第53話 アリストテレス 古代ギリシャの哲学者

古代ギリシャの最も優れた哲学者の一人が、アリストテレスである。
彼はソクラテスの弟子のプラトンの弟子であった。古代ギリシャの
三賢者と言えるほど、西洋哲学の祖としてその名を残した。

現代では、哲学を学ぶ事は非常に難しいものであるが、古代ギリシャの
ような昔では、今とは全く異なる感性を持っていた。現代のように便利
なものは無く、人が何に対して情熱を注げるかは、多くは無かったからだ。

その為、ソクラテスのような哲学者が生まれた。思考に熱い想いを馳せる事が出来た時代だったからだとも言えるが、彼らの素晴らしい思想は、今も尚、生き続けている。それは人間の根本的なモノは、変わっていないからとも言える。

私の理論でも、文明は進化を果たしているが、人間の進化は無いものだ。と言う理論を打ち出したのは彼らの存在も関係している。彼らが生きた時代から約2400年ほど経つが、人は何も学ばす、可能な事なら自己満足の為だけに
多くの動植物を絶滅させてきた。そんな世界は人間の世界だけである。自然を破壊しているとも言えるのは、人間以外の世界では快楽のためだけに、殺すような動植物はいないからだ。彼らは生きる為に多くの進化を遂げて、自然界で通用する生き方をその身を捧げて、進化を果たした。

しかし、人間は同じ事を繰り返すばかりである。状況次第で突然、前触れも無いまま世界が変わるのは人間の世界だけであって、人は自然や動植物など直接絶滅させたり、自然界の均衡を崩して、それから派生する多くの生あるモノたちを絶滅させてきた。

今でも尚、お金になるからという理由で、動物などを殺して象ならば牙だけを削り取り、その大きな体は捨てるだけである。どんな生き物でもしない事をするのは人間だけであり、そのような人間たちは昔も今も存在し続けている。人間社会に於いて、難しい所だが、無慈悲な習慣は完全には消えてはいないが、消えつつある。しかし、それも世界の状況次第では再び広がるものでもあるのが現実だ。

今のように複雑な時代でも、彼らの言葉は正しいモノが多く、長い時空を経て、今でも通用するのは彼らは何よりも人間をより知り、人間社会というものを既に理解していたからだと言えるだろう。

私はそう言った意味では、人間は退化を経て、今現在も誰も彼らの言葉の意味を真には理解していないのではないだろうかと考える。

難しい問題だと言うのは重々承知だが、今よりも残酷な時代に於いても彼らは自分の考え抜いた事の正しさを最後まで信じていた。その力は途轍もないほどのものであったが、彼らは信念を貫いて死んだ。

現代に於いて、彼らの正しい意見を実行せず、理由づけて逃げている。
ベンジャミン・フランクリンも言っていたが、日常生活の中で、強い信念を以て生きれば、心の強い人になり、勇気を持って生きれば勇敢になれる等と
言うような事を言っている。彼の場合は、それを習慣として生きれば、自ずと、それは身についていき、正しい心を持った人間になれると言っている。

我々は個の人間であるが、世界を変えるのも、また個から始まるものであって、その思想を人々に理解してもらうには膨大な時間と、精神力が必要になる。

彼らもまた古代ギリシャの三賢者の言葉を実践し、成功を果たした。文字で書けばすぐに終わる話ではあるが、現実では長く苦しい時間の中で、英断的決断を下して、多くの犠牲を払い生きた。

我々に足りないモノは多い。しかし、時代の変わり目である今こそ立ち上がるべきだと私は思う。

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