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西洋哲学の祖の一人プラトン

“親切にしなさい。
あなたが会う人はみんな、
厳しい闘いをしているのだから”


ソクラテスの弟子であり、
アリストテレスの師でもあった
古代ギリシャだけで無く西洋哲学
の始祖の一人として数えられる
三者のうちの一人であるプラトン
の言葉である。

哲学者と称されていたプラトンでは
あるが、哲学を知り、学ぶにあたり、
大半の人は、肩書に負けてしまう事はよくある。

世界中で有名な人だからと言う
安易な理由で、言葉そのものを
理解出来なくなる。

いつも言ってはいるが、人間はそもそも
間違いも犯すし、絶対的な人間などは
存在しないものが、人間である証拠とも言える。

言葉も同じで大抵の場合は意味深いものを
忍ばせている言葉が多い。

例えば、こんな言葉がある。
「職業でその人を見定めるのは
自らが無知だと証明しているに過ぎない」

どんな仕事をしていても、理由や好きだと
いう理由で仕事を選んでいる人もいるのに
対して、安易に人を評価するものではない
という言葉である。

この言葉は確かだと言える。実際、簡単な
仕事のように見えても、仕事のできる人は
どの世界にもいるものであるからだ。

コンビニやファミレス等でも、仕事が出来る
人はすぐに分かる。客相手の商売で忙しい
時などでも、客に対して好感度を感じさせる
店員は、仕事が出来る人間であるとともに、
賢さも伴うものである。

逆に、大手企業に勤めているからと言って、
仕事が出来るか、賢いかも分からない。
1対1で話せば5分もあれば、相手の底が
知れる人は大勢いる。

だから私は肩書で人を評価することはない。
自分も同様に、肩書だけでは無意味な仕事で
あるとともに、適当にすればボロが出やすい
仕事であるので、深々と考えながら、
個を連結させながら全体を把握していく。

答えを出した後、それが理論的に成立するのか
どうかを考える。矛盾が無いか、点と点が繋がり
そこから派生する事柄は正しいか間違いか等、
海のように、浅い場所は見えるが、深く潜れば
潜るほど、見えなくなる。

慣れていても、それなりに時間がかかるのは
大抵の場合は確認作業になる。

“親切にしなさい。
あなたが会う人はみんな、
厳しい闘いをしているのだから”

プラトンの言葉では、人間そのものを
しっかりと見ていると言える。

「親切にしなさい」まずここで言葉を
強めている時点で、後文に述べている
「厳しい闘いをしているのだから」
を強調していることが分かる。

そしてこの言葉は師であるソクラテスの
死後の言葉である事も分かる。

理由として言えるのは、彼の言葉は、
ソクラテス死後の30歳を越えてからは、
対話のようなものを執筆していたので、
この言葉は問いかけである言葉であるので
その点から見えてくる。

ソクラテスの死後、彼は哲学の追求と
政治との統合をしていくようになった。

そこにはおそらく、ソクラテスの死が大きく
関わっているようにも感じる。

ソクラテスは政治によるものから派生した
裁判的なもので死罪を言い渡されたからだ。

ソクラテスは自分で自分の弁護をした。
自分を殺す事はギリシャにとって大きな損失
となると言ったが、死罪になった。

その後、暫く経った後、ソクラテスを死罪に
追い込んだ市民や裁決を下した人々は、
ソクラテスを死に追いやった罪で全員殺された。

このように、人間とは実に愚かなもので、
それは今も変わる事は無い。

“親切にしなさい。
あなたが会う人はみんな、
厳しい闘いをしているのだから”

このプラトンの言葉はソクラテスの死により、
自分自身が厳しい闘いの最中にあった事を
裏付ける事になっている。

少し前にアインシュタインの言葉を書いたが、
彼も「体験して初めて知ることができる」と
言っていたように、この時のプラトンには
優しさや癒しの言葉や行為が必要だった
ことから生まれたものだと考えられる。

この言葉は苦しみの言葉であると同時に、
優しさや親切心を広げる人間性の必要さを
説いている。

今回はソクラテスの死に触れたが、
プラトンの心情を説明するために出すべき
だと思ったからだった。

私の持論でもある、
「文明は進化を続けるが、人間そのものは
成長しない生き物だ」

大昔から現在2024年まで多くの事は
変わらないまま続いている。

人種差別、独裁政権、明日をも心配する人々、
世界はまだまだ公平には程遠い位置にあるが、
それらの行為を否定するような言葉も伝え続け
られてきた。

これは、悲劇の終わりが無いことを意味するが、
それが間違いであることを信じて疑わない人々
の存在も意味付けられている。

弱き生き物は、生き残るために進化していった。
体の大きさや模様、木の上での生活等は、
命の危険から進化を遂げたものだった。

世界中の人間が危機的状況下になっても
人間は何処までいっても人間である事の哀しさ
を進撃の巨人でも書かれていたように、
人は公言したことでさえ、状況が変われば
一変する生き物である。

それは実に悲しい事ではあるが、それが
真実だ。

プラトンのこの言葉からもそれはうかがえる。

“親切にしなさい。
あなたが会う人はみんな、
厳しい闘いをしているのだから”


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