息子、貯金をはじめる

1,はじめての貯金箱

 おじいちゃんから貯金箱をもらった。ちょうど、幼稚園でバザーが開催されるタイミングだったので、「貯金箱にお金を貯めて、好きなお菓子を買おう」と提案。すると「お金を貯めると何かが買える」という事実に大興奮。そっか、「お金の価値」って経験しないとわからないものよね。

これいくら?に、何でも「ごまんえん!」と威勢よく言いきってしまう息子にとって、5万円が高いのが安いのか、物を購入することがかっこいいことなのか、無駄使いなのか。夫婦間でさえまるで違う金銭感覚。「お金の価値を教える」って、子育ての中でけっこうハードルが高い気がします。

とりあえず、「おい!ばばあ!さっさと金よこせよ」と、18歳ごろに息子にすごまれるのはイヤなので、「お片付けしたら1円」というベタなルールを設定。さっそくおもちゃをきれいに片づけてくれたので、「お手伝いをしてくれてありがとう」と初任給を渡しました。すると、みるみると顔をほころばせ、貯金箱の中に1円をそっとIN。何度もふたをあけて「はじめての1円」を愛おしそうに眺めていたのでした。

2,お金はおっかねー

 はじめての経験を素直に喜ぶ息子。お金を介して気持ちのやり取りができてしまうことに、成長の早さを実感し、お値段以上の価値があると思ったのでした。その日からコツコツと片付けに精を出し、バザーでは念願の「糸ひきあめ」をゲット(しかも10円)。なんであめ?とツッコミどころはあったけど、「これください」「ありがとう」と小さな手にお金をのせてお店の人とやり取りする後ろ姿に、こっそり涙をぬぐった親バカな私です。その日から妙に気前のよくなった息子の口癖は、「欲しいものある?ぼくがかってあげるよ」そして、「まま、おかねください」。言い方はかわいいけど、妄想の中の息子と言ってることは同じじゃないか・・・あなおそろしや。まだ1円が最強と思っているので、100円や500円、ましてはお札の価値に気がついてないことだけが、せめてもの救いかもしれません。

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