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「想像力をもって働く」失敗から得た、新たなリーダー像

※こちらの記事は、SHElikesの課題で取り組んだものです※

新卒で大手人材会社へ入社後、SHE株式会社へ転職した「まつまりさん」こと、松尾真里さん。

事業開発ができる人材を目指し、新卒で入社した会社では、入社3年目にプロジェクトリーダーを務めた。そして現在は、家計管理から資産運用の実践までを体系的に学べる、女性向けのマネースクール「SHEmoney」のブランド責任者を務めている。

チームのトップに立ち、メンバーをまとめあげ、日々新しいものを生み出している。多忙な日々を過ごす中、マネジメントをする上で教訓にしていることは「相手への想像力を働かせること」だという。しかし、そう思うまでに過ごした日々は、失敗の連続だった。


失敗を繰り返した、若手時代

入社1年目に失った信頼

新卒で大手人材会社へ入社したまつまりさん。入社1年目に経験したこととは?

「新人のときに、想像力を一切持たずに働いていたことがありまして」

驚きの答えが返ってきた。想像力を持たなかった新人時代は、クライアント納品がある仕事で、納期は守らず、期日を勝手に伸ばしたりしていたそうだ。最終的には、渡した次の人が短納期で仕事をこなしてくれ、納期には間に合った。しかし、そこで失ったのは「信頼」だった。

当時の上司には「今の松尾は、信頼残高0じゃなくてマイナスだから」と言われてしまい、まわりの人たちには「松尾と仕事すると事故する」という印象を与えてしまった。それがとても辛く、こんな思いは二度としたくないと決意したまつまりさん。その後、どんな行動をしたのだろうか。

「まず最初にやったのは、新人でスキルもあまりないので、まずはスピードで勝つ、ということをやりました。スピードでまず信頼貯金を作ってから、その間にスキルを身につけて、早くクオリティが高いものを出すということを、地道に1年ぐらいやりました」

その結果、入社3年目には、プロジェクトリーダーを任せてもらえるようになった。しかし、そのあとも辛い経験が続いたのだ。

入社3年目、チームが崩壊

1年目の失敗を乗り越え、入社3年目にはプロジェクトリーダーに選ばれた。年上のメンバーもいる中でグループマネージメントをしていたが、そこで待っていたのはさらなる試練だった。

「プロジェクトリーダー時代は、リーダーが一番強いから、誰にも相談せずに、方針とかなんでも勝手に決めて先導する。トップダウンのような感じでした。そしたら、ハレーションが起きて、チームが崩壊してしまったんです」

まつまりさん自身、自分はタフなほうだと思っていたが、そのときはストレスが極限状態にあった。これが正解のリーダー像と思い一生懸命頑張ったが、自分のスタイルとの違和感を感じたという。

その違和感に気づくきっかけは、上司や先輩にもらった助言だった。
「どうしてこんなにうまくいかないのだろう」とありのままを相談すると、こう返ってきた。

「そもそものやり方が違うんじゃない」

そこから意識が変わったそうだ。


リーダーは2種類いていい

新たなリーダー像を確立

チームが崩壊し、自分自身もストレスがたまり、うまくいかず落ち込んでいた。自分が思っていたリーダー像との違和感に気づいたときに、一度立ち止まってこう考えたという。

「リーダーにも2種類いていいんじゃないか」

「リーダーシップを発揮する人は発揮すればいいし、私はそっちっていうよりかはフォロワーシップのほうだと思うんです。苦手だなとか、できないなとか思うことは、メンバーの人や一緒にやってる仲間とかに、『私ここ全然できないんだけど、めっちゃ得意ですよね?』みたいな、『ちょっと助けてくれませんか』みたいな感じで、コミュニケーションをガラッと変えました」

コミュニケーションのスタイルを一新した結果、仕事がスムーズに進んだという。そして、そのプロジェクト史上初の全KPI達成という成果につながった。自分の違和感に気づき、立ち返れたことがとてもよかった、とまつまりさんはいう。


メンバーに共有することで、負担を減らす

前職を退職後、SHEmoney 立ち上げ時は、1人で抱え込むことも多かった。ツテがないまま始まった新規事業で、ブランド責任者として「自分が折れたらいけない」というプレッシャーも大きかった。そんな大変な時期を、どう乗り越えたのだろうか。

「ノートに何がモヤモヤしているのかとか、不安なことを書き出したりとか、あとはモヤモヤした状態で人に話して、誰かに整理してもらったりとか。そういうことをやりつつ、目的に立ち返るようにしました」

感情を言葉にして、自分の目的に立ち返ることを繰り返す。目的があれば、もうやらない理由はない。そう思い、自分を奮い立たせている。また、そんな悩みをメンバーに共有することもあるという。

「悩みとかって、1人で持って1人で解決しようとすると、けっこうきついと思うんですけど、シェアすると負担が減るというか。私は仲間たちにシェアすることで、乗り越えてきたところがあるかなと思います」

悩みを1人で抱えるのは、とても辛いことである。まつまりさんは、リーダーだからといって1人で抱え込まず、メンバーに打ち明けることで負担を減らしてきた。


時間の余白を作り、想像力を働かせる

暇な時間を作ることを、タスクにいれる

自分のリーダータイプに気づけたまつまりさん。メンバーとも一対一でのコミュニケーションを大切にしたり、メンバーがどう思っているのかをとても大切にしている。リーダーとして、メンバーとの時間を作るにあたっては、尊敬する上司が実践していたことをやっているという。

「私の尊敬する上司が、暇な時間をつくることをタスク管理してるって言ってたんです。だから日々、必ずこの時間は絶対にあけて、そのために他のタスクをさばくスピードを早めて、暇な時間をつくることをタスクに入れていたそうです」

その上司は、就業時間内に1時間ほど、余白をつくるタスクを入れていた。まつまりさんも、それを意識しているそうだ。誰かのために余白を作っておくことで、メンバーと話す時間を作ることができ、それが雰囲気づくりにもつながるのだ。


仕事に対する意識は、想像力をもって働くこと

前職や新規事業立ち上げの経験から、今のマネジメント力やリーダー像を確立したまつまりさん。最後に、働き方や意識、姿勢が変わった瞬間があるのかを聞いてみた。

「今、自分の仕事の教訓になっているのが、まさに『想像力をもって働く』ことです。そう思えたのは、若手時代の経験があったからです」

1年目で「信頼」を失い、3年目にはチームを崩壊させてしまった若手時代。想像力をもって働くということは、相手を信頼することだと感じた。自分に合う新たなリーダー像を見つけだしたまつまりさんは、一緒に働く仲間への想像力を働かせて仕事に対峙することが大事だという。

余白を持ち、相手への想像力を働かせること。気持ちに余裕があれば、相手への想像力も働く。そこからチームワークが生まれ、仕事のパフォーマンスも上がるのだ。


編集後記

まつまりさんの現在のマネジメントスタイルは、過去の経験があってこそ確立されたものだ。失敗を繰り返しても、そのたびに乗り越える。何か疑問や違和感に気づいたときに、一度立ち止まって、立ち返ることの大切を学んだ。

そして、リーダーだからといって、決して一人で仕事をしようとはしない。リーダーでもできないことはあるし、できないことは仲間に頼る。その勇気は強さでもある。誰かに頼ることで仕事の効率は上がるし、何よりチームワークにつながる。相手への想像力を働かせ、余白をもつことで、信頼を得ることができる。

過去の経験は決して無駄ではないと、まつまりさんの経験が教えてくれた。


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