まぁるい、まぁるい、まんまるい
「ねえ、おかあさん。りーちゃんプリキュアになれるかな…」
と鏡をみつめて呟く娘。
お風呂上がりにぽっこりしたまるいお腹を触っている。
「どうしたの、急に。」と尋ねてみる。
「だってね、こんなにね、お腹ぽっこりしててね、ぽっぺも太っててね、髪もサラサラじゃなくて、全然プリキュアみたいじゃないんだもん。」
サンタさんから届いた「某プリキュア変身スティック」を振りながら、「変身が出来ない」と悲しみに暮れていたのだが、娘なりに変身出来ない理由を考えていたらしい。
結論は「太っているから」だという。
いや、待て娘よ…。
太っているのではないのよ。
幼児体型なのよ。
幼児体型の可愛さはどの年齢にも敵うまい…。
ぷっくらと柔らかいほっぺ、まあるく突き出したお腹、猫っ毛のフワフワした髪の毛。
「こんな可愛い子はここにしかいないんだけどなぁ」と抱きしめてみる。
「ちがうの」
求めていた答えではなかったようだ。ぐいっと力を入れて突き放してきた。
「わかった!きっとね、ドレスみたいなお洋服を着てね、お化粧してね、キラキラのなんか(アクセサリーだと思われる)付けてね、髪の毛をいっぱいいっぱい伸ばしてサラサラにしたらいいんだ!おかあさん!今度色々そういうの買ってね!」
えっ!🥺
急に現実的だし、なんか急に打算的だぞ?
分かっていないようで、分かっているし、分かっているようでわ分かってない。子どものそんなところがたまらなくかわいい。
「そのままで十分可愛い」と思っているのはその子の親近者だけであるのは事実で、それを鵜呑みに出来ないのも理解出来る。
私も、自分の祖母に「そのままで十分だ」と言われても、雑誌のモデルやタレントのようではない自分の容姿に自信が持てずにいたし、「自分ではない誰かになりたい時期」はあった。
「憧れ」を抱く事は若さの特権だと思う。
私自身も無理して自分に似合わない髪型や服装を散々してきたものだ。
大人びて容姿を気にかけるような発言をしている娘の成長を喜ぶべきとも思うが、「まだまだそんな事気にしなくていいのにな」が正直な本音だ。
年を重ねて思うのは、みんなに好まれる容姿よりも
その人らしい可愛らしさや美しさを感じるられた方が断然魅力的だという事。
その年齢に応じた魅力があるのだ。
誰かにはなれない。自分は自分にしか。
それを知るのも娘にとってはずっと先の事。
メイクをしなくても、痩せていなくても、おしゃれじゃなくても、私はあなたがずーっと可愛くて大好き。
それだけは忘れないでね。
まあるいお腹を愛でながら、そんな事を思った。
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