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【素人には違いが感じられない?】オーディオインターフェイスとUSB-DAC。エントリークラスを1つずつ買って音を聞き比べてみた話【Arturia minifuse/FIIO K11】


長めの前説:購入したオーディオインターフェイスの話

おはようございます。ぼうずと申します。
書きたいことはタイトルの通りなのですが。
私は自宅のPCで何かするというと、大体ゲームしてるかyoutubeで音楽聞いてるか、音楽垂れ流しながらなんかしらの作業してるか、と常に何かしらのBGMが流れた状態でPCが起動していることが多いです。
で、
「割と頻繁にゲームやるし、ゲーム実況とかしてみようかな!」
なんて思い立って、数か月前にエントリークラスのオーディオインターフェイスを購入しました。
購入したのは、

Artriaのminifuse2

こちら。ホワイトとブラックがありますが、私はブラックの方が好きだったのでブラックを選択。

私はそちら方面にまったく知識が無いので知らないかったのですが、いわゆる音楽制作の界隈では非常に有名で、オーディオインターフェイスよりソフトウェアシンセ等の分野で非常に著名な所らしく。
そんな会社が数年前に出したエントリークラスの非常に安価なオーディオインターフェイスがこのminifuseシリーズ。
ゲーム実況用のオーディオインターフェイスと言えばYamahaのAG03だったりSteinbergのUR22C等定番の製品があり、音がいいと言われればMotuのM2などがありましたが、これを選んだ理由が、
見た目ウルトラめっちゃ可愛い!
それだけの理由。特にそれ以外の知識も欲も無かったのでこれを購入し、使い続けていました。
ちなみに、XLR接続のマイクも買ってゲーム実況やれるシステムは作ったものの、ゲーム実況するタイミングなんて一向になかったし環境も許さなかったので、結局持ち腐れ of treasure
ただこれを買ったことで、質のいいヘッドホンを使うことが出来たり、複数の要因で聞く音が良くなったので損はしていないのも事実。

で、このminifuseなのですが、肝心の聞く方の音質はというと
「あまり良い評判を出てない」
という実情。入力音声も、出力音声もどちらも値段相応。感覚的なレビューだけでなく、海外のサウンドエンジニアの方が出した数値上での比較も、他の2万円台以降の定番オーディオインターフェイスに比べると、数字で分かりやすく劣っている。
らしい。
もちろん、ヘッドホンやイヤホン、スピーカーをPCに直刺しして出す音に比べたら違う、という声が前提でしたが、総じて
「特段良いわけではない」
とのこと。
ふーんそうなのかー、私(ウルトラド素人の耳)は別に悪いとか感じないけどなー?
そりゃそうよ、比較対象がPC直刺ししかないんだから。
むしろこのminifuseの購入理由の多くは、本機の性能というより
「付属でついてくるVSTプラグインがやたらと豊富」
と、そもそも音楽制作やる人が手持ちの一つとして選択するタイプで、クリエイティブ要素0の素人が手を出すタイプの製品ではない。

☆比較用に格安でもう一つ用意したけど…☆

で、実はこれ以外にも安いオーディオインターフェイスを一個買っていて、それは超ウルトラ格安でオーディオガジェットを販売している、FIFINEさんのSC3。

上からの写真「左:FIFINE SC3 右:Arturia Minifuse2」

この二つのオーディオインターフェイスに同じヘッドホンを繋いで聞き比べた際、正直に言うと
「明確に違いがあったのはわかるんだけど、断言できるほど自信をもってここが違う!と言えなかった」
のが本音の感想。
ただ、それはあくまで私の感想。一応、SC3は明らかにボリュームが取れてないとか、62Ω程度のヘッドホン(K702)ですら厳しいとか、低音部すっげぇ弱いとか細かい音が出てこないとかあるっちゃあるんですが、ボリューム以外は個人の感想でしかないので、もうぜんぜん自信も根拠も無い。
で、聞いてるうちに不安になってくる。
「良いと思ってるのは私だけで、これ(minifuseは)クソ音質なのでは?」
ハッキリさせておくと、私はこのminifuseで聞ける音になんの不満もなかったです。というか、音の満足度は出口が一番重要説を信じているのでK702で聞ける音が好きだし、FIFINEのH8(格安だけどモニターヘッドホン)で聞こえる音も好きで、どっちもちゃんと鳴らしてくれるminifuseになんの不満もありません。
でも不安になっちゃったの!自分の耳が違いの判らないクソ雑魚だってわかってても!
で、そんな時にSNSでゲームやゲーム実況のポストとかで頻繁に目にする気になる言葉。

  • オーディオインターフェイス買ったので聞こえる音が美音になった!

  • 〇〇(定番機種)を買ったのでこれからは良い音でゲーム出来ます!

  • 〇〇(めっちゃ安くて音質評価悪いやつ)導入しました!やっぱりオーディオインターフェイスあると音質良くなって最高!

そう、なの、か...?

もうみんなオーディオインターフェイス=無条件で良い音、ってなってないか?私だけか?いや、私がクソ耳なのが悪いのか?
というか、そんなはっきり断言できるほど美しいと感じられるものなのか?
確かに、直刺しが「悪い」というのは私も大いに実感しているが、そんないうほど凄いか...?
音の出口(スピーカーとかヘッドホンのこと)の方が大事で、オーディオインターフェイスって聞く音そんなに変わるか?

考えるだけ、気にするだけ無駄なんですが、気になってしまうとずっと囚われてしまってグルグル思考がその場回転してしまう私の悪癖。
仕事も手につかん。
答えがわからんから行きつく先もなく、延々と思考疲れを繰り返していく中で、ふと目に留まったポストが一つ。

「どっちも良くなるのは変わらないけど、オーディオインターフェイスは入力音を重視した設計、USB-DACの方が出力に重点置いてるから耳に届く音、聞く音はUSB-DACの方が良くなる。」

そうなのか...?
その言葉で自分の持ってる機材と体質、耳への不安が最高潮に高まった結果バチクソストレスがたまりまくってしまいまして。

もう、もう自力で確かめるしかない…!
なので購入して比較することにしたわけです、USB-DAC兼ヘッドホンアンプとオーディオインターフェイスを。

購入:FIIOのK11を購入しました

オーディオインターフェイスと、USB-DAC。
素人の私からするとこんな感想を抱きました。
「どっちもDAC機能あるんだし、どっちもいい音にしてくれるんじゃないの...?というか違いあんの?」
いやまぁ、違いあって当然なのよ。だから値段違うんだし、グレードも違うんだし。
で、購入できるタイミングに合ったので購入。

購入にあたって検討した要素:

使いやすさ:細かいEQ設定などがあっても困る。minifuseは機器上の操作は極力少ない
エントリー性能:前述の通り、minifuseはエントリー性能のオーディオI/Fなので、価格帯でも同じくらいのグレードで比較がしたい
据え置き:エントリーDACを求めるとドングルタイプが沢山出てきたのだけど、minifuseが据え置きなので同じ据え置きじゃないと偏見が強くなる。

くらい。
最終選考で、FIIOのK7かK11、iFiaudioのunoとで悩んだものの、K7はちょっと、エントリー価格(3万円代)だけどminifuse(1万円代)とは価格が離れすぎている、unoは値段が近いけどちょっと見た目が…となり、第一印象で見た目も何もかもがストライクだったK11を購入しました!

左:K11 右:minifuse ほこりでめっちゃ汚くなってた。掃除ちゃんとしましょう。

外観:シンプルな見た目、フロントディスプレイにより今どんな状態かわかりやすい
使いやすさ:操作が前面に集中しているので扱いやすい
エントリー性:サイズ感が近い。価格も1万円台と2万円前半なので大分近い
どっちもエントリーレベルで上にもっと強いのがいっぱいい
見た目:どっちも可愛い(重要)

で、Amazonさんで購入即到着。
第一印象は、見た目よりは思ったよりも重かった。というか、minifuseが軽すぎる。他のオーディオI/F、DACも持っていないのでこれが全体で見てどの程度のサイズ感かわからないが、初心者的には「小さくてかわいい」という印象が強い。
へー、これがUSB-DACってやつかー!扱いとしてはオーディオI/Fと殆ど変わらないなー!違いってあるのかなー!
とワクワクしながら開封設置。
そう、今一度大事な目的を再確認する。

☆求めているのは「変化を感じる事」で、良し悪しは二の次☆

私は素人かつ耳の経験値も著しく低い。
正直、購入検討中にいろんなサイトや掲示板やらSNSやら動画やらを見てたら、このオーディオの界隈全域がそうだったんだけど、
「とにかく口が悪く、比較対象使用者の人格否定と感性否定が日常茶飯事で、素人質問しようものなら命を奪うまで殴り続ける人達しかおらず、他者はまず攻撃対象とする」
のが怖すぎて何度も心が折れそうになった。
私が良く見ているゲーム実況界隈とかでも、大体暴言とか荒々しいやりとりなんてのはいっぱい見てきたけど、オーディオ界隈の治安の悪さは群を抜いて怖いと感じた。すごいよ、なんでこの人達当たり前のように公衆の面前で人を殴れるんだ…

話がそれた。
私が求めているのは「わかりやすい変化」(横)であって「上下の優劣」(縦)ではない。だって良い悪いの基準持ってないからわからんのだし。結果優劣があったとしても、それは変化の一環である。
で、比較のために数値やなんやらのデータを見て、「全然わかんないけど数値がデカい方が強そう」くらいの感想で見てたら、一個気になってしまうことが出てきた。

☆オーディオインターフェイスはDACチップを公表していない☆

話を見ていると、こういった音を取り込んで出す機材はどうやらDACチップの違いによって音の変化や優劣が決まるらしい。(この辺も人によって変わる派と変わらない派で千年戦争してた)
ほほー、PC直刺しがクソ音質なのはマザボのDACチップが弱いからかー、と一定の学びを得た後にminifuseを調べたところ…
minifuseのDACチップがわからない!というか、オーディオインターフェイスのDACチップを公表しているところが無い!
すっごい困った。もう一発目から出鼻くじかれた。エントリークラスで明確にDACチップを公表しているのはMOTUのM2と、ApogeeのBOOMくらいだった。
あとは海外のRedditまで見に行ったけど、ユーザーが自己調査したAI/Fに搭載されたDACチップの型番は大量に出てきたけど、minifuseは載ってなかった。
もうこうなると本当に素人の自分の感性に依るしかない。名前やブランドに頼ることが出来なくなった。
しゃーない。
気を取り直して聞いてみよう。使用するヘッドホンはAKGのK702と、中華ヘッドホンFIFINEのH8。
果たして素人耳に違いって感じられるのかな?

結果:聞き比べてみたけど…

聞いた音源はyoutubeと、わざわざこのためにyoutube premiumに加入してyoutubemusic premiumの方の高音質設定で聞いた音。大体若干古い洋楽やアンビエント系が中心。
で、あくまで普通の状態で聞き比べたいので、ぼやーっと適当に垂れ流しながらヘッドホン差し替えたりして聞いてたけど…

☆違いが殆どわかんない☆

いや。
ちゃんと言います。それが正しいかどうかはわかりませんが、
「違いは感じました」
が、
「良し聞くぞ!」って構えて聞いたら
あれ?こっちこんな感じじゃない?っていうレベルで感じたけど、普段のぼやーっとしてる状態で聞いてる分には、違いはあるけど正直誤差じゃない?って感じでした。でも一応、誤差でも感じられる範囲ではあったかなぁ、という感覚です。
で、私が感じた部分は、

  • minifuseと比べてK11の方がクリア感や、明瞭さがある。特に、曲の途中で音が引っ込むところとかで、音がすっきり引っ込むし出てきた時もすっきりと出てくる印象を感じる。言葉で表すと、クリア度の違い音の瞬発力が違う気がする

  • K11の方が音一つ一つにパワーとキャラクターを感じられる。minifuseの方は全体としてのキャラクターが纏まってる。

  • minifuseの方は、こもるとかそうゆうんじゃないけど、音と音の間になんかいる。不快な存在ではないけどなんかいる。変な空気がある、みたいな感じ。ソーシャルディスタンスは守ってんだけどなんか変な空気流れてる、音が何かよくわからない空気をまとってる感じ。

  • minifuseより、K11の方が開放型のヘッドホンをより開放型にしてくれる感触を覚えた。K11と比べるとminifuseの方はK702なのに密閉型寄りの聞こえ方を覚えた。明確に優劣付けるとしたらそこくらい。K11の方がヘッドホンのタイプを活かしてくれるけど、minifuseの方はヘッドホンの特徴が薄まる感覚。特徴を削るという意味では、ある意味フラットと言えなくもないけど、どっちかと言えばminifuseは特徴を損なう感覚。

といった程度の比較。
もう、誤差です、誤差。
※個人の感想です
ってつけとけば何言っても許されるくらいの環境じゃないと言えないレベル。
ただ求めていた「なんかしらの変化」は感じられることが出来ました。もちろん気のせい、勘違いの可能性が非常に高いですが。

☆minifuse側にも出力について確実な優位箇所がある☆

minifuseの方を下にしたような感想になりましたが、一個明確に確実にminifuseの方が上回っている部分があって、それは音質というより機能についてなんですが、これはminifuseの特徴なのかそれともオーディオインターフェイス全体の特徴なのかがわからないのですが、
「minifuseは前面のヘッドホンと背面のスピーカー出力で、同時出力が出来る」
地味ですが、割と私の環境的にはめっちゃ便利でした。
いつまでもヘッドホンつけてるわけじゃなくて、たまに外して休憩したい時とかにもそのまま外して音は聞こえるので。
K11は、ヘッドホンとラインアウトの切り替え操作をしないといけない、そこに若干の手間があります。気にならないと言えばならないですけど。便利であることには間違いないので。

結局どっち買った方が良いかの個人的な結論:

☆同じエントリークラスとしてみた場合、音はK11の方が良いと思う☆

ただ、買って聞き比べて初めて「あー違うんだー」と感じたことなんで、聞き比べなければ気になることもなかった些細な事柄、だという事はすでに定番系のオーディオインターフェイスを持っている聞き専が音質向上のために購入必須というわけではない、と考えます。
ただ、マイクはオーディオインターフェイスで、ヘッドホンやスピーカーはDACで、という二刀流も結構いるらしいので、本当に突き詰めたい場合は両方持っておくのが良いと思います。正直、エントリータイプのオーディオインターフェイスよりは段違いというほどではないですが、聞ける音に明らかな「差」はあります。

配信活動等に重きを置いていない。
配信はするけどUSBマイクも最近は高性能だし、マイクはそっちで賄う。
むしろ自分のプレイ環境を満足いくものにしたい!
といった場合はUSB-DACの方を選んで、同じく良いヘッドホン、良いスピーカーを用意した方がいいと思います。
ただ、据え置きで比べた結果、USB-DACの方がエントリーからして若干高いし、ドングルとかもあって選択肢が多すぎるので初導入はめちゃくちゃ迷います。その分、DACチップ肯定派であればDACチップを変える選択肢があるので、選ぶ楽しさはあると思います。

☆利便性だとminifuseの方が良かったです☆

配信活動したい!少しでも良いマイクで美声を届けたい!あとついでに良い音も聞きたい!ていうかプロになりたい!私のすべてを叶えなさい!
って感じなら、オーディオインターフェイスを買った方が利便性で上回ります。
逆に、出音については所謂スペックの公表など少なく、耳に入る音に対する「根拠」が薄いので、自分の感覚以外に拠り所がなくなり、自分に全責任が降りかかります。
種類自体が少ないので選択肢が狭まってて選びやすくて良いのですが、その分「高いけど環境アップグレードにはこれ買うしかない」っていう選択肢の狭さもあります。
あと、根底にあるのはクリエイティブ用途なので、配信活動だけに用いるとちょっともったいないというか、過剰用途になる可能性もあります。


☆私の選択は…☆

聴くのはK11にヘッドホンとスピーカーで、マイクはminifuseに繋げます。
単純に、K11で聞いた時の「クリアな感覚」「音の出入りの明瞭さと」が好ましかったので。
そういった面では、私にとってはK11の音質の方が良い音質、という捉え方となりました。


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