しいたけ賞(仮)その22 聖女召喚に巻き込まれて異世界に召喚されたけど、ギルドの受付嬢の仕事をみつけたので頑張りたいと思います!! 作者 ミケネコ ミイミ♪様

本編URL

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前書き

この記事は作品のネタバレを含みますのでご注意。
こちらの記事はあくまでも筆者の個人的感想です。
例えそのような内容であろうと、作品の価値を定めるようなものではないことは予めご了承ください。

あらすじ

明乃泪(めいの るい)は親友の聖清美(ひじり きよみ)と共に別世界スルトバイスに召喚される。
召喚したのはこの世界のチクトス国の神官カイルディ・リゲルだ。
カイルディは聖女だけを召喚するはずだった。しかし召喚されたのは二人だったため、どっちが聖女なのかと困惑する。
だが、聖女の証となる紋章が清美の首の右側にあった。そのため聖女がどっちか判明する。その後、聖女ではない泪は城を追い出された。

泪は城を追い出される前に帰る方法を聞くが誰一人として知らなかったため自力で探すことにする。
そんな中、働く所をみつけるべく冒険者ギルドへ行く。するとギルドの掲示板に【ギルドの受付をしてくれる者を募集。但し、冒険者も兼ねてもらうため体力に自信がある者のみ。】と書かれた貼り紙があった。
それをみた泪は受付の仕事をしたいと伝える。その後、ギルドで冒険者登録をしたあと受付の見習いになった。

受付の見習い兼、冒険者となった泪は徐々に自分が持っている特殊能力【見極め】の真の使い方について気づいていく。そして自分がこれからやるべきことも……。

ストーリーとかについて

女の子が異世界転移し、スキルを授かる。最初は使えなさそうな雰囲気だったスキルが実は……。

といった感じで始まるかなり女の子向けのなろうライクな作品。一応売りとしては恋愛要素もあるようなのだが、残念なことに下読み段階ではそこまで辿り着かず……。

というかタイトルにある受付嬢にすらまだなってなかったりもする。
まぁまぁ、とはいえその辺りは別段大きな問題ではないだろう。

何故かというとこの作品、確実に優れているところが一つあって、それは作風というか物語の雰囲気がかなり序盤で作られているということだ。

ライトな空気感がかなり始まってすぐに作られていて、読み始めてすぐに物語の方向性……はちょっと大げさだが、作品の空気感を早めに理解することができる。

勿論今後いい意味でそれを裏切ってくれる可能性もあるが、どちらにしても作品をどのようにして楽しめばいいのかが具体的に記されているのはかなり親切な仕様といっていいだろう。

ストーリーの後にある後書きでの各キャラクターの、ちょっとメタっぽい会話も作風の表現としては上手く機能している。

個人的には読んでいてちょっとばかり物足りなさは感じるが、元のコンセプトを思えば「これはこれであり」といったところだろう。
もう少し話が進み本題である受付嬢や恋愛要素が色々と入ってくれば、また評価も変わってくるかも知れない。

そしてそこに至るまでの導線としては、今読んだ時点で充分なものとなっている。

キャラクターとかについて

主人公が前向きで明るいのは、読んでいて嫌味がなく楽しめる。

最終評価(極めて個人的な感想)

文章

かなりライトな文章。
所謂なろう系であればこれでいいのかも知れないが、個人的にはちょっと表現に物足りなさも。

キャラクター

主人公は明るくて前向きでよき。
他の人物達に関しても、出番が少ないながらにわかりやすい個性が与えられている。

構成

なろう系のスピード感と、各キャラクターに対する丁寧さが上手く噛み合っている。

設定

現状では良くも悪くもなろう感。
ステータスが表示されたが、高いのか低いのかがどうにもわからない。
この辺りは今後に期待ということで。

総評

定められたコンセプト通りにしっかりと書かれた作品。

少しばかり気になる部分はあるものの、その辺りをぶっ飛ばして読み進められるというある意味ではなろう系の強みをフルに使って書かれているのも高評価。

ストーリーにしても、ここからどう転んでも面白くなりそうな気配があり、最序盤としては充分に先への期待感を抱かせることができるような作りとなっている。


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