にもどうにも、この辺りは全年齢であることを意識したためかも知れないが、微妙な誤魔化しのような描写が多いように感じた。

作者の照れにも似たような空気感が、その微妙なギャグも含めてひしひしと伝わってくる。いや、実際のところどうなのかは知らないが。

そんな感じなので、どうにも話には集中できない……というか本来ならば心臓をドキドキさせてくれるような描写なのにどうにも集中できないというか、むしろ読んでるこっちの気が引けてしまうような事態に陥っている。

ではギャグ部分が面白く、笑いながら読めるかと問われればまぁ、上に書いた通りだ。

キャラクター

主人公。

ヒロインには『センパイ』と呼ばれている。片仮名にするのはいいセンスだ。
耳攻めだけで女を絶頂させるこいつは只者ではない。

将来偉大な男になるだろう。

谷丸

ヒロイン。

耳が弱点。
主人公をセンパイと呼ぶセンスはなかなかのもの。

総評

評価点

実にフェティシズムに溢れた作品。

カラオケでのちょっとした一幕でそれなりの分量を書けているのは素直に凄い点といえるだろう。

描写に関してもかなり頑張っている部分が見受けられる。

問題点

ギャグなのかエロなのか、どうにも中途半端。
エロコメディというにはどうにも物足りなさがある。

加えて何故か配信用語というかまぁ、配信でよく使われるようなフレーズが出てくるのだが、物語との関連性がどうにもわからなかった。

などなど、笑いどころなのかが今一つわからないが、ノイズになるような描写が多かったように思える。

最終評価 51点(Web小説としては普通に良作)

実際のところ、コメディシーンで笑うかどうかは人の感性によるものだろう。

なのでその辺りが上手く噛み合う人であれば、ちゃんと楽しめるような作品として出来上がっている。

主人公とヒロインがイチャイチャしているところを見ているだけで、それなりに幸福感はある。

短編で読みやすさもあるし、エロといっても描写的にはそこまで過激というわけでもない。少し過激なラブコメとして割と万人にお勧めできる小説でもある。

所要時間は凡そ15分ほど。

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