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神々の戦いの行方 最初の星ができた理由

神にはそれぞれに対して、神が存在する。
その神の中の「創造主の神」が己の血から
人間や動植物を創って、天に楽園を創り、
そこで暮らすよう言いつけた。

楽園の主となる人間は自分を含める神々に
似た姿にした。それに対して、よく思わない
神々もいた。

しかし、創造の神は血を分け与え、更なる
力である自己創造の力を与えて、男と女が
一つになる事で、自分たちでも人間を創る
事が出来るようにした。

それまでは我慢していた反対派の神々は
創造の神に対して、追放するべきだと
主張した。

しかし、創造の神の味方もいて、人間は
あくまでも人間でしかないものであって、
我らに害する事は無いと主張し、何が問題
なのか? と反対する神々に尋ねた。

反対派の神々は我々に似た姿をしている
事も問題だが、この天は神々とこの地を
守る天使の居場所であって、他の新たな
命あるものを住まわせるべきでは無いと
主張した。

この事に関しては天界でも長い間、
討論されたが、結果として天界で戦う事に
なった。天界にいる神々は全ての力を
出し切れるため、この戦いは激化し、
己たちの全エネルギーを振るって戦った。

そして創造の神たちは、敗北した神々を
どうするか考え始めた。
今は力を使い果たして、これまでは天界に
も存在しなかった牢獄の中に長き眠りに
ついた状態で入れられていた。

しかし、再び力を取り戻した時に、神々
によって牢獄は破壊され、再び争いになる。
色々な意見が飛び交う中、力の神は言った。

「彼らをここに置くのは難しい。全く別の
異世界を創り、そこを棲み処として我々とは
違う世界で生きさせよう。元は仲間であった
神々故に、彼らを救おうとしようとする者が
出ないとは言い切れない」

その意見を聞いて、創造の神は答えた。

「異世界を創り、そこを棲み処とする事は
賛成だが、天界と異世界だけでは、彼らが
力を取り戻したら無理矢理破壊してでも
天界に来るだろう。異世界と異世界だけでは
違う世界であっても、厳密に言えば接触して
いる状態になるのだ」

力の神は言葉を失ったが、慈愛の神が問いかけた。

「つまりはその間にまた別の異世界を創れば
良いと言う事になるの?」

「事はそう単純では無いのだ。異世界と異世界は
厳密に言えば神の力が宿る世界になる。つまりは
我ら神々にとって天界では死が存在しないように、
永眠につくだけであって、ある程度のエネルギー
が再び戻れば目覚める事になる。そしてそれを
止める術は無いのだ」

慈愛の神は続けて尋ねた。

「それならば、天界と異世界の間に、人間の世界
を創るというのはどうでしょう? 人間たちは
楽園で暮らすには人数が多くなりすぎました。
この天界に直接来れないようにさせるとして、
もし、再び、我らと戦おうとしても戦場と
なるのは人間の世界になることになるのでは
ないでしょうか?」

創造の神は暫くの間、沈黙し、そして答えた。

「確かに人間は増えすぎた。そして慈愛の神の
言う通り、天界で戦った被害は甚大なものとなった。
それを人間界に創ることは可能であり、理論も
正しいものだと言える。癒しの神が眠りにつくほど
天界は激しい傷を負った以上、再び天界を戦地と
するのは慈愛の神の言う通り、起こしてはならない
事だと言えるだろう」

創造の神は何かある顔つきで話を切り出した。

「ただ一点、問題がある。私の力で異世界と人間界を
創る事は可能だ。しかし、どちらの世界にも神の力が
宿ることになるだろう。但し、絶対では無い問題が
3つある」

神々は3つの問題と言われ、怪訝な表情になった。

「1つ目は、異世界から天界に来る事は不可能では
無いことだ。人間界を完全に消し去ってしまえば、
密接状態になり、直接この天界に乗り込んで来る
だろう。そうなれば再びこの天界が戦場になる。
2つ目は、天界の楽園から人間界に移せば、永遠の
命も失い、神の力が宿る神の遺伝子は眠りにつく
事になる。しかし、天界と異世界が人間の世界と
繋がれば、神の遺伝子は眠りから起きる事になり、
人間界が主体となる世界に変わる点だ。
つまりは天界では我々の力は100%発揮できるが、
人間界では永続的にエネルギーが注がれる
この天界とは違い、その力は大幅に半減する事に
なる上に、エネルギーの供給はされなくなる」

賢者の神が問いかけてきた。

「反論した神々の棲み処となる異世界での問題点
となる点と、我々が人間界にその身を置くに当たり、
実際にはどのくらいが力の限界点になるのかね?」

「まず異世界での問題点となるのは、初めての事
なので断言は出来ないが、彼らは敗北した事により、
これまでは同族であった神々に対して、信仰を失った
形になると思われる。よって力の強さにもよるが、
姿は大きく変貌するものと思われる。特にそれほど
強くない者ほど、その姿は邪心に満ち溢れる事に
なると考えられる」

賢者の神は実に酷いと思いながらも、話を聞いていた。

「人間界に関しては、こちらも事例が無いので断言は
できないが、実体化を維持し続けるには、約50%の
力が限界になると思われる。それは異世界の者たち
も同様だと言える。人間の神の遺伝子も、最高で
50%が限界になる」

この発言に神々はどよめきを上げたが、賢者の神は
冷静に質問を続けた。

「では絶対では無いし、数も極々少数と思われるので、
敵にしなければ脅威にはならないと言うことになるな。
しかし問題にはなる。別の問題としてな。
我らの同族との戦いは避けられないと断言すべきだろう。
どちらが勝つか分からぬ程の激戦であった。
故に、人間界での戦いでは人間が戦いを左右しかねない」

自然の神は賢者の神の言葉に同調した。

「その通りです。神の高遺伝子を持つ人間が鍵となる
でしょう。しかし、神の遺伝子率は誰にも分からない
ので、どうなるにせよ賭けとなることでしょう」

力の神はその意見に口を挟んだ。

「仮に人間界に来たとしても、長期戦にならなければ
問題にはならないはず。短期戦で一気に片付けて、
再び異世界に入れてしまえば、また深い眠りにつかせる
事は可能なはず」

幸運の神もその意見に同意の意思を示した。

「運頼りにするのは必ず危険を伴います。力の神が言う
ように、早めに片付けるのが一番安泰かと思います」

創造の神は意見の一致が見られたので、話をまとめた。

「では異世界に牢獄に入れている彼らを移しましょう。
異世界と人間界を創るには、膨大なエネルギーを使う
事になるので、この天界であっても私は眠りにつく
事となるでしょう。それでは話した通りにします。
人間界は出来るだけ大きな星を創る事にします。
神々の戦いに耐えられる程度の大きさにはしますので、
戦いから人間が逃れる道も見つかるでしょう」


こうして天界での戦いは終わり、異世界に移された
神々の姿は原形に近いものであったが、下位の者たち
の姿は邪悪な心が芽生え、いつしか地獄と呼ばれるよう
になっていった。

そして千年の時を経て、再び人間界で戦いが始まりを見せた。

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