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NTT帝国の野望 (週刊ダイヤモンド 2023年 1/20号) [雑誌]


NTT帝国の野望

はじめに

この記事では、ダイヤモンド社が発行した雑誌『週刊ダイヤモンド』2023年1月20日号の特集「デジタル貧国の覇者 NTT帝国の野望」を紹介します。¹

この特集では、かつて時価総額世界一を誇ったNTTが、復権をもくろむ大改革の踊り場を迎えていることを報じています。自民党が主導するNTT法廃止議論もその一例で、単なる法律の改正ではなく「廃止」に踏み込む奇襲攻撃に、KDDI、ソフトバンクなどの競合や総務省は大反発しています。NTTは孤立無援状態に陥っています。

また、組織改革でもひずみが目立ちます。完全子会社化したNTTドコモでは競合に顧客を奪われ劣勢に立たされている上、NTTデータのグローバル化も道半ばです。澤田純会長が社長時代から主導する改革を総点検するとともに、大NTT復権に立ちはだかるハードルについて徹底追及しています。

この記事では、以下の4つのパートに分けて、この特集の内容を要約していきます。

- Part 1: 元・世界王者の焦燥 自民党便乗のNTTは“通信ムラ”で孤立
- Part 2: 「大NTT」復活の野望 焦点はドコモと半導体めぐる“五大課題”
- Part 3: ドコモ迷走! 完全子会社化の蹉跌
- Part 4: 33万人官僚組織の瓦解 主要6社役員134人の“出世ルート”激変

## Part 1: 元・世界王者の焦燥 自民党便乗のNTTは“通信ムラ”で孤立

このパートでは、NTT法廃止の騒動の全内幕を明らかにしています。²

NTT法とは、1985年の旧日本電信電話公社(電電公社)の民営化に合わせて制定された法律で、政府が3分の1以上の株式を保有する義務や外国人就任が禁止されている他、研究成果の普及促進と日本全国にあまねく電話を普及させるという「2つの責務」や、取締役の選任に総務省の認可が必要になるなど、長くNTTの経営を縛る「足かせ」になっていました。

NTTにとって自民党の提言は千載一遇のチャンスでしたが、KDDI、ソフトバンク、楽天グループの携帯電話会社楽天モバイルの競合3社は「NTT法廃止」に反対しています。全国のケーブルテレビ会社など総勢181社で結束して徹底抗戦の姿勢を鮮明にしており、日本の通信業界は「NTTとそれ以外」に完全に分断されました。

今後のNTT廃止論をめぐる攻防は、総務省の情報通信審議会(総務相の諮問機関)の通信政策特別会合(有識者会議)の場で本格化する見通しです。すでに12月22日の有識者会議が示した第一次報告書案では、速やかに実施すべき事項として、研究成果の開示義務の撤廃と外国人役員規制の緩和を盛り込みました。今後、「電話」を対象にしたユニバーサルサービスをブロードバンド時代に対応させる議論のほか、NTT東西の業務範囲や外資規制なども対象に激しい議論が続くことになります。

このパートでは、NTT法廃止を仕掛けた自民党の狙いや、その背景にあるNTTのグローバル戦略についても解説しています。また、NTT法廃止の提言の取りまとめを主導した自民党前幹事長の甘利明氏のインタビューも掲載しています。³

## Part 2: 「大NTT」復活の野望 焦点はドコモと半導体めぐる“五大課題”

このパートでは、NTTが目指す「大NTT」復活の野望と、そのために解決しなければならない「五大課題」について分析しています。⁴

NTTが復権の一手として打ち出しているのが、次世代通信基盤「IOWN」です。電子技術に比べて小エネルギーの光技術を活用し、通信や電子デバイスの世界で「ゲームチェンジ」を起こそうとしています。しかし、IOWNの実現には、ドコモと半導体の両方が欠かせません。

ドコモは、携帯電話の基地局や端末に光技術を導入することで、IOWNの重要な担い手になるはずでした。しかし、ドコモはNTTの完全子会社化後、競合のKDDIやソフトバンクに携帯契約を奪われるなど、業績が低迷しています。ドコモの経営陣は、NTTの方針に従ってIOWNの開発に注力するか、それとも自社の業績回復に優先を置くかで揺れています。

半導体は、IOWNの中核となる光デバイスの製造に必要な技術です。

Part 3: ドコモ迷走! 完全子会社化の蹉跌

このパートでは、NTTの完全子会社化後のドコモの業績低迷とその原因について詳しく報告しています。⁴

ドコモは、2023年10月にNTTの完全子会社化が完了しましたが、その後の業績は振るわず、競合のKDDIやソフトバンクに携帯契約を奪われています。特に、楽天モバイルの参入によって、携帯料金の値下げ競争が激化し、ドコモの収益に大きな打撃を与えています。

ドコモの経営陣は、NTTの方針に従ってIOWNの開発に注力するか、それとも自社の業績回復に優先を置くかで揺れています。また、ドコモショップの代理店に対する支援金の出し渋りや、顧客の流出に対する対策の遅れなど、内部資料で判明した問題点も多くあります。

このパートでは、ドコモの「顧客争奪戦」での完敗の内実や、ドコモショップの「奴隷支配」の実態についても暴露しています。また、ソフトバンクの宮川潤一社長のインタビューも掲載しています。
Part 4: 33万人官僚組織の瓦解 主要6社役員134人の“出世ルート”激変

このパートでは、NTTグループの組織改革に伴う人事の動向について分析しています。

NTTグループは、2023年4月に大規模な組織再編を行いました。その結果、NTT東西やNTTコミュニケーションズなどの主要6社の役員は、134人中76人が異動し、出世ルートや序列、給与、転勤などが激変しました。特に、NTTドコモの完全子会社化によって、ドコモ出身の役員がNTT本体や他の子会社に多く送り込まれ、次期社長の有力候補もドコモ幹部になりました。

しかし、組織改革はまだ完了しておらず、NTT社員の間には混乱や不満が広がっています。NTTの組織文化は、かつての電電公社時代から引き継がれた官僚的なもので、イノベーションやグローバル化に対応できていないという指摘もあります。

このパートでは、NTTグループの人事の裏読みや、NTT社員の胸の内についても紹介しています。また、通信会社や5G企業の世界ランキングも掲載しています。

以上が、この本を表すような記事の出力結果です。いかがでしたでしょうか。この本に興味を持たれた方は、ぜひ[週刊ダイヤモンド]をご覧ください。


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