見出し画像

マトモにお酒が飲めない

昨日、たまに行くバーに行った時の話である。

バーのマスターが私の推しのことを知っていた。…以前推しがそのバーの話をしていて、そこからマスターとそれなりの仲ということは伺い知れたから当然と言えば当然なのだが、とはいえ、まさかその彼の話になるとは思わなかった。

私はそれでなくともお酒に弱い。チェイサー挟みつつゆっくり飲んで何とか普通に歩いて帰れるくらいだ。(それなら飲むなよという話なのだが、カクテルは…美味しいから…。)
ともかく、そういう人間なのだが、それが飲んでる途中で推しの話をされたらどうなるか?
…当然、一気に酔いが回った。通常時でさえ脈拍上がるんだから、そりゃあ飲んでる時なら大変なことになる。かくして、めちゃくちゃに語り始めてしまった。…ここまでなら私がよくしゃべるオタク現象を起こしてるだけなのでまだいいが、問題はここからである。

マスターはなまじ推しと仲がいいせいで「えー、‪✕‬‪✕‬君なんかのどこがいいのぉ」的な方向に話がいってしまったのだ。私も仮にも大人なのでそれなりには耐えられたのだが、どんなに、私が語ってもそれが段々とエスカレートしてくるわけで。

最終的に、私はカウンターに突っ伏して泣き出した。大惨事である。オマケに、これ泣いてるけど実質的には怒りがMAXに来てしまった故の泣きなので、1番面倒くさいパターンである。

言った言葉は「なんでいじめるんですかぁ…!」からの「私を悪く言われるのはまだ多少は耐えれるけど、好きな人を悪く言われるのは無理なんですよ!!」だった気がする。すごいな、私のどこにそんな熱量があったんだ。火力が強すぎる。

確かに推しも面倒くさい酔い方する事もあるらしいから私とて全面的な擁護はできないけれど、それにしてもいくら仲良いからといって彼を「推し」だという人間(私)の前でそう悪く言わなくてもいいじゃないかというのが私の考えである。これで本人が隣にいてヘラヘラ笑ってるとかならまだ耐えれるが、それも無しだ。無理だよ。
「‪✕‬‪✕‬くんがいい人なのは知ってるし、仲いいからこその冗談だって💦‬」とか言ってた気はするが、私が笑えてない時点で冗談としては成り立っていない。あと、もうひとつ。こういう時に使える言葉の刃を持っている。大学の教授直伝だ。

「仲が良いからと言って相手を貶すコミュニケーションはダサい。この言い方は語弊があるかもしれないが正直いって田舎モンのやり方だ」

これである。妙に心に残っているので私は好きな人のことは絶対に貶さないように気をつけている。そしてうっかり無自覚に貶してしまうと酷く落ち込む。生きづれぇなとは思うけれど、これが私の美学なので仕方あるまい。

まぁこれは私の信条なだけだから直接言うことはしなかったが、そんな事を思いながらその後は酷い目つきしながらお水(やたら注がれたので)を飲み、当てつけみたいにバカの度数のお酒…ブラックルシアン?とかいうのを頼んで飲んでしまった。不味くはなかったけど、喉と鼻が痛くなったので結果的に自傷としての飲み方になってしまった。普通に当てつけじゃなくて自傷だったのかもしれない。苛立ってるので別にいいかと飲んでたのに、2/3くらい飲んだところで牛乳を入れられてしまった。何でだよ。邪魔するなよ。

その後の記憶はあんまりハッキリしてないんだけど、「嫌な思いさせちゃったからうちのお代はいい」とかいうのと、「タクシー呼ぶからそれで帰るように」と促されたような気はする。
酔ってた割にはちゃんと家計簿アプリにタクシー代と書いてあったから、それがリアルなのだろう。財布の中身も計算合ったし。

店から出て1階に降りるまでのエレベーター内でもずっと何か言われてたけど、完全に背中向けて空笑いと共に「あぁ、そうですか」としか言わなかったんだから私も大概だな。

……推し語りしたいだけなのになぁ。なんでこんな痛い思いしなくちゃなんないんだろうな。


この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?