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ひとりっ子の私が、兄妹を育てて思うこと

余裕のない日の繰り返し


 娘が一歳半になった頃。マニュアル通りに、後追いが始まりました。朝起きた瞬間から「ママ―」と後ろをぴったりとついて歩き、ほぼ1日中「だっち、だっち(抱っこ)」と両手を広げて泣いて訴えてきます。不思議なもので、後追い前まではおむつも着替えも「パパがいい」主張していたのに、「そんなこと言ってました?」という表情でパパを見事にスルー(ちなみに、朝イチのおむつ替えだけはパパという謎のこだわり)。後追いだって、過ぎてしまえば淡い子育ての1ページ。いつか必ず去っていく嵐のようなものとわかってはいても、上手く受け止めきれません。

 「いまは抱っこできないよ」「これが終わるまで待ってて」言葉の意味は理解しても、納得はできないお年頃。「どうして私の気持ちをわかってくれないのよ」と言わんばかりに、テーブルをたたき、身近なものを手当たり次第に投げて怒り爆発。投げるものがモノや袋入りのおやつ程度なら笑って許せても、それが、牛乳、豆腐、納豆と”片付けめんどくさいランキング”上位アイテムになってくると、こちらのガマンも限界になり、結局「待ってって言ってるでしょ。何回も同じこと言わせないでよ」と、娘よりも大な声を出して泣かせてしまうのです。後追いが辛いのは、ママの逃げ場が極端に狭くなるから。小さな目に涙をたっぷり溜めた表情にハッとするもの、ママだってめちゃくちゃつらいのよ。2人目だからって、上手くできないこともあるのよ。もっと余裕が生まれるのと思ったのに、理想は全然違うのよ。

ひとりっ子の私だから、わからない

 そんな時、絶妙なタイミング「まぁまぁ二人とも、ケンカはやめなさいよ」とおどけた口調で間に入ってくる兄。「ママ、そんなに怒らないでよ。まだ小さいんだよ」と35歳以上年の離れた母を諭してくるのです。どうして?とその理由を聞くと、家族の泣き顔を見るのがいやなのだそう。いそいそとティッシュを持ってきて、そっと涙をふいてあげる健気度1,000%の兄。昨日、妹のおもちゃを横取りして泣かせてるのは誰じゃい!と言いたかったけれど、それはまた違う話らしい。ケンカをしても、ふてくされても、何事もなかったように2人で遊んでいる後ろ姿をみると、一人っ子の私は、猛烈にうらやましさを感じたのです。私が子どもの頃に見てき景色と、2人がこれから見ていく景色は全く違う。私が経験したこともない瞬間を、これから2人は謳歌していくのだろう。そして、一人っ子では経験できるはずもないそれぞれの立場を、果たしてうまく理解してあげることはできるのだろうか?なんて、一人っ子ママならではの壁に直面していたのでした。そんな悶々としているのは絶対に私だけで、「ママはうるさいから、あっちいこう」とかコソコソ言って見えないところに行っちゃうんだろうな。ちきしょー、なんだかんだ言ってうらましいぞ!





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