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……のためのぶよぶよとした前奏曲
全身麻酔の夢から覚めると、喉が痛かった。
膝よりも喉が、断然痛い。痰が絡まってしゃがれ声になっている。
目覚めたのはおそらく午後一時半くらいで、恐ろしく眩しい窓だったので、夏が来たと思った。鼻には呼吸器が差し込まれ、手の甲には点滴の針、背中には硬膜外麻酔の釣り糸が入りっぱなし、下半身には尿道カテーテル。
管人間である。
右膝の前十字靭帯を全層断裂した。
靭帯は骨と違って、切れたら切れっぱなし。
どこどこどんでんがえし❗️
こちら、前菜の「あくせく」です。
こちら、スープの「ついつい」です。
こちら、魚料理の「びしばし」です。
キャサリンは「びしばし」を八つ裂きにしようとしたが、ジョセフィーヌにたしなめられて、そのまま齧り付くことにした。
「キャサリン、あなたに悪いお知らせがあるの」
「なあにジョセフィーヌ、私は最寄りのまいばすけっとが無くなると言われたって顔色を変えないわよ」
「キャサリン、あなたの人生にはどう
煌めけ!ファム・ファタール☆プリキュア
「足のお加減はいかがですか?」
ドクターが訊ねた。
「今ならロコモアのCMにも出られそう、ってところね。フフフ……」
クランケは伊藤潤二の富江に似せて笑った。数いるファム・ファタールの中でも、富江は彼女の好みだ。けれど、彼女が誰かのファム・ファタールになれる日など、来るのだろうか?
「何をして過ごしているんですかね」
「お香を炊いているわ。祖父が送ってくれた、『日光の香りのお香』よ。ねえ、
真っ二つになったとんすいへ
居酒屋の厨房は濡れている。だからいつでもSingin' In the Rainである。
愛、真。義、淫、戯れ。
愛、真。義、淫、戯れ。
単純作業は走馬灯を呼ぶ。という故事成語を習ったのは小学校5年生の時だった。
秦の始皇帝の時代、家来の皿洗い担当がその仕事中に、大きな牙を5本持って、金の蹄を鳴らしながら、長江を行く船よりも速く駆けていく馬に跨って、小麦の草原を往来する幻影を見た。そこで、君はこう
コードに引っかかってコケる
頭の花はとうに枯れていた。
それでも顔を出さなきゃいけない会というものが、この世にはコンビニの数だけ存在する。
しなしな歩きながら、しなしな人の輪に入る。
誰そ。
会わずしてその歳月伍年ナリ。
UWA! Meccha Kawaiku Nattanee!
おっと、かつてそこそこに仲良くしていたあの子、舌に金属を嵌め込んでいるぢゃないか。随分頼もしくなったものだ。
へい旦那!ジャン負けでジン一気
かわいそうな年末年始
12月31日、朝起きると、一週間延滞していたサンタクロースからのプレゼントが枕元にあった。
袋を開けると中身はFreddie MercuryがThe Great PretenderのMVで着ている白いスーツで、私は歓喜に咽びながらスーツを身につけ、その足で近所の八王子神社へ行った。
除夜の鐘が置いてあったので、蹴っ飛ばす。
神主に怒られた。
「今鳴らすな。昼間に鳴らしても意味ないんだ」
私は怒られ
11/29(火) 夢日記
私は本郷キャンパスの第二食堂の上階にある、美術サークルの部室にいた。
赤い液体をバケツに入れ、それが酸化して色褪せていくのを悦びながら、液体を染み込ませた刷毛をキャンバスにぶつけた。
作風は前衛的である。この世は偶然に満ち溢れていて、それを全て芸術にしようとするのは絶対に不可能だが、私は敢えてやろうとしていた。若いのだ。
「いい絵だね」
顧問らしき男に声をかけられた。顧問とはいっても年齢は近く、