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📈2024/05/21 モーサテ🇯🇵🇺🇸 セルインメイの効果 📈

「セル・イン・メイ(Sell in May)」とは、株式市場における有名な格言で、「5月に売って、9月まで市場から離れろ」という意味です。この格言は、特に米国の株式市場において、5月から9月の間は株価のパフォーマンスが低下する傾向があるという経験則に基づいています。しかし、この格言が実際に有効かどうかは、長期的なデータ分析を通じて検証する必要があります。

米国株における「セル・イン・メイ」の効果

米国株式市場では、「セル・イン・メイ」の格言が比較的よく知られており、多くの投資家がこの時期に株式市場から手を引くことを検討します。実際に、S&P500指数の1996年から2024年までの約28年間のデータを分析すると、10月から5月までの期間に投資を行い、6月から9月までは市場から撤退する投資戦略を採用した場合、累積リターンは864%、年率で10.20%となり、通年運用した場合の累積リターン720%、年率9.43%を上回る結果が得られました¹。

日本株における「セル・イン・メイ」の効果

日本株式市場においても、「セル・イン・メイ」の格言が通用するかどうかが議論されています。TOPIX指数を用いた同様の分析では、10月から5月までの期間に投資を行い、6月から9月までは市場から撤退する戦略を採用した場合、累積リターンは161%、年率で4.19%となり、通年運用した場合の累積リターン70%、年率2.31%を大きく上回るパフォーマンスが得られました¹。

「セル・イン・メイ」の背景と理由

「セル・イン・メイ」の背景には、特定の季節における市場の動向や投資家の行動パターンが関係していると考えられます。例えば、米国では夏季休暇前のポジション調整や、個人の確定申告後の税還付金の流入が一巡することが挙げられます。日本では、夏場のお盆休みによる市場参加者の減少が「夏枯れ相場」を引き起こす要因となっています。

投資戦略としての「セル・イン・メイ」

投資戦略として「セル・イン・メイ」を採用する場合、市場の長期的な動向を理解し、自身の投資目標やリスク許容度に合わせて慎重に検討する必要があります。また、この格言はあくまで経験則に基づくものであり、毎年同じパターンが繰り返されるとは限らないため、他のファンダメンタルズ分析やテクニカル分析と併用することが推奨されます。

結論

「セル・イン・メイ」は、過去のデータに基づくと、特に米国株式市場において有効な戦略である可能性が示されています。しかし、日本株式市場においても一定の効果が見られることから、市場の季節的な動向を理解し、それを投資戦略に取り入れることは有益であると言えるでしょう。ただし、これはあくまで一つのアノマリーであり、市場の予測不可能性を完全に排除するものではありません。投資家は、自身の投資スタイルや市場の現状を踏まえた上で、適切な判断を下すことが重要です



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