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国家資格 キャリアコンサルタント試験体験&試験対策(JCDA 第23回受験) 13. 論述・面接試験対策 8 (口頭試問への対策)

試験対策の最後は口頭試問対策となります。口頭試問では基本的に以下の4点が質問されます。
 
1.    15分で、できたこととできなかったことは何か?
2.   相談者が相談に来た目的は何か?
3.   キャリアコンサルタントが考える問題点は何か?
4.   この後どのような展開をしていこうと考えているか?
5.   この資格を将来どのように生かそうとしているか?

 
回により聞き方が異なることもあるようですが、基本的には上記5点の準備をしていれば、本番であまり慌てることはありません。
 
ただ、口頭試問は15分ロープレが終了した直後に行われるので、すぐに頭を切り替えなければなりません。そのために重要なことは、「慣れ」と「準備」になります。練習ロープレなどを受けると、その後、模擬口頭試問などがありますが、こういった場で慣れることが重要になります。実際に練習でやってみると、私の場合、例えば、問1で、できたことだけ話し、できていないことを話し忘れていたり、問題点を整理して話せなかったりという感じでしたので、何度も練習したことはよい準備となりました。
 
では、一つひとつの回答のポイントを記載します。
 
1.    15分で、できたこととできなかったことは何か?
 
できたこととできなかったことについては、普段の練習ロープレからの傾向で準備が可能です。15分という時間を考えると、例えば、「かかわり行動」のところはしっかりできるようにしておき、それを冒頭にできたこととして話すことを決め、そこから展開していくようにすると冒頭慌てないための対策が取れます。それ以降は、伝え返しや要約などの「かかわり技法」等で意識してやったことを話し、そのことによる相談者の反応も併せて話せると、自分自身ができたこととその効果がセットであわてることなく説明できます。
 
例えば以下のような展開になります。
例:「伝え返しを丁寧に行こない、その後〇〇という経験を問い、その時の感情もセットで伺うことができたので、あるときから、相談者が質問なしでもすらすらと話をしてくれるようになったため、信頼関係構築が進んだように感じられた」など。
 
また、できなかったことは、練習ロープレに同席し、聞いてくれているアドバイザーから頂いたコメントの中で、ふだんからなかなかできていなかったことを記憶しておき、その内容の中から伝えることを選び、話すのがよいと思います。ただそれ自体も練習により徐々にできるようになるものがあり選別するのが難しくなったり、瞬時に選んで話したりするのは難易度が高いと思いますので、15分では到底できないことを必ず話すこととして決めておくのも有効な手段です。
具体的には、例えば「経験や感情を深く問うことに重視したことで、その経験からくる内省は進んだが、問題点の特定とそれに対する解決策の検討というところまではできなかった」など。つまり時間が足りないことは普遍的なのでその先の展開に行けなかったことをできなかったこととして準備しておくという対策です。・
 
2.   相談者が相談に来た目的は何か?
 
相談者の目的で重要なことは、冒頭に相談者の話す内容です。主語が相談者であり、キャリアコンサルタント自身が考える問題ではないということがポイントです。例えば、「今働いている会社を辞めて転職しようかどうか悩んで相談に来ました」ということであれば、単純には「転職の相談に来た」ということになります。ここは冒頭の話を要約する程度でとどめてよいかと思います。
 
3.   キャリアコンサルタントが考える問題点は何か?
 
キャリアコンサルタントが考える問題点は、すでに論述問題対策でも扱った問3をイメージして、①自己理解不足、②仕事理解不足、③コミュニケ―ション不足、④思い込みの4領域から相談者の内容に合致したものを選択し、相談内容に適した表現で話します(論述・面接試験対策5を参照)。
 
4.   この後どのような展開をしていこうと考えているか?
 
その後の展開も、論述問題の問4をイメージして回答します。そのため、冒頭は、「相談者の~という経験をねぎらい」などの言葉で寄り添い感を出し、途中で、「相談者の合意がとれれば~」などの言葉で相談者の主体性を引き出し、3.で掲げた①~④の問題に対して、具体的にどのような方法で支援を行っていくかを話します。提案や命令ではなく、あくまでも支援するというスタンスが重要です。ただし、論述試験のような回答枠の制約はないので、もし、相談者の価値観の理解不足などが課題ということであれば、年齢によってはキャリアアンカー、その他では、jobtag、Job Cardなどの具体的ツールを明示することも有効です。
 
5.   この資格を将来どのように生かそうとしているか?
 
最後は資格の生かし方ですが、決まっている人はその方向性をより具体的に話し、決まっていない人は、基本的な3つの領域(人材斡旋機関、企業内、学校内キャリアセンター)に対して、自身の興味や価値観と結ぶつけながら、将来の話として最もやりたいと思っていることを話せるようにしておくのが良いと思います。ここは自由な発言の場ですので、かなり気楽に話せます。
 
最後に、JDCAの採点基準を共有します。私自身も正直なところか合格通知が来るまで知らなかった内容がありました。
 
まず、面接の最終点数は論述とセットで60%以上になっていますので、足切りのみ気にしながら基本的には合計点が60%以上になるように対策を練っていきます。
 
ただ、面接試験の得点は総合点しか出ないのですが、以下の5つの項目でそれぞれB以上の評価でないと合格はできないとのことです。実際の面接試験のみならず、口頭試問の内容も評価対象になりますので、その点は注意してください。
 
評価内容は以下となります。
 
1.    面接内容より
1)   主訴・問題の把握
2)  具体的展開
3)  傾聴
 
2.   口頭試問より
1)   振り返り
2)  将来展望
 
私自身の論述試験、面接試験対策は、面接試験がぶっつけ本番で当日の高得点が望めない可能性があるので、できる限り論述試験の高得点を狙うというものでした。最終的には、この対策により、論述試験は80%強の点数を取ることができたことで、面接試験に比較的余裕を持って臨めたことが合格にもつながったと思っております。
最終的な面接試験のみの点数は75%程度でしたが、15分でやれる範囲も限られる中で、玄人並みにスキルで15分を乗り切ることはできないので、やはり基本的なスタイルを作り、60%以上をシンプルに目指すことでよいかと思います。

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