制御盤図面の書き方3(デバイスリスト編)

設備や装置の全体を掴む上で重要なデバイスリストについて書いていきます

デバイスリストの構成

主に
・動力(電動機、ヒーター)リスト
・電磁弁リスト
・センサーリスト
の3点を作っていきます。

動力(電動機、ヒーター)リスト

図1:動力(電動機、ヒーター)リスト

書くときに注意しているポイント
・機器番号
機器番号は綺麗に順番通りに法則性をもって決めようとしすぎないほうが良いです。
機器番号が正義ですべてが進むので、後で変更は混乱の元です。
試行錯誤するのは良いと思いますが、最終的には連番になると思います。
(雑談)欧州などはEPLANというCADが使われることが多く、私は使ったことが無いのですが、記号の+や=などに意味を持たせることが多いです。
機器番号が
=図面種別+設置場所.グループ-番号記号
になる感じです。下記に例を書きます
=A1+F1.N206-8S8
みたいな感じです。システマチックな設計で参考になります。
・アドレス
PLCに割り付けるアドレスです。
図面を書くときには最後のほうに決めることが多いので、試運転前に仕上げれば良いと思っています。
・設置場所
電気図面を書くときに個人的には早く決めたい項目です。
産業用機械などの設計時はどこの機側盤(ローカルパネル)に何の機器の配線を入れるか早く決めてしまわないと図面が書けないからです。
逆にリモートI/Oを使わない小さい機械なら適当で良いと思います。
同時に機械屋さんなどから平面図をもらってだいたいの位置を書くとよりイメージしやすくなります。
また、大型の機械で出荷時に分割するものは割り付けを工夫してバラし箇所を減らして現地の試運転時に復旧箇所を減らすことはスムーズな立ち上げに影響します。ここは腕の見せ所かと思います。
予算があれば産業用コネクタも検討しても良いと思います。
・機器名称
ここの名称は将来PLCにコメントで入れることを考慮して短くしたいところです。しかし、ここで機械屋さんとバトルになること必至。
個人的には機器番号でデバイスを見分けて名称はだいたいで良いと思っています。
・メーカー型式、仕様等
出来るだけ丁寧に記入しましょう。
後で故障したときに銘板ボロボロで読めないときのメンテナンス担当の気持ちになって記入しましょう。
あとトラブルになったときにマニュアル探すときに便利なのでホント丁寧に書きましょう。
備考欄にVFDインバータの型式など書いておくと後々楽です。

電磁弁リスト

図2:電磁弁リスト

書くときに注意しているポイント(他項目で書いたことは省略)
・動作
動作についてはできるだけ具体的に書いたほうが分かりやすいです。
たまに油圧ロックを(シリンダヘッドが)上昇、下降と書く人がいます。
そうすると機械図面を確認しないと動作が理解できません。
めっちゃ困ります。
あと油圧の電磁弁は容量が空圧と比べて大きいのでDC24Vの電磁弁を使うときは電流値に注意して、ケーブルやパワーサプライを選定しましょう。
意外と電磁弁は微妙な電圧だと動作しているのか、していないのか曖昧な感じになることがあり、トラブルの原因になることがあります。
しっかり定格電圧かどうか現場でテスタで確認しましょう。
不足電圧が酷いとハンチングすることもあります。

センサーリスト

図3:センサーリスト

書くときに注意しているポイント(他項目で書いたことは省略)
・定格
改めて定格はしっかり書きましょう。
ミスしていたらセンサーリストで気が付くことがあります。
センサーケーブルなどの付属品は備考や項目を作って記入するのが良いと思います。

総括

とにかくリストは細かく作りこんでください。
個人的にはリストが完成したら図面は脳死で書けるので、半分完成した気分です。
いまはGoogleWorkSpaceなど便利なサービスがあり、編集がクラウド上でリアルタイムで更新されます。
デバイスリストの最新版管理はこういったサービスを利用すると共有が楽になると思います。

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