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あなたの相続対策の必要度を知る方法

みなさんは自分自身が相続当事者になる想像はあるでしょうか?


実際に相続当事者(相続人)となるのは、両親の相続に直面するというのが多いのではないでしょうか?

しかし、自身の親が亡くなった時というのは、すでに「相続」が発生した後ということになります。

相続が発生した後は「対策」というよりは、「手続き」が中心になってきますし、期間・期限に追われて行う状況にもなります。

「相続対策」を行った方がいいのはどういった方になるのでしょうか?


相続対策が必要だったことを思い知らされた事例

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相続対策を行わずに、相続発生後に驚きの事態になることがあります。

一つの事例になりますが、今まで知り得なかった相続人が現れる事態。

具体例としてご高齢の母親が亡くなられ、一人息子がすべて相続を受ける(父親はすでに他界しているので、相続人は1人のはず)

一人息子が母親の戸籍謄本をさかのぼっていくと、父親との結婚前、母親は別の方と婚姻関係にあったことが判明、その方との間には子供もおられたのです。

一人息子で母親の相続人は自分だけと思っていた方にとっては、「兄弟」となる別の相続人がおられることが判明しました。

会ったことや連絡を取ったこともない兄弟がいきなり現れる。

そしてこの「兄弟」に母親が亡くなり、相続財産があることを告げると、

「自分の母の相続で権利がある。法定相続分の2分の1を現金で要求します」


この事例で、母親の相続財産に金融資産(現金等)が少なく、自宅不動産が大半を占めていた場合、要求に答えるには自宅不動産を売却しないといけない事態になります。

もちろん、弁護士等に相談し、話し合いによって解決することを目指すのですが、心身ともに疲労することになります。


どうすれば防げたか

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上記のような事例は、母親がず~と胸にしまっていた過去があり、亡くなった後に子供が驚愕することになりました。

誰でも話したくない過去があります。

しかし、残された相続人も家庭を持ち、生活しています。


相続人(上記なら一人息子)がいきなり、現れた「兄弟」と争う事態になってしまわないためには?

上記の例で考えると、母親が遺言を残しておくことが一つの防御策になります。

「遺産はすべて子供の○○に渡す」

そして出来るなら、全く連絡をとっていなかった前夫との間の子供が相続分・遺留分を主張してくることを想定し、代償分として分ける資金を別に形成しておくことです。


相続対策が必要な人とは

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「うちは大した資産ないし」

「家族・兄弟みんな仲良いから、うちは相続は心配ない」

このようなお考えの方が多いと思いますし、私もそう考えている一人でした。しかし、本当にそうでしょうか?

今回の事例は結構特殊でしたが、人それぞれが家族構成・資産そして想いが違います。

また同じ人でも数年後には自身・家族みんなが年齢を重ね、生活環境や資産状況も変化するのが通常です。


人はいつか必ず亡くなり、相続が発生します。

今までもそうだったのです。


「節税」だけが対策ではなく、相続人間で誰かだけが得するようにするのも対策ではありません。

相続となり、「渡す側(親)」と「受け手側(子)」双方が想いを繋いで、資産を受け渡しできるようにするのが、相続対策でないでしょうか?

ですから、本来すべての方にとって「相続対策」が必要だと私は思います。


まとめ


相続対策には「これをすれば大正解!大丈夫!!」というのは、残念ながらございません。

厳密には「ない」のではなく、そのご家庭・親族関係によって対策・行為は「それぞれ違う」というのが答えではないでしょうか。

少しでも「相続」に関心を持っていただき、家族・親族間で「相続」という問題を共有していただくことが、相続対策の第一歩だと考えます。

また、共有していくということは「自分だけ」「誰かだけ」で考えないということになります。



相続を「問題」と重く考えるのではなく、自身や家族のルーツをたどり知ることを目的に、「家系図」を作成してみるのがいいのではないでしょうか?

その過程で、自身の相続対策の必要度をある程度知ることができます。


相続財産を渡す側・受け取る側、どちらも相手のことを想い、考えて相続対策を行っていただきたいと私は思います。

是非、一度ご自身だけで考えるのではなく、身近な誰かに相談・共有してみてはいかかでしょうか?


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