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教会の中の敵

この記事の目的は結論から言えば「異端に妥協してはならない理由」を述べたものである。

『教会史』の著者エウセビオスは異端者に対して「教会の中の敵」と容赦なく言い切っている。

更にエウセビオスは、使徒ヨハネが異端者ケリントスを「真理の敵」と呼んで逃げ出した出来事を、使徒ヨハネの弟子ポリュカルポスの証言から引用している。

その前に当時の教父たちが異端者ケリントスに対して、どのように語っているかを確認しよう。

ケリントスは「キリストの王国が地上に現われ、エルサレムに住む肉は再び情欲と快楽の奴隷になる」「結婚の宴が1000年続く」と主張し、「神の聖なる文書の敵」だったと言及されていた。

ローマの監督
ガイウス

「現生的生活を好み、骨の髄まで肉欲主義者だったので、それが欲望と胃袋の満足によって、すなわち飲食や同衾(男女が性的関係を持つこと)、あるいは、もっと穏やかな形で供されると思われる饗宴や犠牲、生贄などによって実現されると夢見ていた」。

アレクサンドリアの監督
ディオニュシオス
 

教父たちの言葉を軽んじてはいけないし、このような基礎的内容も知らずにいるのは「無知の罪」であろう。正統と異端という言葉を語る資格もないはずだ。

古代からキリスト教徒たちは異端者を「教会の中の敵」だと認識していたが、私たちはどうだろうか?

以下の文章が当該箇所であり、エウセビオスはエイレナイオスの『異端駁論』を典拠にしている。

あるとき、使徒のヨハネが〔体を〕 洗うために浴場に入った。

しかし彼は、ケリントスがそこにいるのを知ると、そこから飛び出し、戸口に逃げた。

彼はケリントスと同じ屋根の下にいることさえ耐えられなかったので、ケリントスと一緒にいる者たちに、「さあ、逃げよう浴場が崩れ落ちるぞ。真理の敵ケリントスが中にいるからだ!」と言って、逃げるようにすすめた。

エウセビオス著
『教会史・上』
講談社学術文庫

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