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キタダヒロヒコ詩歌集 152 10代の頃の詩より② 昭和五十九年の歌



昭和五十九年の歌    キタダヒロヒコ



眼球は
天をめざして舞いあがるよ
桜吹雪の混沌(カオス)のなかから
解き放たれて
わき目もふらず翔んでゆくきみよ
なにをみた
Z旗の夢か
それとも
おさない記憶の
過ぎ去りし日々の幻燈
(すぎ去りし恐怖をやさしく帯びて)
皇国の興廃此の一戦にあり
各員一層奮励努力せよ
つかのまの幻燈に見たか
このなつかしいすべて 一瞬になくしてしまうこと
なくしてしまってはじめてきみは
きみが今までここに居たことを知り
おっことした涙

だいすきだった海につながれば おお
Z旗はきみのためにひるがえれよ
と ぼくはうたうが

きみがみた幻燈は
若者の街渋谷パルコの前か
皇居前広場かどこかそんなところで
けばけばしいファッションで踊り狂っている
思えば ああ
いと疾きこの年月
今日も右翼の宣伝カーが
遠くの方でなんだか鳴っているぜ





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