鉄の骨


池井戸潤作品、建設の談合に関する小説だ。
現状この談合が行われているかは
わからないが
正直これをしないと
業界全体が潰れてしまうと思うほど
建設業界は異常である。

そもそも談合とはオークション形式でやる
工事の受注者の決定を事前に話し合いで
決めており
形式上は落札するが
結果ありきであるというものだ。

この小説の中ではいくつかの
大手ゼネコンが関与しており
大型受注に対して
今回はうちにお願いしますと
まとめ役にお願いするわけだ。

そしてこの落札の金額は
ある程度決まっており
その額が役所から
伝わっていたりすれば官民談合になり
犯罪になる

談合を組んでいる一つの企業の
当面の資金繰りが厳しければ
目の前の工事はそこが受注する、

そのうちの一部がまとめ役に
振り込まれるというシステムだ。
このシステム自体は
よくないに決まっているが

現場を知っているのでそうも言えない。
営業が落札形式でとってくる
工事の金額は基本施主マターなので
いかれた金額であることもあるそうだ。
そりゃ、競争形式なら
金額はおかしくなる可能性もある。

施主は一円でも低ければ嬉しい
自分が施主でも同じことをするはずだ。
ただ現場としては明らかに限界がある。
金額は一円でも高ければありがたいし
納期の長いほど良い。

談合して一発でいい金額になるなら
当たり前にそっちのほうがいい。
これから2024年問題で残業ができなくなる。そこも踏まえる施主なんかいるわけがない。

突貫工事になってもいいんですか
なんて言葉は通じない。
通じるわけがない。
ならば談合してでもいい金額で
決まったほうがいいのではないか。
もちろんこれくらいの予算ならできます
と言ってあるはずだが
それも限界の値であろう。
そこから何パーセントか削れと言われるのだ。本当に変な業界である

しばらく変わらないであろう。
業界全体で
まとまってもう少し金額を上げてください

言わなければ変わらない
これ以下では請け負いませんと
業界全体が言うしかない。

とまあ
そんなこととっくにやってるだろうと思い
ペーペーが言えることじゃないんで
ここに書くくらいで納めます。

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