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磁気式キースイッチの互換性と注意点について解説(2024/09/24更新)

はじめに

みなさんこんにちは。
ふぁいもしと申します。

ラピッドトリガー搭載キーボードには、そのほとんどに磁気式キースイッチが採用されています。
キースイッチの入力方式にはメンブレン式、メカニカル式、静電容量無接点式、光学式などが存在しますが、それらは磁気式との互換性がありません。
よって、メカニカルキーボードに磁気式キースイッチは使用できません。
しかし一体なぜなのか、特徴や互換性など5つのポイントに分けて解説します。

ラピトリ(ラピッドトリガー)とはなんぞや?という方には、こちらの記事が参考になるかと思います。


①入力方式

これまでのゲーミングキーボードでは最も馴染みの深い、メカニカル式キースイッチと比べてみましょう。
上から見るとほぼ同じですが、裏から見ると違いがわかります。

左:メカニカル式、右:磁気式
左:メカニカル式、右:磁気式

キーボードのPCB(プリント基板)側も異なります。
メカニカル式では金属のピンにより入力を検知しますが、磁気式ではセンサーが入力を検知します。

メカニカル式のPCB オモテ
磁気式のPCB オモテ

磁気式キースイッチが搭載されているキーボードのPCB(プリント基板)には、このセンサーが必ず搭載されています。
1つの磁気式キースイッチに1つのセンサーが割り当てられています。

磁気式のPCB ウラ

②磁気式キースイッチならどれでも使える!というわけではない

磁気式キースイッチであればどのラピトリキーボードでも使える、というわけでもありません。

磁気式キースイッチを大まかに分類すると以下の5種類になります。
これは磁気を感知するセンサーの位置や種類から分類されており、それぞれ互換内でしか使用することはできません。
1,KS-20系
2,S極系
3,KS-37系
4,RAESHA V1系
5,RAESHA V2系

1,KS-20系

KS-20系が採用されているラピトリキーボードは、wooting 60HE、wooting 80HE、wooting UwU、HEMU HM66、HM Xu、Wraith W75、MelGeek Cyber01、MelGeek MADE68、Varmilo Victory、ATK RS7、Everglide SU68、BACKSPACE OASIS75などが該当します。

N極で円柱状の磁石が特徴です。
S極系やKS-37系と非常によく似ているため注意が必要です。

2,S極系

S極系が採用されているキーボードは、VSPO! GEAR ゲーミングキーボード、AKKO MOD007B HE、e元素 Hz-61、Looting 60などが該当します。

S極の磁石です。
KS-20系やKS-37系と非常によく似ているため注意が必要です。

3,KS-37系

KS-37系が採用されているキーボードは、VXE ATK68 G版、VXE ATK75 G版、ArbiterStudio Polar65、YukiAim Polar65 Katana Edition、Higroud Performance Base 65、Keychron Q1 HE、WuqueStudio Meletrix Boog75などが該当します。

長方形状の磁石が特徴です。
KS-20系やS極系と非常によく似ているため注意が必要です。

4,RAESHA V1系

RAESHA V1系が採用されているキーボードは、DrunkDeer全機種、ELECOM GAMING全機種、VXE ATK68 L版 無印、VXE ATK75 L版 無印などが該当します。

ステムの正面に小さな磁石が付いているのが特徴です。
RAESHA V2系と非常によく似ているため注意が必要です。

5,RAESHA V2系

RAESHA V2系が採用されているキーボードは、VXE ATK68 V2 L版、VXE ATK75 V2 L版、VXE ATK68 ARMOR、VXE ATK68 AIR、ArbiterStudio Polar65 Pro、ArbiterStudio Polar75 Proなどが該当します。

ステムの側面に小さな磁石が付いているのが特徴です。
RAESHA V1系と非常によく似ているため注意が必要です。

③PCBに対応していなければならない

左はGATERON KS-20T Magnetic Jade、右はKAILH Source Series Mistralです。
どちらもKS-20系なのですが、左にはピンがあり、右にはピンがありません。
KS-20系であっても、キーボードのPCB(プリント基板)側にこのピンの収まる穴が無い場合、使用ができないというわけです。

④ソフトウェアに対応していなければならない

磁気式キースイッチのややこしい点のひとつです。
互換性があっても、キーボードのPCB(プリント基板)に搭載されている磁気を感知するセンサーやソフトウェアによっては、使える磁気式キースイッチの種類が異なります。
wooting全機種では、KS-20系であるEVERGLIDE 糯米とEVERGLIDE 三色菫は動作不安定の恐れがあるとして推奨されていませんでした。

⑤ホットスワップに対応していなければならない

キースイッチを交換したい場合、大前提としてキーボード側がホットスワップ(キースイッチを引き出して交換すること)に対応していなければ、キースイッチの交換はできません。

まとめ

以上、磁気式キースイッチの互換性についての解説でした。
キーボードごとに使える磁気式キースイッチで分類した記事も投稿していますので、ご覧いただけると幸いです。

レンタルや展示を利用したり、実機の購入はできる限り行っていますが、すべては網羅できていないのが現状です。
ご協力していただける個人様、企業様おりましたら、お手数ですがふぁいもしまでご連絡お待ちしております。

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