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京都市長選2024年2月レポート【北陸の選挙ウォッチャー】

1月21日告示、2月4日投開票で京都市長選挙が行われました。
僕は1月27日、28日の2日間京都に入り取材をしてきました。
この選挙、僕は個人的にとても注目していて、福山和人さんを4年前の選挙の時以来ずっと推しています。もし福山さんが当選し京都の政治が変わればこの流れは日本中に広がり、全国で政治がよくなるのではと思い、立候補表明をしてから何度か京都に入っていました。

ロックコンサートの思い出

フジロックフェスティバル

僕は高校・大学時代にロックにはまりました。時々地元の富山で行われるロックコンサートによく行ったものです。
会場が熱気あふれる満員の会場でのコンサートや中には1000人の会場に100人ほどしか客のいないコンサートもありました。
満員の会場でのコンサートは、当然そこそこ人気のあるバンドだったりするので、会場は自然に盛り上がり、すぐに爆発するかのようなすごい拍手に客席は包まれるのです。
それに比べ、客席に空席の目立つコンサートは客が逆に気を使って、盛り上げなきゃいけないという気持ちになり、無理やり腕を振り上げたり、飛んだり、大きな声で叫んだりと、なんか疲労感だけ溜まる不自然な盛り上がりになることがあります。
ガラガラの会場でのコンサートもよかったりするのですが、この年になると満員の客席で楽しむコンサートのほうが楽しいにきまっています。

2024年の立候補者

今回の市長選は門川市長の引退により新人5人の争いとなりました。門川市長の後継候補の松井候補に4人の新人が挑む構図となっています。
政党支持率の組み合わせだけで考えれば松井候補の圧勝となるのですが、市民目線のあたたかい政策を掲げてたたかう福山和人さんに期待する声も多く、接戦が予想されました。
また当初は維新の推薦で立候補予定だった村山候補が優勢とも伝えられていましたが、選挙前にパーティー券の空売りが発覚し、お金の問題の多い維新にさえ切られて当選の可能性は消滅いたしました。
また元自民党の府議から市長選に立候補した二之湯候補は政党の後ろ盾もなく厳しいたたかいになることは予想されていました。自民党が松井候補の推薦を決めたことで辞退することも考えられましたが、周囲の反対を押し切り立候補することになりました。
高家候補は全く選挙活動をしている形跡もなく、当選は無理だと思われます。
実質上の、松井候補と福山和人さんの一騎打ちと考えていいと思います。

松井 孝治 63 新人 無所属(自民・公明・立憲・国民推薦、大学教授)
福山 和人 62 新人 無所属(共産・れいわ支持、弁護士)
村山 祥栄 45 新人 無所属(元市議)
二之湯真士 44 新人 無所属(元府議)
高家 悠  35 新人 平安保守党(事業家)

政党の組み合わせのみで考えるのであれば、今回の選挙は「自民・立憲・公明vs共産・れいわ」のたたかいで、組織力をみると松井候補がその組織力を活かして圧勝するものと予想されます。

2022年参院選比例票
自民・立憲・公明・国民:286,647票
共産・れいわ:97,132票
維新:129,061票

福山和人さんが勝つとしたら、共産・れいわの支持層の票を確実に集めて、支持の割れている立憲票、無党派層に大きく食い込むことが必要になります。

2024年選挙結果

当選 松井 孝治 63 177,454票
-------------------
   福山 和人 62  161,203票
   村山 祥栄 45    72,613票
   二之湯真士 44    54,430票
   高家 悠  35      2,316票

組織力を活かして松井孝治候補が当選を決めました。
福山和人さんは4年前の雪辱を果たすことができませんでした。
福山さんは、無党派層、30代、女性の有権者での得票率は松井候補を上回りましたが、16,000票差で敗れました。
松井候補に当確が出た時は一瞬目の前が真っ暗になりましたが、負けることに慣れているせいか暫くしてからは次へと頭を切り替えることができました。

なぜ敗れたのか?明日の勝利のために

僕は1月27日は福山和人さんの選挙事務所でビラ折りなどを手伝い、28日は街頭演説を聞きに街中へ出かけました。
選挙運動は、電話掛け、街中でのスタンディング、練り歩き、ポスティング、街頭演説と特に目新しいこともありませんでしたが、ボランティアの数は4年前よりも多いように感じました。
街頭演説での盛り上がり、聴衆の数、SNSでの発信数も確実に前回よりも上回り支持者の中にも勢いはあったと思います。
僕の現場にいた感想は、「十分勝てる可能性がある」。福山陣営に勢いもあり、松井候補の陣営は恐怖を感じていたと思います。
そして福山さんの選挙事務所や街宣の現場、SNSで時々見かけたのは、ヒッピーの格好をした支持者、着ぐるみでの宣伝活動。

選挙期間中に「話題」になった着ぐるみ(Xより)

またボランティアの一部からは、「俺は福山さんの為ではなくて自分自身のために手伝っている」「俺は〇本〇郎を尊敬しているから手伝っている」という声も聞こえました。
選挙ボランティアをするのに理由はどうでもいいですが、なぜ福山さんの選挙事務所に来て「自分」を語ろうとするのか?
着ぐるみにしても、「自分」語りにしても、外に対して壁を作るだけで、福山陣営の盛り上がりが外に対して拡大することを阻む障害でしかないように思います。

アイドルコンサートで盛り上がるオタク

アイドルのコンサートでオタクがペンライトを左右に振り回して盛り上がっている映像を見たことがありますが、どんなにオタクの人たちが盛り上がっても普通に落ち着いて見ている人との壁がドンドン高くなるだけです。逆に普通に見ている聴衆の方は、一緒にしてほしくないと思ってイベントを見ていると思います。
この一部の盛り上がりは拡大することはありません。
なぜか?彼らは自分自身のために盛り上がっているからです。「こんなに盛り上がっているオレを見て!」という気持ちで踊っているから、会場全体を盛り上げようという気持なんか元々ありません。加えてみんなで盛り上がれないことは明白です。
みんなで盛り上がり、その盛り上がりを大きくするのは、無理をしない、自我を出さない、自然な盛り上がりでなければならないのです。

盛り上がる大型会場でのコンサート

選挙運動は外の有権者に対して行うものです。その陣営の盛り上がりをどのように有権者に伝え、共感し、政策に関心を持ってもらい、そして投票行動に結び付ける運動です。
その運動に内輪の盛り上がりはマイナス要素でしかありません。内輪の盛り上がりは、外との間に壁を作り、候補者の訴えや人柄が広がることを阻害するのです。

福山和人さんの政策

福山和人さんの政策である「すぐやるパッケージ」は市民にやさしい、本当に素晴らしいものばかりです。これが実現したら救われる市民も多く、京都に住みたい、住み続けたいと思う方々も多いと思います。

しかし内輪の盛り上がりが邪魔をして、その政策に有権者の関心が届かなくなっていたのではないでしょうか?
どんなに素晴らしい商品でもセールスマンの身なり、話し方、人柄などが酷ければ話を聞く気にもなりません。良い商品を売るためには売る人こそが大切なのです。
僕の本業は会社員で営業職をしています。初めてお客さんに会う時は、身なり、話し方、資料など、自分自身に対して気を遣います。
福山さんの支持者は、京都の今と未来のことを真剣に考え、本気で当選してほしいと熱い気持ちで応援されていた方が多いです。
僕もその一人です。
何度か京都に行くときは、福山さんのように頭を剃って応援に行っていました。
自分自身にも言えることですが、熱くなりすぎて有権者のことを考えなかったように反省しています。選挙では冷静に熱くなることが大切ではないでしょうか?
冷静さを失ったとき、僕のように頭を剃ってしまったり、着ぐるみを被ってしまったり、これをやったらうけるんじゃないかという間違った運動を展開してしまうのではないでしょうか?
「冷静に熱くなる」
選挙の運動員、ボランティアはこの言葉を頭に置いて、推し候補の勝利のために頑張ってほしいと思います。

選挙ウォッチャーの考察と今後の予定

京都市長選は本当に残念な結果に終わりました。
しかし選挙は続きます。
北陸地方では3月24日投開票でかほく市長選挙が行われます。
能登半島の付け根にある石川県の小さな市です。
当初は無投票で決まると言われていましたが、女性市議が無投票阻止ということで立候補を表明しました。
直近ではこの選挙を取材したいと思います。
能登半島地震直後の石川県内で初めて行われる選挙、どうなるのか興味あります。
4月のかほく市長選 新人出馬表明で20年ぶりの選挙戦の公算|日テレNEWS NNN (ntv.co.jp)








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