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【23年9月追記】ダークファンタジー探索ゲーム「Vigil: The Longest Night」を紹介【現在配信停止】

まず、この投稿は元々2023年の4月に投稿したもので、主旨としてはゲームそのもののレビューと紹介でしたが、同年の7月にこんな記事を読みまして。

流石に配信停止しているタイトルの紹介をそのままにしておくわけにはいかず、一度非公開にして動向を見守っていたんですが、続報として以下の記事が公開されていました。

どうも開発元と販売元との間で色々と問題が起きているようですね。政治的な問題に関しては思うところはあれど何も言うつもりはありませんし、販売元の言い分も分かりませんので、その点も個人的な考えをダラダラと書くつもりはありません。

ただ、このゲームを開発した人たちへのリスペクトの気持ちがあることだけは確かなので、以下のツイートのメッセージにファンとして応えてみようと思い、この文章を追記し再投稿することにしました。実は追記した後しばらく下書きのまま投稿し忘れていたのは秘密。

ついでに、上記ツイートに添付されている声明の画像の文章を翻訳した画像を載せておくことにします。まぁグーグル翻訳に画像を読み込ませただけですし、リンク先の記事と書いてあることはだいたい同じですけどね。

元画像の参照元:https://twitter.com/VigilTheGame/status/1689638053571354624

いつかこのゲームの配信が再開されたときのため、当時書いたレビューと紹介も残しておきますので、よかったらそちらも読んでいってくださいね。ついでに翻訳と文字表記も手直ししてくんないかな…

【以下追記前の記載】

まずはじめに筆者のプレイ状況について。これを書き始めた時点でプレイ時間は約35時間。マジ?そんなにやってた?と思っちゃうほどボリューミーです。ちなみに現在はすでにクリア済み。結局80時間+αくらいは遊んでましたね。

例によってニンテンドーオンラインストアでのセール中に買って遊んでいたので、セールで買おうか迷ってる人向けにチャチャッと紹介してきます。

なお、目次から【■まとめ】を選択すれば、簡単にまとめた内容にアクセスできます。お時間がない人はそちらだけでもどうぞ。ってことでよろしくお願いします!


■ストアリンク

※現在配信停止中

■紹介

まず、ジャンルとしては2Dアクションで探索要素あり、いわゆる「メトロイドヴァニア」ってやつなんですが、攻撃や回避など殆どの行動をスタミナを消費して行ったり、インベントリを開いている間もゲーム内時間が停止しないといった「ソウルライク」のシステムを取り入れていますね。

ちなみに筆者のゲーマー経験値を一応書いておくと、メトロイドヴァニアは「メトロイドドレッドをゲーム内時間2時間以内でクリア出来る程度」、ソウルライクに関しては「物凄く苦労しながらデモンズソウルをなんとかクリアした程度」です。

まぁメトロイドヴァニアはそこそこ得意なんですが、ソウルライクは正直苦手ですね。デモンズ以降はRTAの動画を見たことがある程度だったり。それを踏まえた上で暖かい目で見ていただければ幸いです。ってわけでそろそろ本作の話に戻ります。


まずは物語の概要から。舞台となるのは、なんらかの理由で陽が昇ることがない夜の世界。主人公であるレイラは「夜警」と呼ばれる特殊な訓練を受けた戦士として魔獣が闊歩し疫病が蔓延る世界を冒険し、人々の安寧を守る役割を果たそうとします。え?長いって?じゃあ一言で「ダークファンタジー」です。

それで本作の良いところの一つ。これは序文でも触れている通りボリューム感ですね。 結構遊んでいるはずなんですが、まだ未知のエリアがあったりするし、物語の着地点もなんとなく想像こそ出来るものの明示はされていない状況だったりします。

インディーズ探索型アクションゲームって、アイディアやシステムが練られている代わりにボリュームはそうでもないことも多いので、これはちょっと意外でありつつ、同時に喜ばしくもありますね。


戦闘バランスに関してはソウルライク寄りで、ちょっとした油断が命取りにも繋がるシビアなバランスなんですが、回避行動の無敵時間がそこそこ長いので、そこのタイミングさえ覚えてしまえばそこまで難しくはないかな。結構いいバランスだと思います。

攻撃手段としては4種類の武器に加えて、サブクエストの報酬や道中の隠しエリアなどで発見できる「秘術」、ソウルライクのプレイヤーなら魔術や奇跡と言えば伝わりますよね。これらを駆使して戦います。

もう少し詳しく話すと、剣などの片手武器、斧やハンマーなどの大型武器、小型武器を二本持つ両手武器、弓矢の4種類。これらに加え、頭、面、胴体、腕、脚の五部位からなる防具。ステータスの強化や特殊能力を持つ指輪。これらに加えてレベルアップによって開放できるスキルツリーをもって好きなようにビルドします。 秘術に関しては、まぁ見てもらったほうが早いので画像をペタリ、こんな感じですね。

▲なに…この……なに?

…まぁなんとなく察しがついたかもしれませんが、少しグロいというか名状しがたい雰囲気が漂ってます。いわゆるクトゥルフ神話インスパイア、ジャンルと合わせて「Bloodborne」にも近いのかな。

▲モロに影響されたと思われる武器もあったり、流石に変形はしませんけど。

クトゥルフ神話に関してはストーリー面に関しても結構影響を受けているようで、洪水によって荒廃した廃村や挫傷した船の墓場には、海底から現れたとされる水生生物の特徴を持った怪物が蔓延っていたりします。

と、ここで本作の良くない点の1つ目。ストーリーがちょっと難解というか説明不足なんですよね。まぁ大筋は、行方不明になった町娘を探せ、とか疫病の原因と思われる場所を調査しろ。みたいな単純な内容なんですけど背後にある設定みたいなものをしっかり知ろうとすると途端に分からなくなってくる。

まぁソウルライクに関してもこういった匂わせは結構やっているイメージなので、ここもインスパイアなのかな。ラブクラフト小説に関しても暗示的なので、それっぽいと言えばそうかもしれませんね。

世界観を構築するためのフレーバーではあるんですけど、特に詳しい説明もないのでただただ難解になるばかりで、せめて一度読んだ資料はメニューから読み直せたら良かったかなとは思うんですが、特にそういうのは無いんですよね。


テキスト周りについて触れたので、ついでに翻訳の話もしておきます。基本的には問題なく読めるんですが、日本語で使う漢字と中国語の簡体字が入り混じってるのでちょっと読み辛いです。

▲まぁなんとなく前後の文脈で分かりはしますけども…

その他、回避行動の【バックステップ】が別の画面では【背後にジャンプ】と書かれていたり、それまで尊大で意味深な喋り方をしていたキャラクターが突然機械翻訳みたいな話し方になったり、脱字があったりとちょっと気になります。
特に困ったのが【魔法】という表記で、これ何のことかというと装備に任意で設定できる特殊効果の付与、いわゆる【エンチャント】のことなんですよね。まぁそう言われれば…って感じではあるんですが、気付かないと厳しいかも。

 ▲「腐敗魔法を強化」の意味が分からなくてちょっと困った。

エンチャントについて触れたので武器防具の強化要素の事も書いておきます、本作は一部敵のドロップや宝箱の中身として獲得できる、限られたリソースアイテムを使用して強化するソウルライク形式ではあるんですけど、このゲームは装備がかなりの頻度でドロップするので強化のタイミングが今ひとつ分かりませんでした。

結局強化せずにそのまま一度クリアしてしまったので、多分中盤くらいで手に入る武器でもしっかり強化すればラストまで使えるんだとは思いますけど、この強化の有無による火力の差はかなりのものなのでもう少しきっちりチュートリアルしてほしかったと思います。ここはちょっと良くない点かな。


次に良い点の2つ目。個人的にソウルライクっぽいなと思った点でもあるんですが探索の自由度がかなり高い点です。ある程度ゲームが進むと行ける場所が一気に増えるんですよね。

そこまでもそれなりに広いマップを探索していたんですけど、その比ではないくらい一気に増えるんですが、この世界の広がり具合は「デモンズソウル」で王城1をクリアした後の感覚と少し似ています。「ダークソウル」で言うところの北の不死院とも言えるかな。

ちなみにゲーム内の登場人物が次はここに行けと指示もしてくれるので、一応しっかり話を聞いて、道中にある道案内に触れていけば迷ってしまうことはないはず。


それでいて、マップの機能もかなり充実してるのも良い点。地形は四角形の連なりみたいな概形ではなく、しっかりと通った道を地形通り描いてくれるし、カギがかかっている場所もしっかり明示してくれている。基本的なことではあるんですけど、マップの見やすさというのは探索型アクションゲームで重要な点ですね。

ファストトラベルに関しても、特に条件などなくセーブポイントを開放することでそこがリストの中に入り、セーブポイント間であれば移動可能。しかもゲームを開始した直後に、直近にアクセスしたセーブポイントにまで戻る秘術を貰えるのでそれを利用すれば一々遠くまで歩く必要もなし、とかなり行き届いていました。

ちなみにセーブポイント間の移動も、秘術を使った帰還もノーコスト&ノーデメリット、探索中やられそうになったら戻ってもいい。と至れり尽くせりです。まぁセーブポイントにアクセスすることが敵のリポップの条件になっているんですけど、それくらいは安いものだと思います。


では最後に「ちょっとどうかな」と思った点について駆け足で触れていきます。

まず、これはちょっとどころの話ではないんですが、チュートリアルに該当する段階をクリアすると、達成できないサブクエストがある点。最初やったときは急にサブクエスト失敗の表示が出たので驚きました。これからやる人はセーブデータをこまめに分けることをおすすめします。これ、本当に大事です。

次に、パフォーマンス面に関して。携帯モードをメインで遊んでいるんですが結構な頻度でカクつきました。特に酷いのは装備の変更時で、メニューを閉じてからも少しカクッとします。その他にも長時間のプレイや広めのマップで多数の敵が出ている場面、終盤の一部ボスなどでプレイに支障が出るほどのカクつきが起きました。

これに関しては使用しているSwitchのモデルやTVモードかどうかなどで変わるので一概には言えないんですが一応注意してください。Switch本体の電源を再起動したところ改善したので。明らかに動きが悪かったら試してみてくださいね。ってことでそろそろまとめに入りますか。

■まとめ

☆どんなゲーム?
・ソウルライクのメトロイドヴァニア。世界観的には「Bloodborne」つまりクトゥルフチック
・戦闘はキツイ部分もあるが選択肢は豊富で面白く。ファストトラベルも便利。

☆良いところ
・ボリュームは程よく、慣れてしまえば戦闘バランスも悪くない
・探索は自由度が高め、そういうところも含めてソウルライク。と言えるかも
・マップ機能の出来が良く、ファストトラベルもしやすい。

☆良くないところ
・ストーリーは単純だが、翻訳の質も相まって背後の設定が難解。
・携帯機モードだとパフォーマンスにやや難あり。
・武器防具の強化周りが説明不足。

☆総括
コズミックホラーとダークファンタジーの要素が強い2Dメトロイドヴァニアで、ゲームバランスとしては、一撃が大ダメージ、あらゆる行動にスタミナを消費、インベントリを開いている間も敵やギミックは動くなど「ダークソウル」を始めとしたソウルライクの要素が強め。
翻訳に少し難があるため一部ゲーム内の機能について詳細がわかりにくかったり、あまり長時間プレイすることでカクつきなども見られるのですが、マップに関しては見やすく出来ておりファストトラベルも非常に便利なので基本的にはストレスなく遊ぶことが出来ました。
ストーリーに関しては、影響を受けている作品の特徴でもある「暗示的」という要素を色濃く受け継いでいるので、背後にある設定まで知ろうとすると翻訳の質も相まって苦労するのですが目的自体は単純だったりします。訳分からんなと思ったら深く考えないで進んじゃいましょう。
総合的には、戦闘と探索のいずれも面白く、なおかつボリュームにも優れているゲームでした。メトロイドヴァニアのファンでも、ソウルライクのファンでも十分に楽しめると思います。結構おすすめです。


■余談

今回の余談は攻略に関するところ、特に武器のエンチャントについて。本作自体は数年前に発売されたタイトルではありますがネタバレがありますので、気になる人はブラウザバックしましょう。おっと、その前に画面右下のいいねボタンもポチッとお願いしますね!!

【この先、ネタバレがあるぞ】


武器のエンチャントに関してなのですが個人的には【巨人=バックスタブ強化】がおすすめかな。本作の「バックスタブ」はソウルシリーズのような特殊な演出の伴う攻撃ではなく、敵の背面に対して攻撃することで発生と条件が緩いです。

更に言うと、このゲーム、大型の敵も多いのでちょっと裏に回るだけで背面判定になったりするんですよね。ボスにも問題なく効果が発揮されるので汎用性も高いと思います。

ちなみに、ある武器の特殊攻撃は【画面全体に斬撃を放つ】というものなんですが、【敵がこちらを向いている状況】で【敵に背中を見せつつ特殊攻撃を使う】ことでも何故かバックスタブの補正が乗ってしまうんですよね。これを利用すると飛空タイプの敵を一掃しやすかったりするので覚えておくといいかも。

もしもゲームの攻略について質問があればTwitterなどでご質問をどうぞ。可能な範囲でお答えします。では今回はここまでとします、最後までお読み頂きありがとうございました。

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