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共同マガジンvol2 byパト

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共同マガジン第二弾です。いいねの輪が広がれば嬉しいですね。
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2020年11月の記事一覧

「暗き淵より」

「暗き淵より」 おれの全意識を一変させたあの内的体験以来、おれは死者達のなかで生者となり、生者達のなかで死者同然の存在となった。 おれはおれの意識すべてを自他のうちに溶解させた。一切の境界が消えうせることによっておれの肉体は軋み、悲鳴をあげた。 獣をならすようにおれはおれ自身を制し馴らした。日常生活そのものが嵐となった。 おれはその状態のなかで狂気の何たるかを思い知った。自己を制するためには言語による透徹した思考と不屈の意志力は必然であった。 生来の相対的自己意識が無

「死と対峙する」

「死と対峙する」 *写真は私が40歳(1990年)の時です。(むむ、、若い、、。。) 、、この年の暮れに肺結核になった、、。。 ーーーー 私は過去に何度も死にかけた事がある。 5歳までに3回ほど水中で溺れた。 私が幼かった頃、年に一度は筑後川の支流沿いにあった村の堤防が決壊していた。一度目は洪水の後で父がたらいの中に私を乗せて泳いでいた。 私はたらいを揺らすのが好きっだったらしい。揺れるのが余程面白かったのか、たらいを何度も揺らしていた。そのうちにたらいがひっくり

源言語表現としての朗読

源言語表現としての朗読                            如何なる表現形式であれ、表現する以上は常に表現者の意図が核にある。  特に肉声による表現は、顕す人物の魂、精神の在り様が直に顕れる。  私は「朗読」という一般的名称に拘るつもりもないが、別に良い名称があれば変えたい、と軽く考えているが、中々適当な名称が思いつかぬ。  名称も大事なものとは思うが、問題は表現の内容である。  言霊という概念も用いる事は誰でも簡単であるが、それを表現出来るか?となれ