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ちるらん。漢の散り様。

「ちるらん 新撰組鎮魂歌」という漫画を読んだ。新撰組の鬼の副長、土方歳三を主人公とした作品。最強を追い求め、武に殉じた漢たちの物語。

シンプルな感想としては、めちゃくちゃ面白かった。熱い戦闘描写はもちろんかっこいいし、何より新撰組のメンバーが散っていく様に魅了された。

私はあまり本や漫画に対する感想を書く方ではないけど、なんかあまりにも余韻がすごいので、思わずPC に向かっている。といっても語彙力がない上にこれまで書いたことがないので、詳しい感想はあまり書けないんだけど笑。

先ほども書いたように、この作品は新撰組の散っていく様子がとても好きだった。実は私、主人公や仲間が死んでしまうアニメや漫画が好きだったりするのです。究極の自己犠牲や、負けるとわかっている戦いに挑むといったシチュエーションが大好きなのだ。なんか感動するんだよね。

新撰組に関しては、ざっくりとは知っている。だって有名じゃん。いろんな媒体で扱われてるよね。映画、本、ドラマ、ゲームetc…。あとは日本史の時にさらっと習ったくらい。だから詳しいことは知らないし、どっちかっていうと新政府側から見た作品の方が多い印象だったから、むしろ敵として見てることが多かったかも。

自分の中で一番身近な新撰組って、銀魂の新撰組なんだよね笑。あれはちょっとオリジナルというか、アレンジが入ってるし、そもそもギャグ要素が強めだから、全くの別物。だから今回シリアスな新撰組を見て、すごい新鮮だった。

旧幕府軍だもんね。歴史としてみれば、敵サイドの人たち。だからいかに漫画で主人公だといっても、歴史が証明するように最後は散っていくことが約束されている。それなのに小さな道場から浪士組、新撰組と駆け上がって最強を追い求める姿か眩しかった。その前半の夢を追う過程が充実しているからこそ、後半の逆賊として戦い散っていく様がなんかこう、グッとくるものがあった。

いやー、語彙力がないことが悔やまれる。なんて言えばいんだろ。何回も言うけど、負けるとわかってるのに、それでも戦い続けて一人また一人と散っていくのがすごい自分の好みだった。

そいういえば自分、この戦争に関わるような場所に訪れたことが結構ある。まず初めに京都だよね。そもそもはじまりが鳥羽・伏見の戦いだもん。京都は修学旅行で行ったし、なんならつい最近卒業旅行で行ってきた。だから御所とか二条城とか、あれか!って思って興奮した。あと会津。今自分は福島の大学にいるし、なんなら福島で就職するので、第二の地元的な感じ。会津に行ったのは去年だけど、今行ったらまた違う感動がありそう。そして五稜郭。土方歳三の散った場所。行ったのは多分小学生の頃だったけど、覚えてる。でもぶっちゃけ言うと、その時はあまり興味がなかったような気がする。今はめっちゃ行きたいのに!

今自分が一番好きな漫画は、キングダムだ。あっちは歴史上中華統一を果たすので、いわば勝利が約束されている漫画だ。それに対してちるらんは、敗北が、散っていくことが決まっている物語。漫画が始まった時から、幸せな最後がないのは分かってしまっている。だからこそ、その散り際をいかに魅力的に描いていくかが鍵となる作品だと思うが、そこを見事に描写していたと思う。

ちなみに一番好きなシーンは、土方歳三が榎本武揚と合流するまでの時間を稼いでた斉藤一が、見事その役割を果たしたシーン。彼は死んだわけではないのだが、このシーンのセリフが好き。普段あんなに飄々としていた斉藤一が口にしたからこそ、味のあるセリフになったのではなかろうか。

「ひ…土方歳三局長初め…新撰組は…」
「仙台藩松島湾にて…榎本艦隊と無事合流した由にございます!!」
「容保公より斉藤隊長にお伝えを言付かり…」
「”よくやった 後はオレがぜんぶ引き受ける”とのこと…!!」
「隊長…ついに…やりましたね…」
「これで…オレの新撰組(青春)は終わりだ」

ちるらん 新撰組鎮魂歌 第百三十一話 それぞれの闘い

小さい道場から最強を夢見て駆け上がった漢たち。そんな漢たちの青春の始まりから終わりまで、そんな時間を見てきたような気がする。

新撰組を扱った作品は数あれど、その数だけ新撰組は存在する。だが私は、このちるらんという作品の中の新撰組が大好きだ。

(次は龍が如く維新でもやろうかしら)


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