半導体1

2024年第2四半期において、S&P500企業の41%が業績を発表し、そのうち78%が予想を上回るEPS(1株当たり利益)を報告しました。これは、過去5年平均の77%、10年平均の74%を上回る結果です。しかし、企業全体の収益は予想を4.4%上回るにとどまり、これは過去5年平均の8.6%、10年平均の6.8%を下回っています

国内で半導体投資が活況だ。熊本県に台湾積体電路製造(TSMC)の製造子会社JASM(熊本県菊陽町)が進出。そのほかキオクシアなどのメモリー、ルネサスエレクトロニクスなどのパワー半導体でも投資が相次いでいる。半導体工場の建設には産業ガスや特殊なプラントエンジニアリングのノウハウが欠かせず、関連産業にも好影響が広がっている。(小林健人)

【図解】知っておいて損はない、半導体の基礎知識

「一部で投資時期の遅れもあるが、受注は活況だ」。産業向けの空調設備工事を手がける新日本空調の二宮幸治執行役員は半導体投資の現状をこう話す。同社は半導体デバイス向けの受注が主で、「投資規模や金額が大きくなっている」(二宮執行役員)という。

同業の大気社も同様で、吉田省吾常務執行役員は「2022年から需要は旺盛だ。半導体デバイスだけでなく、製造装置や材料にも受注を広げたい」と意気込む。同社はJASMの熊本県第1工場のサプライヤーとして参加した。吉田常務執行役員は「大きな工事は技術者の育成にも役立つ」と話す。短納期の要求に応えたことがTSMCに評価されたという。「第2工場の受注も目指す」。

好影響は産業ガスにも広がっている。パワー半導体向けの受注が多い巴商会(東京都大田区)では、コストアップもあり取引金額が従来と比べ1・5倍ほどに増えている。特に今後は炭化ケイ素(SiC)が伸びると見て、需要に合わせ設備増強も検討する。

関東電化工業はメモリー向けのガス供給で強みを持つ。23年はNANDとDRAMともに市況が悪く、各メーカーで減産が相次いだが、23年後半からはDRAM市況が底を抜け「荷動きが良くなってきている」(今尾周二郎精密化学品第2部長)。NANDもキオクシアが減産を続けてきたが、今尾部長は「直近では稼働率が戻りつつある」としている。今後市況回復により減産の解除が見込まれ、関東電化工業にとって明るい材料となる。

一方、課題は深刻な人手不足だ。新日本空調の二宮執行役員は「人手不足も相まって一部案件を断らざるを得ないところも出てきている」と話す。大気社の吉田常務執行役員も「JASM第1工場は全国から数百人規模の人員を集めた。人手不足もあり、大型案件を同時にこなすことは難しい」と強調する。活況が続く半導体投資だが、サプライヤー各社の受注状況次第では、スケジュール通り竣工しない案件も増えそうだ。

キオクシアについて教えて


キオクシア株式会社(KIOXIA Corporation)は、主にNAND型フラッシュメモリを製造する半導体メーカーです。元々は東芝の半導体メモリ事業として始まりましたが、2017年に分社化され、2019年に現在の社名に変更されました12。
キオクシアは、スマートフォンやデータセンターなどで使用されるフラッシュメモリとSSDのリーディングカンパニーです。特に、3次元フラッシュメモリ「BiCS FLASH™」を搭載した製品が注目されています1。
また、キオクシアは世界最大級のフラッシュメモリ工場を持ち、AIを活用したスマートファクトリーで高い生産力と効率を実現しています1。

フラッシュメモリとは


フラッシュメモリは、半導体素子を利用した記憶装置の一つで、電源を切ってもデータが消えない不揮発性メモリです12。これにより、データの保存や読み書きが可能で、何度も繰り返し使用できます。
フラッシュメモリには主に2種類あります:
NAND型フラッシュメモリ:高い集積度と高速な書き込みが特徴です。主にデータストレージ用途に使用されます。
NOR型フラッシュメモリ:高速な読み出しが特徴で、主にシステムメモリとして使用されます2。
また、フラッシュメモリはスマートフォン、デジタルカメラ、USBメモリなど、さまざまなデバイスで広く利用されています1。

SSDとは

SSD(ソリッドステートドライブ)は、データを保存するための記憶装置で、フラッシュメモリを使用しています。従来のHDD(ハードディスクドライブ)と比べて、以下のような特徴があります12:
高速:SSDはデータの読み書き速度が非常に速く、パソコンの起動やアプリケーションの起動時間が短縮されます。
静音:HDDのように回転する部品がないため、動作音がほとんどありません。
耐衝撃性:物理的な衝撃に強く、データの安全性が高いです。
軽量・コンパクト:サイズが小さく、軽量であるため、ノートパソコンやモバイルデバイスに適しています。
一方で、SSDはHDDに比べて容量あたりの価格が高く、大容量のデータ保存にはコストがかかることがあります

パワー半導体とは


パワー半導体(パワーデバイス)とは、電力を制御・変換するための半導体素子のことです。具体的には、直流を交流に変換するインバータや、交流を直流に変換するコンバータなどの機能を持つデバイスです12。
パワー半導体は、電気自動車や家電製品、太陽光発電システムなど、さまざまな分野で使用されています。例えば、電気自動車では、モーターの駆動を制御するためにパワー半導体が必要です2。
パワー半導体の主な種類には、以下のようなものがあります12:
ダイオード:一方向にのみ電流を流す素子
パワーMOSFET:高電圧を制御する素子
IGBT(絶縁ゲートバイポーラトランジスタ):MOSFETとバイポーラトランジスタの特性を兼ね備えた素子
これらのデバイスは、エネルギー効率の向上や省エネに大きく貢献しています。

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