見出し画像

ハードアクションゲーム「フリー(FURI)」をサクッとレビュー

卓越とは技ではない。単なる慣れだ。繰り返して行うことで体得する。

ゲーム内のある人物

 早速ですが筆者の進行度を書いておきます。適正難易度としてある「フリー」で一通りストーリーをクリアしたところで、まだやりこみの域には入っていないのですが、セール期間中だったので購入検討している人の参考になるんじゃないかと思いレビューを書いていました。(現在は終了しています)
 参考までに筆者のアクションゲームの腕は、「ベヨネッタ3の裏ボスになんとか勝てる程度」です。
 ちなみに目次から「まとめ」に進むと簡単な要約に移動できますので、超忙しい人はそちらだけでもどうぞってことで目次、いってみよう!

■商品ページ

■レビュー

 ゲームの概要としては「ボス戦完全特化型アクションゲーム」といったところで、道中やザコ敵という概念すらなく、ボス戦の幕間にちょっとした移動とストーリーがあるだけのシンプルな構造になっています。
 ボス戦に特化しているだけはあり一戦ごとの密度が非常に高い事が特徴で、相手のHPを一段階削るごとに次の攻撃パターンに移行する上、それぞれの段階も「遠距離戦」と「接近戦」の二つに分かれ、全て違うパターンとなっている為、見た目以上にボリュームがありました。
 戦闘の流れとしては遠距離戦で相手のゲージを削り切ると近距離戦に移行。そこでも削りきれば次の段階に移行して遠距離戦という流れで、他のタイトルも絡めて説明すると「ポッ拳」みたいな構造でツインスティックシューティングの要素があるアクションゲームみたいな感じ。
 ちなみに開発側としては「ノーモアヒーローズ」や「メタルギアソリッド」「GOD HAND」からの影響を受けているのだそうな。俺の右手はゴットハンド!

△画面上部のバーが双方のHP。その下にあるのが主人公側は残機。敵側は残りのフェイズ数。

 肝心の戦闘バランスに関して、簡単に言ってしまうと「高速で繰り広げられる後出しジャンケン」といったところでしょうか。
 プレイヤーが取れる行動は大まかに4つで、刀と銃を使った攻撃と、敵の攻撃を弾く「パリィ」高速移動し弾幕なども避けられる「回避」となっています。
 一見防御面のシステムも充実しているように見えるのですが、戦闘の要になる近距離パートでの敵の攻撃は「パリィでしかよけられないもの」「回避でしかよけられないもの」の2つに分かれていて、敵の攻撃の予兆からそれを瞬時に判断し、最適な行動で回避をしないといけません。これが「高速後出しジャンケン」と表現した理由です。

 一方の攻撃面に関しては、通常攻撃に加えてチャージを必要にする代わりに大ダメージを与え演出も派手な「チャージスラッシュ」や、近接戦限定ながらチャージスラッシュでは間に合わない状況でも大ダメージを狙える「ブースト」といった面白いシステムも搭載されています。
 ただ、闇雲に攻撃を仕掛けても高確率で回避されるか相手に弾かれカウンターを貰ってしまいますし、チャージスラッシュは隙が大きく、ブーストは被弾で解除されるので相手の行動に対して正解を即答していく事も求められてきます。
 こういった攻撃方法や、成功すればHP回復+ジャストタイミングなら強烈なカウンターに派生するパリィを駆使し、敵の攻撃を的確に見切り最適な行動で攻めていく、ハイスピード・ハイリスク・ハイリターンな戦闘は確かに難しいんですけど、上手く立ち回れたときの爽快感はたまらないものがあります。

 ただちょっと問題ありだと思うのがこのゲーム、レスポンスが微妙に悪いんですよね、行動にタイムラグがあって、回避とパリィのいずれも入力から一瞬時間が空いてから発動します。
 防御行動を連発することで難易度が低くならないようにするための措置なのかもしれませんが、ただでさえ反射神経をかなり求められるのにレスポンスが悪いのはちょっと厳しいところ。
 ただこれはこちらの環境要因かもしれません。諸事情で携帯モードでしか遊べていないのです。もしも携帯モードでの利用がメインなら注意したほうが良いかもしません。

 もう一つ難易度を上げている仕様がありまして、戦闘中こちらのゲージを削りきられてしまうと相手のHPが回復し、その段階の初めからやり直しになってしまうんです。近距離戦で負けた場合は、また遠距離戦から始めないといけません。
 なので残機を使ったゴリ押しは通用せず、相手の行動を見切り、丁寧かつ瞬時に対応していかないといく事が求められてきます。シームレスに展開される戦闘をこなすためには反射神経だけではなく集中力も必要ってことですね。

 難しいという話を前面に押し出してきましたが、このゲームは難易度選択ができるようになっていますし、敵の攻撃パターンを調べたり練習する用に「無敵モード」というオプションを任意で設定できるようになっていて、こういったクリアするための補助が充実しているのは好印象です。
 この無敵モードというのが結構すごくて、単純にこちらが無敵化するものだけではなく任意のフェイズへの移行もしやすいので、他のアクションゲームでもたまに搭載されているプラクティスモードみたいなのよりも実践的に扱えていい感じ。
 ぶっちゃけ、難易度高めのゲームはみんなこれ搭載してくれ…

 ちなみにストーリーに関しては、牢獄の中で目覚めた主人公が、謎の協力者に導かれながら各階層で待ち受ける看守=ボスたちと戦いつつ脱走を目指す。という一見シンプルな内容になっています。
 看守たちは主人公に憎しみをぶつけ、全力で脱走を阻止すべく戦い、そして敗れ怨嗟の声をあげつつ斃れていくわけなんですが、なぜ「そこまで主人公が恨まれているのか?彼は何者なのか?」という謎がラストに明かされるんですよね。
 このあたりの展開は驚きというか唖然とする内容で好みは分かれそうなんですが、少ない描写だけでこれだけの表現をしているというのは凄い事だと思います。ストーリーが主体のゲームではないんですけど、見どころの一つではあるのでプレイする際には注目してみてください。

 ではそろそろまとめに入りますか。

■まとめ

◆どんなゲーム?

・ボス戦完全特化型アクションゲーム。一段階ごとに攻撃パターンが変わるボスとの遠距離と近距離戦を交互に行いつつ一騎打ち!
・ゲームバランスを簡単に言うと「高速後出しジャンケン」。ハイスピード・ハイリスク・ハイリターンな戦闘を楽しめる。

◆良いところ

・ボス戦に特化しているので一戦ごとの密度が高いし、突破できたときの爽快感も強い。
・低難易度も選択でき、任意で発動できる練習用チート「無敵モード」もかなり内容が充実している。

◆良くない所

・レスポンスが微妙に悪い。回避やパリィをする際に入力と画面とでラグがある。(環境要因かも)
・集中力と反射神経をかなり要求されるので、腰を据えてじっくりプレイする必要があるので、サクッとプレイしたい場合には向かない。

◆総評

 ボス戦しかないというコンセプトからは一見手軽に遊べるゲームのように思われますが、一体のボスに対して幾つも攻撃パターンが存在しているため見た目以上のボリューム感があり、実際はじっくりと腰を据えて遊ぶ必要があるタイトルです。
 最初に書いた台詞の通り、繰り返しプレイすることで慣れ、鋭く研がれるように卓越していくような、上達を実感できるいいバランスで、ハイリスク・ハイリターンに加えハイスピードな戦闘はうまくいくとこの上なく楽しいし、ストーリーも意外性があり面白いので、アクションゲームが好きでまだ本作をプレイしたことがないなら遊んで見る価値は大いにあります。
 ちなみにチュートリアルで説明されていないテクニックが幾つかあって、ゲーム内のヘルプから確認できるようになっているので、これからプレイする場合にはそちらも忘れずに確認するようにしましょう。

 では今回はここまでです。お読みいただきありがとうございました。

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?