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国家資格 キャリアコンサルタント試験体験&試験対策(JCDA 第23回受験) 4. 学科試験対策 3 (難問でもあきらめずに解く方法)

 学科試験の点数の取り方は、やはり学科試験対策1と2で示した通りですが、見たことのない問題でも、時間的余裕のある学科試験では現在持っている知識で考え、あきらめずに、論理的に回答を導き出すことは可能です。
 
第23回テストでも、私自身も悩みながら、考えた末に正解できたものがありますので、具体例として紹介します。
 
【以下第23回テストからの抜粋】
 
問5 デシ(Deci, R, L.)の提唱した内発的動機づけに関する次の技術のうち、適切なものはどれか?
 
1.    成人の内発的動機づけの強さは、幼児期以前にすでに決定している。
2.   人間関係などの環境の要因は、内発的動機づけには影響を及ぼさない。
3.   内発的動機づけとは、課題の興味や好奇心などに基づき、自ら行動を起こす過程のことである。
4.   内発的動機づけは、報酬や罰などの外発的な報酬を与えられても、それらに影響されることはない。
 
理論家の勉強の中ではマイナーな存在で、デシ自身の勉強はあまりしていなかったのですが、「内発的動機づけ」ということの意味を一般論と考えて問題に望みました。
 
まず1.ですが、成長していくにあたり、自分の価値観が掘り起こされていく中で、おそらく内発的動機づけは影響を受けるので×。
 
2.は環境と個人の考え方の間にはお互い影響し合う何かがあるのが普通だろうということで×、
 
4.は、人間の動機づけは、環境に影響受けるという2.の前提と同じで、例えば高い報酬を突き付けられたら、心は動くだろうと考え×。
 
3.はデシの考える内発的動機づけ自身の知識はありませんでしたが、一般的な意味としては違和感がないので〇としました。
 
この問題は、デシのことをあまり勉強していないということで、最初見たときは少しどうしようかなと思いましたが、実際の中身(内発的動機づけ)を見てみると、解決の糸口があるのではないかと考え、自分に置き換えて、内発的動機づけが何に影響されるかを考え、回答を導きました。
 
問38 「厚生労働省履歴書様式例」(厚生労働省、令和3年4月)に関する次の記述のうち、不適切なものはどれか?
 
1.    一般財団法人日本規格協会がJIS規格の解説から履歴書の様式例を削除したため、公正な採用選考を確保する観点から新たな履歴書様式例が作成されたものである。
2.   これまでのJIS規格の様式例と異なる点は、①性別欄を任意記載欄としたこと、②「通勤時間」「扶養家族数(配偶者を除く)」「配偶者」「配偶者の扶養義務」の4項目を設けないこととした。
3.   ハローワークを通して求人に応募する場合は、「厚生労働省履歴書様式例」を使用することが義務化された。
4.   制度上特定の性別の物を就業させることができない場合など、性別の確認が必要な場合には、理由を説明し、応募者の十分な納得の上で確認を行い、回答を強要しないように留意する。
 
まずこの問題は、「厚生労働省履歴書様式例」(厚生労働省、令和3年4月)という問題文でまずは引いてしまいます。さすがにこのガイドラインは試験前対策で確認はしていませんでした。そこで、履歴書の書き方が変わるのは何か社会的環境変化による社会からの要請事項があったためではないかと考え、各問説明に臨みました。
 
1.ですが、厚生労働省がわざわざ様式例を作成するので、そこには何らかの外部環境から影響を受けた理由があると考えましたが、1.なのでまずは「適切かどうかは50%」としました。

2.ですが、ここで最初に想定した履歴書の変更理由となった外部環境の影響が描かれていると感じました。まず、性別欄の記載を任意、または削除としたのはおそらく、ジェンダーつまりLGBTなどに配慮したものと判断しました。②にある4つ項目のすべてが正しいかどうかの不安はありましたが、見たことのないガイドラインに対する出題で、さらにその中の4項目まで正答ではないというほどのひっかけをしてくることはないだろうと考え「適切」としました。
 
4.ですが、性別は非常にセンシティブなテーマですが、本人に確認、強要もしないという相手への配慮をしっかりとしていることから適切としました。
 
3.ですが、まず履歴書は、世の中の文房具屋などでさまざまな書式の物が購入できること、履歴書の書式をそもそも義務化するはずがない、また問題のひっかけとして、「義務化」というような断定的な表をしていることから、不適切としました。
 
そもそもの問題の難易度は別として、難問、自分のなじみのない問題に対しても、今持っている知識や想像力を働かせることにより、回答を導くことができます。ぜひあきらめずに正答を導き出していきましょう。勉強した範囲でも質問内容までたどり着いておらず、間違えることもありますので、逆にこのようななじみのない問題で挽回していきましょう。
 
 <添付:第23回学科試験>
https://www.jcda-careerex.org/files/past/499written-q.pdf

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