ミツコシ

英文和訳とか、短歌とか、洋楽

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最近の記事

押韻の快楽 / 短歌、Sufjan Stevens、など。

詩を美しくするものの要素はいくつかあるけれど、そのなかで韻は、その普遍性と、絶望的な翻訳不可能性(あるいは、不要性)ゆえに、ひとつ絶対的な位置を占めると思う。 「か」行の音のもつ、かたさ、きびしさ。「さ」行の音のもつ、さわやかさ、すずしさ、さむさ。 こういったものを私はいつも無条件に普遍的なものとして信用するし、多くの場合、モティーフそのものよりもはるかに信用する。 (言い換えれば、仮初めのシニフィアンの一特性をシニフィエより信用することができる、と言っていいんだろうか、)

    • 静止中心、短歌のこころ

      大学の授業でこの記述を目にしたときの、妙な愛おしさは、初めて感じる種類のものだった。私の「静止中心」への感情移入がそれくらい瞬間的なものだったということだろう。 周りがどんどん分裂して、分化して、何ものかになっていく中で、最奥に身を寄せ合って、じっとそのままの姿でいる「静止中心」。 それはこころの本質であった。こころの本質であると同時に、自我の本質であり、孤独の本質でもあった。 さらにこの部分の記述である。 静止中心は、すぐ隣の始原細胞に、そのままの姿でいるように働きかけ

      • Sufjan Stevens——"Should Have Known Better" 和訳と雑記

        はじめての投稿はこの曲にしました。Sufjan Stevensの好き曲は他にいくらでもあるけれど、これが一番思い出深いからです。何時間聴いても飽きることのない音楽のひとつです。はじめて聴いたのはたしか、2020年の冬だったはずだけれど、あのときの感触を今でも忘れることができないし、何度聴いても新しい音が耳朶を洗って流れゆくような錯覚をおぼえます。あまりの衝撃に、友人にURLを送りつけて聴いてもらったことを覚えています。「冷静に考えるまでもなくshould haveって切ないな

      押韻の快楽 / 短歌、Sufjan Stevens、など。