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国家資格 キャリアコンサルタント試験体験&試験対策(JCDA 第23回受験) 3. 学科試験対策 2 (第23回学科試験から読み取れる試験の傾向と難易度)

 第23回試験の学科試験は、過去のものに比べ点も全体の点数を見ると、学科試験の合格率は81.2%、試験の平均点は76.9点となっています。ここ数回の中では、第21回が合格率59.7%、試験の平均点71.2点というのが最も低い水準ですが、他はおおむね同じ水準であることから、第23回は、結果的に平均よりも難易度が高くはありませんでした。にもかかわらず、実際に受験をしてみると、私自身はかなり難しいと感じました。その理由は、やはり勉強していない問題が数題あったこと、学習した範囲ではあったが、重要と感じていなかったところが出たことで、そちらの方に意識が行ってしまったためです。実際に試験当日の状況を冷静に考えてみると、試験中に簡単な自己採点をしながら、明らかに〇というものが3、4問程度あったので、残りの16問の正答の確率を考えると、おそらく合格は見えていたのかもしれません。
 
第23回試験の内容を分析することで、傾向を見てみました。さまざまな分類があるのですが、私が分類したのは、以下の通りです。( )が問題数です。
 
1.     指針・分析・調査・職業選択制度(17問)
2.    理論(8問)
3.    キャリコン要求事項(12問) 
4.    関連法律(5問)
5.    社内人事(2問)
6.    メンタル(3問)
7.    アセスメント(2問)
8.    その他(1問)
 
上記の分類は私が自分で作成したものですが、1から4が全体の42問(84%)を占めることがわかります。
中身を見てみると、まず<2. 理論、4. 関連法律、5. 社内人事、6. メンタル、7. アセスメント>などは、暗記すれば得点に結びつく可能性が高くなります。
 
また<3. キャリコン要求事項>は、それほど暗記が求められるものではありません。自身の常識やひっかけの傾向などを理解していれば、高い確率で回答が可能です。中には、カウンセリングの進め方など少し特徴的なものはあるのですが、基本的にロープレなどの経験の機会で、実際に自分で実施している内容とのつながりが深いため、暗記というよりも理解ができていることが重要です。
 
一方で、<1. 統計・指針・分析・調査・職業選択制度>はこの出題範囲の中でも比較的難易度が高い分野です。出る内容は決まっていても、範囲が広いため、出題が予想しにくいことがその理由です。
まず、「令和〇年度版 労働経済分析(厚生労働省)」、「第11次 職業能力開発基本計画」、「令和〇年版 労働経済分析(厚生労働省)」は、ほぼ出ると思われるので、最初に学習することをおすすめします、とにかくボリュームが多いので、私は通勤の行き帰りで動画で説明をしているYouTubeを探して、何度も聞き流していました。第23回の場合、会場に向かうまでの間の、以下のふたつの動画を最後にもう一度聞いたのですが、直前に記憶したのが奏功し、実際に2問正答できました。
この領域のその他は、1問1答で出てきたものや模試などで出てきたものについては、すべて検索して印刷し、一通り目を通したうえで、自分で最も重要だと思われる点を、自己作成ノートに記載するようにし、常に持ち歩き暗記できるようにしておきました。
 
令和4年版 労働経済の分析
https://www.mhlw.go.jp/wp/hakusyo/roudou/21/21-3.html
 
キャリアコンサルタント試験対策・第22回出題統計データ解説(能力開発基本調査、労働経済の分析、働く環境の変化に対応できるキャリアコンサルタントに関する報告書等)
https://www.youtube.com/watch?v=dOvJTr1XBBc
 
私自身が対策として、URLを調べ、印刷したものは以下の通りです。優先順位もありますが、試験の1/3程度を占める範囲なので、まずは読んでおくだけでも労働市場で起こっていることがわかり、意義があると思います。ただ、ボリュームが多いので、一度まとめて読むのではなく、その都度チェックし、要点をまとめておくのが良いと思います。
 
・令和4年版 厚生労働白書(厚生労働省)
・令和4年版 労働経済の分析(厚生労働省)
・令和3年度 能力開発基本調査 調査結果の概要(厚生労働省)
・女性活躍推進法に基づく認定制度(厚生労働省)
・くるみん認定、プラチナくるみん認定に関する認定基準変更(厚生労働省)
・女性活躍推進法に関する制度改正のお知らせ 女性活躍に関する「情報公表」が変わります(厚生労働省)
・職業能力評価基準の構成(厚生生労働省)
・令和4年度「高校・中学新卒者のハローワーク求人に係る求人・求職状況」取りまとめ(厚生労働省)
・キャリアップ助成金(厚生労働省)
・ジョブカード活用ガイド(厚生労働省)
・令和3年版「労働安全衛生調査(実態調査)」の概要(厚生労働省)
・専門教育訓練の給付金のご案内(厚生労働省)
・一般教育訓練の教育給付金の支給申請手続きについて(厚生労働省)
・特定一般教育訓練の「教育給付金」に関する支給手続きのご案内 (厚生労働省)
・年5日の年次有給休暇の確実な取得(厚生労働省)
・労働者の職業生活設計に即した自発的な職業能力の開発及び向上を促進するために事業主が講ずる措置に関する指針(厚生労働省)
・LGBT実態調査(厚生労働省)
・テレワークの適切な導入及び実施の推進のためのガイドライン
・人づくり革命 基本構想(人生100年時代構想会議)
・人材に関するアンケート調査結果(一般財団法人 日本経済団体連合会)
・うつ病の認知療法・認知行動療法(患者さんのための資料)(厚生労働省 心の健康科学研究事業)
・労働力調査(基本集計)2022年(令和4年)平均結果の要約(総務省統計局)
・キャリアコンサルタントの実践力強化に関する調査研究事業 報告書(特定非営利活動法人 キャリアコンサルティング協議会)
・賃金・人的資本の関するデータ集(内閣官房 新しい資本主義実現本部事務局)
・日本経済 2021-2022 経済全般動向、キャリア、人材系の情報のみ抜粋 (内閣府)
・令和4年 学校基本調査(確定値)についての公表資料(文部科学省)
・インターンシップを始めとする学生のキャリア形成支援に係る取組の推進に当たっての基本的考え方(文部科学省、厚生労働省、経済産業省)
・働く環境の変化に対応できるキャリアコンサルタントに関する報告書(概要)~キャリアコンサルタント登録制度等に関する検討会報告書~
・「自殺総合大綱」(令和4年10月閣議決定) (概要)
・国民生活に関する世論調査(令和4年10月)
・職場における学び・学び直し促進ガイドライン(令和4年6月策定)について 概要
・令和4年度 年次経済財政報告(内閣府)
 
こうやって見てみると、やはり難易度が高いのは<1. 統計・指針・分析・調査・職業選択制度>の領域ではないかと思います。私は、厚生労働省などが出しているもの、労働経済における統計、分析、国が進めたい施策のガイドラインなど、HPなどで結果や内容を確認できるものを印刷し、読むようにしました。1問1答などでもこの領域の問題は出てくるのですが、一つひとつ断片的に学ぶというよりも、一つひとつの領域の大枠を一読してから、各領域の1問1答などで問題になれるのがいいのではないかと思います。
 
あと、全体として既述の1~7の領域に入れなかったのですが、教育関連の問題が3問出題されていました。労働人口の減少が将来迫る中、若年者向けのキャリア教育の重要性がより高まっているように感じました。さらに、今後は外国人労働者の受け入れなど、人口減から派生する問題に関連する出題も出てくるのではないかと思われます。

<添付:第23回キャリアコンサルタント試験 試験結果 全体概要>

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