見出し画像

私の狂気~トンカツインタビューを添えて~

今月も参加します!
ズブの素人が初めてインタビュー記事を作った大冒険をまとめました。
笑っていただけたら嬉しいです。

トンカツインタビューとは?

私が入会しているWebライターサロン【 Webライターラボ】では講師による動画講義が提供される。
ZOOMなのでリアルタイムで参加できるし、アーカイブもちゃんと残るのでいつでも見放題だ。
SEO記事の添削やセールスライティングのほか、インタビュー記事の講義もある。
そのなかに模擬インタビューの実演があった。
インタビューライティングで活躍されているふたりの講師が、架空のトンカツ屋の社長とインタビュアーとして実際のインタビューの様子を見せてくださる企画だ。
実演だけでなく、架空のトンカツ屋のホームページに事前ヒヤリングシートまで用意されている。

これはマジなヤツだ。
拝見する方も生半な気持ちではいけない。
襟を正して正座、はしていないが気持ちはそれに近かった。

のちにトンカツインタビューは添削企画に発展する。
ラボのメンバーがトンカツインタビューから3000文字程度の記事を作成し、講師のおふたりが添削していく形の講義だ。

きっかけはラボトーク

トンカツインタビューをはじめて拝見したときは、インタビュー記事を作れるなんてプロのライターはすごいな、くらいにしか思わなかった。
私の実力からはあまりにかけ離れていて、地を這う虫が空の雲に憧れるような感覚。
遠すぎて届くはずもない。

トンカツインタビューを拝見したあと、ラボではないところでSEO記事の添削をしていただく機会に恵まれた。
苦手意識しかなくて避けていたがそれなりの記事が書けたとき、私の脳裏にトンカツインタビューが浮かんだ。

インタビュー記事って難しいのかな?
いや書けるはずないよ。
だって普通の記事だって添削用に3本書いただけでクライアントワークをする実力もないのに。

でもトンカツインタビュー面白かったな。
そのあとの添削動画もサラッと見ただけだけど、講師のおふたりが真摯に向き合っていらして言葉の選び方があたたかかった。
残念、添削企画は終わってしまっている。
参加したかったなぁ。

正にそのタイミングで、ラボのメンバー同士が1対1で話せる【ラボトーク】のスピーカー募集が始まった。
ログを漁ったら講師のおふたりは毎回参加されている!
今回も参加される確率が高い。

よし、リスナーの申し込み終了まで2週間以上ある。
トンカツインタビューを記事にしてお見せできるようにしよう。
そしたら何者でもないわたしでも講師の方とお話しできるかもしれない。
私の単純な脳みそはすべての葛藤をふっとばしてぶっ飛ばした。
フルスロットルだ。

ズブの素人、未知との遭遇

自慢するが私はライターとしてクライアントワークをしたことがない。
Webライターラボに入っていて、モチベーションの高い方々に囲まれていても一歩を動き出せずにいた。

SEO記事も添削用に3本書いただけ。
ライティング講座を受講したし、ラボでもライティングに関わる動画はたくさん見てきて、基礎的なライティングができるだけ。
構成力も文章力も足りていない。

当然、インタビューもしたことがないし、インタビュー記事の作り方もラボの講義で一度見たきり。
なにをどうしたらいいのかわからないまま、勢いと謎の使命感だけでインタビュー記事に取り掛かることになった。

まず講義動画から音声だけを抜き取るところで四苦八苦。
半日かかって、音声ファイルをゲットした。

次は音声を文字起こしだ。
文字起こしツールなんて使ったことがない。
いきなり有料版を使うのはハードルが高くてnottaは断念した。
LINE CLOVERという無料のAI文字起こしツールを使った。

今度は文字起こしされたものを修正して体裁を整える。
まずは「えー」とか「あー」とか直接会話に関係ない部分を削りつつ崩れている単語などをひたすら修正。
毎日の通勤や家事の最中もずっと音源を聴いて自分に染み込ませていたので、暗記に近い状態までいっていた。
気分はイタコだ。

仕事の休憩中にも修正作業を続けていく。

文字起こしの完全版ができたとき、私は愕然とした。
なぜなら1万字を超えていたからだ。
これを3,000文字程度に削らなくてはいけない。

え、詰んだ。

やっと冒険が始まる

まず構成をつくる。
そのためにはテーマが必要だ。
事前のヒアリングシートの印象から、想定読者は起業を志す若者と定めた。
ではテーマは【会社の成功の裏に人とのご縁があった】としよう。
起業のノウハウ以外のことを引き出したインタビュー内容だから、人との関わりを大切に紡ごう。

そう決めた。
気分はやりてライターだ。

構成なんか作れない!
とりあえず自宅の本棚からインタビューが多い雑誌を取り出した。

【ロッキンオン・ジャパン】の星野源の記事と、【音楽と人】のチバユウスケの記事しかなかった。
ないよりマシだ。
読んでみてもよくわからない。
だから特徴を書き出してみた。

  • 見出しがある

  • 見出しのなかに質問が3つくらいある

  • タイトルがある

  • リード文もある

  • インタビュイーの紹介もある

  • 話し言葉ではないようだ

こんなもんだ。
ド素人である。
気づく内容が低レベルすぎた。

今度は構成を作る。
一から作るのは大変そうなので、GoogleのAI【Gemini】に構成案をお願いした。
3つ出してもらって読んでみる。
私が考えているレベルなどとうに通り越していた。
AIって、すごい。

AIに作ってもらった構成をちょっとアレンジする。
人間が作ったように見えるといいな、とコスいことを思いつつ。

構成ができたら今度は、質問を作る。見出しなんか気にしない。
そんな余裕は私にはない。
暗記するほど聴いた音源だから、インタビュアーが力を入れて聞き出したところは耳が覚えている。
なんとなくで形を作っていく。

会話のなかのいらない部分をまず消す。
3つくらいの質問をひとつにまとめて整理する。

ひたすら繰り返して本文が5,000文字程度に減った。
やっと山半分くらいだろうか?
もう戻れない。
だって私こそがトンカツ屋の代弁者なのだから!
思い込みと使命感の強い性格がゆえに突き進んだ。

今度は見出しに合わせて質問と答えを配置する。
テーマに沿わない部分は削除して、また文字数を削っていく。
冒険はまだ終わらない。
だってここからが本番なのだから。

いっちょまえの気分

文章には書き言葉と話し言葉がある。
インタビューは話し言葉なのに、記事に起こすときは書き言葉に直さなくてはいけない。
私は音源を聴きすぎて、インタビュイーの社長に対し並々ならぬ愛着があった。
架空の社長なのに……
彼の言い回しや言葉の選び方を変えたくない。
でも記事としてはふさわしくない。わかっている。

泣く泣く書き言葉に直していく。
独特の言い回しは訂正して、ニュアンスが伝わらないところは言葉を変えた。
読んだ人が好感を持ってくれるといいな。
社長を好きになってくれるといいな。

たくさんの苦労と出会いを社長に代わって読者に伝えられる!
たのしいなぁ。

気分だけは敏腕ライターだ。
私が書かないと彼の言葉は日の目を見ない!
PCに向かう私の熱量は加速するばかり。

人の言葉を大切にできるインタビュー記事って、楽しい!
基礎もなにもないからそう思えたのかもしれない。

完成した原稿は3,600文字ほどになった。
ちょっと多いけどもうこれ以上は削れない!
クライアントワークじゃなくて良かった……


いざラボトーク!

ラボトークの申し込み期間前に原稿はできた。
今見たら直したいところばかりだったけど……

ちょうどラボトークのリスナー募集のタイミングで私は体調を崩した。
ストレス性のめまいでPCもスマホもろくに見られない状態で、ほぼ寝たきり状態だ。

でもどうにか応募しなくては!
インタビュイーをされた講師の方のリスナーに応募した。
かなり長文で、気の狂ったことを書いたはずだ。
最後にインタビュー記事のURLを貼り付けた。
これで落とされたらそれまでだ。
でもありがとうを伝えたい。
多分最後はありがとうで締めたと思う。

1時間ほどの作業でもうダメだった。
画面を見ているだけで船酔いしているような気持ち悪さ。
目の前が歪んでいる。
インタビュイーの社長をされた講師の方にも応募したかったが、これ以上画面を見ているのは無理だった。
かと言ってコピペするなんて失礼なことはできない。

泣く泣く今回はお一人だけ応募させていただいた。

数日後、先方が受けてくださったとの報。
安堵と畏れとめまいで震えていた。

そして当日。
10分前からPCの前でひたすら待っていた。
実際お顔を拝見したときは【推し】に会えたような感動があった。

1時間ほどお話しさせていただいた。
私が狂気的な理由でインタビュー原稿を作ったことをまくしたてると笑ってくださった。
もう、それだけでいい。

私の変態性と狂気性は活かし方を間違えなければ仕事になりそうだと丁寧に話してくださった。
たくさん親身になってアドバイスをいただいてノートに書き留めた。

笑っていただいて、原稿を読んでいただけてアドバイスまでいただけて。
もう思い残すことはない。

しかも、意外とちゃんと書けていると褒めていただけて、ポイントのフィードバックまでしていただいた。
神か。
神だ。
神でしかなかった。

私の狂気性は報われた。

「ラボトークのためにインタビュー記事書く人なんて今までいませんよ」
「きっと一生忘れないと思います」

人と違っていて変わっていても、ときには印象を強く残して覚えていただける。
仕事の基本なのではないか?
だとしたら私は宝の持ち腐れだったのかもしれない。
いや、どうだろう……

嬉しくて飛び上がったトンカツライターの称号

是非、原稿をラボ内で公開してくださいと言われ、恐る恐る経緯を添えてDiscordの【いいこと報告部屋】に上げた。
頭のおかしいヤツ扱いされてもおかしくない内容に、たくさんのスタンプとコメントをいただいた。
講師のおふたりからもコメントをいただいた。
そのうえトンカツライターの称号を期間外なのに、特別にいただけた。

自慢するなと書いてあるが自慢する。
だって飛び上がるほど嬉しかった。
何者でもない、何もできない自分が、はじめて名前をつけてもらったような……
そんな高揚感。

見るばかりで、自分にクライアントワークなんて、と尻込みしていた私でも頑張れば認めてもらえる。
頑張った先に評価をしていただける。
確かな手応えを得た。

私の狂気性はたまにしか発揮されない。
それを少しずつクライアントワークで発揮できたら……

トンカツインタビューを通じて未知へ挑む勇気と、飛び込んだ先の面白さを教えていただいた。
仕事未満の、副業ライターですらない私だが、やりきった達成感は仕事と同様だと信じている。

次は仕事としてこの達成感を味わいたい。

Webライターラボ、トンカツインタビューのお二方。
本当に得難い機会をいただきありがとうございました。

トンカツインタビューをnoteにまとめました。

Discord名 綾瀬そら
#Webライターラボ2407コラム企画





この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?