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📙 book review

『筑駒の研究』小林哲夫


教養関係の本を読み過ぎて頭が疲れているので、ちょっと箸休めに読んでみました。部外者として見る筑駒については、まあ5割くらいが多分こんな感じで、5割くらいがもうちょっとキチンと調べた方が良いんじゃないかという感じでした。

本書に関するJBpressの著書インタビューで、以下のようなくだりがあるのですが、筑駒と麻布はかなり違うと思いますね。
「Q  麻布中学・麻布高等学校も自由闊達な校風の進学校で、なおかつ男子校です。筑駒と麻布には、どのような違いがあるのでしょうか。
A  筑駒と麻布では、生徒の気質にそれほど大きな違いはありません。むしろ、開成と比較するほうが違いが際立って面白いかもしれません。」

麻布は自由というより混沌と言った方が良いような気がします。少なくとも半世紀ほど昔は。麻布に比べると筑駒は粒が揃っているので、混沌という感じではなかったように思いますが。
麻布の場合はいきなり無重力空間に放り出されるような感じで、信じられないくらいの天才も、どうしてこれで合格できたんだろうというレベルの人もいて、まあどのように判断したら良いか分からんという感じでした。結構、裏社会の匂いのする人もいましたしね(苦笑)。

「筑駒の研究」は、筑波大学附属駒場中・高等学校(筑駒)の教育方法とその歴史に焦点を当てた作品です。著者は、OBや元教員、現校長に至るまで約100人の証言を基に、筑駒がどのようにしてその抜群の東大合格率と自由闊達な校風を築き上げたのかを探ります。本書は、筑駒の新しい潮流、自由闊達の正体、燃える三大行事、部活動、教駒・筑駒史、天才か秀才か、校風を教えてくれるOBたち、筑駒はどこへいくのかという章立てで構成されています。

評価:
小林哲夫氏は、筑駒の教育システムが生み出す卒業生たちの多様性と成功を詳細に分析しています。本書は、教育における自由と厳格さのバランスを探る一助となり、教育者や学生、教育に関心のある読者にとって有益な洞察を提供します。ただし、中学期の記述が少ないとの指摘もあり⁴、より包括的な研究を求める声も存在します。

感想とオススメの理由
この本は、日本の教育システムに新たな視点を提供し、特にトップ校の教育方法に興味がある方には特に推奨します。筑駒の成功の背景にある教育哲学と実践は、他の学校システムにも示唆に富むものです。読者は、筑駒がいかにして卓越した成果を出し続けることができるのか、その秘密に迫ることができるでしょう。

総評
「筑駒の研究」は、日本の教育システムにおける一つのモデルとして、筑駒の事例を深く掘り下げた作品です。教育に関する議論を深めたいと考えている方には、この本を手に取る価値があるでしょう。教育の未来を考える上で、参考になる一冊です。

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