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半導体戦争 世界最重要テクノロジーをめぐる国家間の攻防

【書評】
半導体戦争 世界最重要テクノロジーをめぐる国家間の攻防

半導体は、自動車や家電だけでなく、ロケットやミサイルにも使われる、原油を超える「世界最重要資源」だと言われています。しかし、その歴史や仕組み、国家間の攻防は、一般の人にはなかなか理解しにくいものです。本書は、気鋭の経済史家であるクリス・ミラー氏が、半導体の誕生から現在までの変遷と、米中対立の新側面を鮮やかに解き明かした一冊です。

本書の特徴は、技術的な説明だけでなく、政治や軍事、経済などの視点から、半導体産業の発展と国家の戦略を包括的に分析していることです。半導体は、計算能力を高めることで、科学技術の進歩や国防力の強化に貢献してきました。しかし、その一方で、半導体の製造や供給には、膨大な資金や人材、設備が必要であり、国際的な協力や競争が不可欠でした。本書では、半導体の歴史を、米ソ、日米、米中という三つの時代に分けて、各国の役割や関係を詳細に追っています。

本書のもう一つの特徴は、半導体のキーコンセプトを5つに絞って、わかりやすく説明していることです。それらは、以下の通りです。

- トランジスタ:半導体の基本的な構成要素で、電流のオンオフを制御するスイッチの役割を果たす。
- 集積回路:トランジスタや抵抗などの電子部品を一つのチップに集積したもので、小型化や高性能化に貢献する。
- リソグラフィ:集積回路の製造工程の一つで、光や電子線などを使って、チップの表面に回路の模様を描く技術。
- ファブ:集積回路の製造工場のことで、高度な技術と巨額の投資が必要な施設。
- ファブレス:集積回路の設計だけを行い、製造は外部のファブに委託する企業のことで、コストやリスクを低減する戦略。

これらのキーコンセプトを理解することで、半導体の仕組みや業界の構造、国家の戦略がより明確になります。本書は、ビジネスマンにとっても、半導体の重要性や動向を把握するのに役立つ一冊だと言えるでしょう。

本書を読んで、半導体の歴史や現状について深く知ることができました。半導体は、今後も世界の科学技術や経済や政治に大きな影響を与えるでしょう。本書は、半導体の未来を考える上での必読書だと思います。

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