『フランチャイズの失敗』その3「フランチャイザーを選ぶ」
「フランチャイザーを選ぶ」
業種を決めたら次は本部選び。結構な数があったが、知名度や安定性などから(と言ってもあくまで個人の印象でだが) 他にも多種のフランチャイズ事業をやっている大手の某社に加盟する事にした。
実は、その時は店の営業と居抜き売却も並行してやっており、その本部の個別説明会に一度行き、メールで疑問な部分の質問をぶつけて以降、売却の目処が立つまでは全くアクションを起こしていなかったのだが、コンスタントにメール等で案内が来る中、現役のオーナーの話を聞く機会があるとの案内があったため、良い機会だと参加してみた。
そこで本部にもぶつけた質問や具体的な売上など結構色々突っ込んで訊いてみたのだが、かなり自信満々に納得のいく回答をされた。自分は月間売上150万を第一目標にしていたのだが、それも「楽にクリア出来る」と豪語していた。一応「本部は回答にノータッチ」と確認もし、コレが実質決め手となった。
しかし、後で実態を知ったらそのオーナーが大ボラ吹きのイケメンクソ野郎というのが分かったのだが…
と、それはさておき、もう少し具体的に事業内容を紹介すると、オーナーは先に書いた通り拠点となる「治療院」を開設し、「整体師」や「鍼灸師」の資格者を雇用する。そしてオーナーは、コツコツと「ケアマネージャー」(要介護者のケアプランを作成する人)に営業に回って利用者を紹介してもらい、資格者を自宅や施設などに派遣して医療保険が適用となる「医療行為」として高齢者にマッサージを行い、「レセプト」という手続きをして主に医療保険から治療費を頂くといった感じ。レセプトには、医師の「同意書」が必要で、コレをもらいに行くのもオーナーの仕事で、コレが結構ハードルが高いとの事であった。
ちなみにこの本部のロイヤリティは、「レセプト代行」という名目で売り上げの15%という結構な割合であった。
居抜きの売却もひと段落しつつあった頃、フランチャイズ本部に正式に申し込みを入れたのだが、一応審査があるとの事だった。本部としても成功してもらわないと自身のイメージにも関わるので人物を見極めたい的な意味合いだそうだが、面接があった訳でもなく、簡単な書類審査だけで問題なく通った。
そして契約をすることになり本部に行ったのだが、そこで責任者的な2名の人間と初めて面接のような事をした。しかし、気になったのが、やたらと公庫の融資を勧めてくる事だった。「規定の資金は持っている」と言っても執拗に勧めてくるため、なんか非常に印象が悪かった。まあ、今考えれば運転資金を持たせて少しでも長く続けさせるためだったのだろう。
そして契約を済ませた。加盟費はモロモロ併せてざっくりで300万くらいだった。
それから本部の研修に入っていく事となる。その研修は都内に約1週間通いで受けるのだが、10名弱の我ら研修同期達にとっては、とんでもない研修となるのであった。