窓のひかり

夏が半分過ぎ去った蜩が鳴き出す頃と、厳しい冬の寒さが緩む頃の、大体夕方18時前後の薄暗い時間帯、色んな住宅の窓から漏れるオレンジ色の明かりがだいすきだ。部屋の中が見えたり、カーテンをされていても、それを自分の部屋からみたり、電車やバスに揺られながらみたり、とくに帰り道の住宅街を歩きながら見るのは、何故だかたまらなく好きだった。

窓で有名な会社のCMがまさに物語るように、其々の物語を抱えて長年そこにいる。夜道に浮かび上がる四角く光る夕日みたいなその色は、まるで映画館のスクリーンの様に、物語を連想させて息づいて見えて、覗き込むとそこで始まっているファンタジーの世界を垣間見れるんではないか、と私の中の好奇心を擽るのだ。

他人様の家の窓を見て想像して自分が満ち足りていく。これは一体何という症状の病気なのか、誰かに教えてほしい。

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